現場に出向いて起きている事を注意深く観察する。 これに加えて大切なのは、 その現場で自分自身で体験してみること。 [書籍・雑誌]

『『似非性(えせせい)』似ているが本物ではないこと。

物事を確認しながら間違って理解。

本人は、間違いに気付かないので失敗してしまう。

さらに質(たち)が悪いのは、なまじ確認しているから

(みょうに確信していて)失敗の原因がそこにあることに気付けない。』[1]

現場に行かない。確認作業を自分でしないので本質的な原因を
見つける事が出来ない。だから現場主義。という話は、よく出てくるが

ココでの話は、
現場に出向いて現象を観察すれば十分というわけではない。
という示唆である。

何をすればよいのか?
ネットなどをつかって情報をあつめる。やはりこれだけではダメ。なのは
いまさらながら言うまでもない。

現場に出向いて起きている事を注意深く観察する。
これに加えて大切なのは、
その現場で自分自身でも体験してみること。

スクリーンショット(2015-10-01 5.52.08).png(引用:日本全国誰でも職人になれる旅プロジェクト」第一弾!工芸の街、富山県高岡市で職人体験! http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000026

観察者の視点は、どうしても俯瞰になってしまう。
こんな風に見える。というのに加えて、
やってみたらこう感じた。

これが無いと本質に気付けない。ことは大いにあり得る。

現場に出向いて、観察。ヒアリング。できれば、自分自身で体験。
躊躇している場合ではない。ときには図々しく、大胆とおもわれても
実践したいところだ。

ではでは。


[1]

気付力が夢を叶える! -研究開発力を格段に高める思考と実践法- (B&Tブックス)

気付力が夢を叶える! -研究開発力を格段に高める思考と実践法- (B&Tブックス)

  • 作者: 石原 信行
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2012/09/19
  • メディア: 単行本



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左脳(思想)と右脳(行動)の繋がりがよかった人 吉田松陰[1] [書籍・雑誌]

 吉田松陰にはまりにはまって、関連書籍(ただし平易なもの)を読みあさっている。

自分でも上手く説明できない吉田松陰像を見事に表現している文章をみるとついつい書き残して

おきたくなる。

僕が吉田松陰を理解する上で役に立つと思うからである。


『吉田松陰は、一見尊王攘夷という原理にこだわる、原理主義者に見えなくもありません。

しかし、吉田松陰は、もの凄い量の読書と考察の日々を送っているので、根底にある原理は尊王攘夷を

押し通しますが、それを実現させるための方法論がどんどん進歩していきました。

尊王も攘夷も、突き詰めれば実は、日本人としての脳の使い方の本質だと私は考えます。

 さらに彼は、本質だと思った自分の考えを、すぐに行動にうつそうとする過激さがあるので、

一見原理主義に見えます。

しかし、或る時点の原理に基づいて行動に移し、其の結果から原理を反省し進歩させいるので、

いわゆる原理主義者の欠陥である、ある原理に修正こだわって思考停止しているのに比べて、

彼の信じる原理自体が、行動と考察により強烈なスピードで進歩する原理である。

という言い方も出来るかもしれません』[1]

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』のお陰で吉田松陰関連の本が多く出版された。書き手が思いついたというよりも、出版社がここぞとばかり出版する決断をしたものと想像する。

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そんなことはどうでも良い。僕にとっては吉田松陰という人を少しでも理解する機会を得たということ。喜ばしい限りである。

ではでは。


[1]

逆境をプラスに変える 吉田松陰の究極脳

逆境をプラスに変える 吉田松陰の究極脳

  • 作者: 篠浦伸禎
  • 出版社/メーカー: かざひの文庫
  • 発売日: 2014/12/11
  • メディア: 単行本



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型にはまらない集団学習の場 [書籍・雑誌]


1. 友として一緒に学ぶ

2.褒めて能力を伸ばす

3.志をたてること

4.学んだ事を実践する


「人間とはすなわち学ぶことである」

「志を立てるべきである」

「学んだことは実践しなければならない」

これらは、
松下村塾の教育方針 であり、吉田松陰のモット―でもある。

心底から共感してしまう。

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[1]

吉田松陰と松下村塾 (別冊宝島 2235)

吉田松陰と松下村塾 (別冊宝島 2235)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: 大型本



[2]

人はなぜ勉強するのか―千秋の人 吉田松陰

人はなぜ勉強するのか―千秋の人 吉田松陰

  • 作者: 岩橋 文吉
  • 出版社/メーカー: モラロジー研究所
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本



[3]

吉田松陰『留魂録』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

吉田松陰『留魂録』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

  • 作者: 城島明彦
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『至誠』であろうとするゆえに、(他者を信頼して)こころの底をあます語りつくさずにはいられない。 [書籍・雑誌]

つくづく(社内)政治に向かないタイプだと自分自身で思う。

他者を信頼して、いつでも心の底をあまさず語りつくしてしまうところがある。

別に言わなくてもなんとかなることでも、黙っておくのは公正ではないのではないだろうか。という自分の中での考えに立ち返り語ってしまうところがある。

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そういう自分だからこそなのか、吉田松陰という人に凄く惹かれる。

吉田松陰も『「至誠」であろうという性格から 脱藩の後と、密航に失敗した後と2回繰り返された、不必要だったとも思える自主や、隠しだてや逃亡がしきれずに自ら語ってしまっている』 [1]

結果として、政治的な謀略などを遂行するどころか、本人は失敗の連続。

しかしながら、松陰は、『幕府に期待するのでもなく、藩に頼るのでなく、また陰謀をめぐらせるのではなく、ひとりの人間として「至誠」をもって事にあたれば、たとえ同志から理解されず、自らの命を落とすことがあるとしても、必ず「草莽が崛起して」(そうもうくっき:在野の人々が立ち上がって)世の中は変わる』 そんな思想を持ち得ていたそうだ。「草莽崛起」の思想 [1]

実際に、彼の弟子らも松陰の考え行動が過激になっていくのを諌めていたが、安政の大獄での松陰の死そして、かれが死の直前に書き残した『留魂録』によって一気に討幕に行動を移していくことになる。

そんな大それたことが出来る人間でもなんでもないが、僕も『至誠』を大事にする。そんな生き方を貫ければいいな。と思っている。目先の利益は、間違いなく取りこぼすことになるのだろう。今まで通りに。。。 それぐらいの覚悟は必要なのは間違いない。

『一誠、兆人を感ぜしむ』 吉田松陰
(ひとつの志、真心が、あらゆる人の心を動かすことができる)

『余寧(むし)ろを信じるに失するとも、誓って人を疑うに失するとも、誓って人を疑うに失することなからんことを欲す』 『講孟余談』 吉田松陰
(人を信じて失敗したとしても、人を疑って失敗することは誓って無いようにしたい)

『凡(およ)そ学をなすの要は己(おの)が為にするあり。己が為にするは君子の学なり。人の為にするは小人の学なり』 『講孟余談』 吉田松陰
(学問の要は自分を磨き高めることにある。自分のための学問は立派な人を志す人の学問である。他人にほめられるための学問は、取るに足らない人の学問である)

ではでは。

[1]

吉田松陰と松下村塾 (別冊宝島 2235)

吉田松陰と松下村塾 (別冊宝島 2235)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: 大型本



[2]

人はなぜ勉強するのか―千秋の人 吉田松陰

人はなぜ勉強するのか―千秋の人 吉田松陰

  • 作者: 岩橋 文吉
  • 出版社/メーカー: モラロジー研究所
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本



[3]

吉田松陰『留魂録』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

吉田松陰『留魂録』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

  • 作者: 城島明彦
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『行動観察』、『説得工学』 イノベーションのためにはいろいろ身につけなくてはならない事がある [書籍・雑誌]

イノベーションというテーマは、永遠の課題かもしれない。

自分の周りでもイノベーションが起こせない。どうしたら良いだろうか。
という議論を繰り返している。

イノベーションは、あきらかにインベンション(発明)とは違う。

”Invention(発明)の向こうにあるものだ。

 たとえば、
 iPS細胞は、発明の域に留まっている。

 それに対して、青色LEDは、
 イノベーションの域に達している。” [1]

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多少飛躍するが、そのイノベーション。なにやら一人の天才のひらめきで実現する。と単純化してしまう向きもあるがそんなに単純なものではない。

もちろん、優れたアイディア、非連続かつ破壊的なアプローチ、アプリケーションでなければならないのは確かであり、論理的なアプローチからはその種は生まれないと思う。

が、アイディアを生み出すのと同時、実現化しなければならないという難題が残っている。

すくなくとも関係者をその気にさせなくてはならない。

周りの人にとって”妥当性”やそれなりの”説得力”が必要になるのである。
もちろん、周囲の人全員を説得しなくてもかまわないがキーマンをその気にさせる必要はある。

たとえ、創業者であっても周囲の説得が必要なのはあの盛田昭夫さんですら口説いていたそうだ。説得工学なるものが必要だとも言っていたそうだ。(Walkmanを進めるにあたって自分の進退をかけたという話も残っているぐらい。ましてや、サラリーマン社長は、さらにイノベーションへのハードルが高くなるのは間違いない。)

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アイディア出し、そして妥当性(のある仮説)を生むためのプロセスとして、消費者、マーケットの『行動観察』が有効そうだという考えに要約たどりついた。いままでも”場”に出向いてつぶさに観察することがヒントになることは、何となくわかっていたし自分なりに実行してきたつもりだ。だが、その考えにたいして確信めいたものを手に入れた気分である。[関連文献:2]


そして、妥当性が一見ありそうな仮説を作れたとしても、それをさらに進めるには『説得』が必要になる。

「説得工学」の4つのエッセンス[5]

エッセンス1:「ターゲットとなる目標(大目的)は、ただ一つ。喜んで参加し、達成をしたいとの願望を共有できる、たった一つの明確な目標を設定すること」


エッセンス2:「目標はただ一つだが、目的はいくつあっても構わないし、時に変化もさせる」

エッセンス3:「プロジェクトを推進するプロデューサー役に人材を得ることが、最も肝要な第一歩」

エッセンス4:型にはめない「フレキシブルPERT法」



こんなことやってられるか!と思うようでは、志も想いも不足していることになる。
本当に自分がなんとかしたいことであれば、自然とできてしまうことらしい。

ではでは。


[1]
DHBR 2013『クリステンセンが再発見したイノベーションの本質』
~イノベーションは技術進歩ではない~一橋大学教授 楠木建

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 06月号 [雑誌]

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/05/10
  • メディア: 雑誌




[2]
Haruhito Matsunami 『行動観察をイノベーションにつなげる5つのステップ』Diamond Harvard Business Review Aug.2014


Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年 08月号[雑誌]

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年 08月号[雑誌]

  • 作者: ヤフー安宅和人、大阪ガス行動観察研究所松波晴人、博報堂宮澤正憲ほか。HBR論文ロバート・サイモンズ、ドロシー・レオナルドほか
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 雑誌




[3]

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

  • 作者: 松波 晴人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/10/18
  • メディア: 新書



[4]

「行動観察」の基本

「行動観察」の基本

  • 作者: 松波 晴人
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



[5] 盛田昭夫 グローバル・リーダーはいかにして生まれたか 『人とカネは無限にあると考えよ!』
http://www.dhbr.net/articles/-/2472?page=2
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敗者には、”不運だったから”という資格はない [書籍・雑誌]

最近ますます、「努力」ネタに嵌っている。

きっかけを作ったのは、川上哲治さん。

「禅」の影響をうけたことで、大きな仕事をやり遂げた人。川上哲治さん。

掘り下げてみたいと思って何冊かの本を手にした。

禅から彼が受けた、大きな影響に関して理解が進むと同時に、

言い知れぬ努力の数々を目にすることになった。

そして、もう一人の努力の人。王貞治さんが気になっている。

努力したのに結果が出ない。
そんな事を言っているようでは、まったくダメ。

結果が出ない。運が悪い?
運に作用されないぐらいにダントツの力を蓄える。
まだまだ努力が足りないんだ。
と王さんは考えていたそうです。

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ただ、そういう王さんも「運」は大切だ。と考えていたそうです。
(僕らが思い描くような運ではなく、めぐりあわせ。のようなものの事のようです。)

王さんは、中学生の頃から野球がめっぽう上手だった。が、野球選手になろうとは思ってなかったそうです。
医者か技術者になりたくて、都立高校に進学するつもりだった。

だが、後に一本足打法の生みの親である荒川さんとの出会い”口説き”などにより、
野球の名門「早稲田実業高校」に進学したそうです。

そういう出会いがなければ、真剣に野球を続けることもなかったろうし、甲子園大会で優勝して、
読売巨人軍に入団するなどということは無かった筈。

また、加えて王さんはもともと右打ちだったそうです。
荒川さんが中学生の王さんをグラウンドで観た時に、
右打者として良い成績を残していた王さんではあったが
左打者としてはもっとよい選手になれる。と感じたそうです。

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同じく読売巨人軍のV9をささえた、牧野茂さんがこんなことを著書『背番号1王貞治~その武蔵のごとき歩み~』のなかで書かれている。

「勝者だけには、”幸運だった”という資格があたえられる。だからといって
 敗者には、”不運だったから”という資格はない」[1]

厳しい表現だが、現実を言い得ているように思う。

ではでは。

[1] 牧野茂(著) 『背番号1王貞治~その武蔵のごとき歩み~』 六興出版 1976年

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「行き詰れ!」 川上哲治 [書籍・雑誌]

『「真剣にやって早く行き詰れ」
とは、川上哲治さんの言葉。

真剣にやっていれば、かならず行き詰る。
行き詰まるまで真剣にやれ。
それで壁に突き当たれば、またやってみる。

その上でどうしても突き破れなかったら、
視点、角度を変えて、また壁に体当たりするのだ。

ということだそうだ。』 [1]


なんか、そこまで突き詰めたことがあるだろうか。

ちょっとした困難に直面しただけであきらめたり
ジンクスだ。という言葉で逃避していないだろうか。

分かっているけど、出来ない。
などもってのほか。

閉塞感を感じてしまう。。。

とことん突き詰めていない人間の言葉でしかないのかもしれない。

川上哲治さんや、王貞治さんらの言葉を聞いていると
どんな言葉も言い訳にしか聞こえない。

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襟をただしてしまうのであった。

[1] 牧野茂(著)『背番号1王貞治』 1976年 六興出版
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「創造の病」を経験して、克服できたあなたには明るい未来がある。   かもしれない。 [書籍・雑誌]

「人間は、優れた仕事をするためには
 自分ひとりでやるよりも
 他人の助けを借りる方が良いものだと悟ったとき
 偉大なる成長を遂げる。」

鉄鋼王アンドリュー・カーネギー

以前の僕には、まったく理解出来なかったろう言葉。
今の僕の心には、深く染みいっている。

大きな成功を収めた方々を観て行くと
初めから他人との協調に重きを置いていたわけではない。
という事例が多いようです。


たとえば、本田宗一郎さん。

(本田宗一郎さんのような)「成功者」も
「自己承認と自己確立」の時代を経て
 ↓
「他者承認と感謝」の時代へと次第に変化している。

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 組織で何かを為そうとすると、
 自分と異なる人、者を認め、感謝する。

 自分でやるだけよりも他人と物事を進めるほうが
 成果があがる。と

 心から感じるようにならないと大きなことは
 出来ないということです。

 しかしながら逆に、
 「他社承認と感謝」の時代だけではダメ。

 「自己承認と自己確立」の時代を経たうえでの
 「他社承認と感謝」の時代にいたらなければならない。

 とも言っているのです。

 この手順をちゃんと踏むことではじめて大きな成功に繋がる
 と言う主張に思えます。

 なぜ?

 「自己承認と自己確立」をもっていないと、そもそも
 世の中に出てこない。と思うからです。

 たとえば、実際に

 本田宗一郎さんは、若いころにはこんなこと言っていたそうです。

 「人生は“得手に帆あげて”生きるのが最上だと信じている」[1]


「人間、生を受けた以上どうせ死ぬのだから、やりたいことを
 ざっくばらんに生き、しかるのち、諸諸の執着せずに枯れ、
 そして死んでいくべき、と考えた」[2]


これらの対象は、やはり「自分」
 
そういう、本田さんの発言にも年齢と経験を重ねるうちに
変わっていったようです。


「人間にとって大事なことは、学歴とかそんなものではない。
 他人から愛され、協力してもらえるような徳を積むことでは
 ないだろうか。そして、そういう人間を育てようとする精神
 なのではないだろうか」[3]

「人を動かすことが出来る人は、他人の気持ちになれる人である。
 そのかわり、他人の気持ちになれるというのは自分が悩む。
 自分が悩んだことがない人は、まず人を動かすことはできない。」[4]

生前最後のインタビューでは

「俺なんか瀬戸物のカケラにしか過ぎないよ。藤沢を始め、多くの
 人たちがいたからこそ、会社がここまで成長できたんだ。退職した
 人やすべての顧客なども含めて、すべての意味でホンダと俺に関
 わった人に感謝してやまない」

たしかに、若い頃の「自己承認と自己確立」から「他者承認と感謝」というチーム志向に変化している。

これは、現役選手時代は、豪打でならした打撃の神様 川上哲治さん
が、選手時代は、完全な「自己承認と自己確立」タイプで、
監督になって「他者承認と感謝」というチーム志向の大切さに気付き
徹底実行したことで、前人未到のV9を達成した。

というのとも確かに通じる。

「自己承認と自己確立」から「他者承認と感謝」に変換するのはいつ?
 
一般的には、40代前半だそうです。
いわゆる中年の危機の時期。
 
40代には、イノベーションは思いつかない。
という小林三郎さんの話しとも関係がありそう。

中年の危機
 
というと、なにやらネガティブな印象ですが、
クリエイティブ・イルネス(創造の病)とも呼ばれ
実は心が最も成長する時だそうです。

前半の人生が方側だけに光を当てている半月だとすると
後半の人生は逆側からも光を当て

心全体を使えようになる。


それはまるで、
「いままで生きてこなかったもう一人の自分を生きる」
ようなものである。


この時期に

「感謝と他社支援」の必要性を感じ取り、

 実行することで、乗り越え、心が全体性へと向かい、

 中年期、老齢期への更なる成長につながっていく。


「クリエイティブ・イルネス(創造の病) 」を学術的に説明すると
 実はこうなります。

「精神医学者エレンベルガー(H.Ellenberger)が唱えた概念。
天才は心が病む経験をしていたという概念である。
 
フロイトやユングの生涯を研究していたエレンベルガーは、創造的な思想や真理を発見する人々は、長年の神経症的状態を経験していた事実を認め、それを「創造の病」と名付けた。
フロイトは、自身の神経症の体験を自己分析し、精神分析を体系化した。そしてユングはフロイトから破門された直後に内的な危機を体験し、そこから分析心理学を体系化したという。


「創造の病」は天才的な科学者、思想家、作家、音楽家や芸術家、が経験するという。
 
主な傾向として以下の点が挙げられる。
1、長時間、不休の知的作業へ没頭した後に突然起きる。
2、症状として、うつ病、不眠、頭痛など神経症的な症状が続く。
3、病は数年間にも及ぶことがあり、その人は完全な孤独感に悩むが、知的作業は継続される。
4、回復は突然に訪れ、爽快な気分を味わう。そして自分は新しい精神世界を発見したという確信を携さえ社会的な評価を得る。」[5]

「クリエイティブ・イルネス(創造の病) 」を学術的に説明すると
 
「創造の病」は天才的な科学者、思想家、作家、音楽家や芸術家、が経験するという。
 
ということは、創造の病 は皆が経験するわけではない。



つまり、経験した人には、大成する可能性がある。

「創造の病」を経験して、克服できたあなたには明るい未来がある。

 かもしれない。


僕にも、思い当たることがある。
ひょっとすると僕自身にもその可能性はあるのかもしれない。



ではでは。


[1]『本田宗一郎生誕100周年記念出版 本田宗一郎本伝 飛行機よりも速いクルマをつくりたかった男』毛利甚八(著)小学館

[2]『本田宗一郎との100時間』城山三郎(著)PHPパブリッシング


[3]『定本 本田宗一郎伝 飽くなき挑戦 大きなる勇気』
  中部博(著) 三樹書房


[4]『評伝 本田宗一郎 創業者の倫理と昭和ものづくりの精神』
 野村篤(著) 青月社


評伝本田宗一郎―創業者の倫理と昭和ものづくりの精神

評伝本田宗一郎―創業者の倫理と昭和ものづくりの精神

  • 作者: 野村 篤
  • 出版社/メーカー: 青月社
  • 発売日: 2008/11/18
  • メディア: 単行本




[5]生の文化の書斎 創造の病 Creative illness
  http://www.d4.dion.ne.jp/~yanag/creative.htm

[6]

起業家のように企業で働く

起業家のように企業で働く

  • 作者: 小杉 俊哉
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2013/10/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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名選手、名監督にあらず。名参謀の存在。革新的なアイディアと実践。 [書籍・雑誌]

川上哲治さんの著書を読んで、白石豊さんの著書を手に取る事になった。
そして、いまテックス・ウィンターさんの著書『バスケットボール トライアングル・オフェンス』(2007年 大修館書店)を手に取っている。

テックス・ウィンターさんは、大学バスケットボールのコーチの経験をへて、1985年にシカゴ・ブルズのアシスタントコーチに就任。フィル・ジャクソン・ヘッドコーチのもと3連覇を含む計6回のNBAチャンピオンシップ。2000年〜2002年の3年連続NBAチャンピオンシップをおなじくフィル・ジャクソン・ヘッドコーチのもとロサンゼルス・レイカーズで獲得している有名コーチ。
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バスケットボールにこれといった思い入れがない僕がこの本を手にとったのは、白石さんが著書『心を鍛える言葉』(2005年 生活人新書)でフィル・ジャクソンさんの監督哲学に関して触れていたからだ。

フィル・ジャクソン監督も川上哲治さん同様、名監督で名選手。なにせNBAで幾度もチャンピオンシップを獲得している。共通点は、監督哲学の根底に禅があるという。これもまた、川上さんとの共通点。
(フィル・ジャクソンさんには禅導師を意味する「ゼン・マスター」というあだ名があるそうだ[2])
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ジャクソンさんも選手時代は、俺が俺が。という選手だったそうだが、監督になってからは”自分を捨ててチームのために”と言い出したといわれている。

シカゴ・ブルズ時代にマイケル・ジョーダンに
「君は得点王だけど、チームは勝てないよね。得点王になるのとチームが優勝するのどちらが良い?」と聞きながら

「バスケットで一番いいのは、このチームが一番になることだ」という答えを引き出した。
そこから彼がフォア・ザ・チームに徹して、連戦連勝のシカゴ・ブルズ帝国誕生となった。
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シャキール・オニール選手も同じ。
以前は、「何がチームプレーだ。俺は俺のバスケットをやる」と公言していたのに、ジャクソンさんに会ったとたんに「こんな素晴らしい人に会えるとは思っていなかった。この監督のために俺はバスケットをやる」と一変したという。
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フィル・ジャクソンさんが川上哲治さんなら、
テックス・ウィンターさんは、牧野茂さん。名監督に名参謀の関係。
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その名参謀の著書の名著がこの『バスケットボール トライアングル・オフェンス』だと言われている。(ちなみにこの著書は、テックス・ウィンターさんが大学コーチ時代に書いたものらしい)

いろんな示唆がここにはある気がしてならない。

ではでは。

[1]

バスケットボール トライアングル・オフェンス

バスケットボール トライアングル・オフェンス

  • 作者: テックス ウィンター
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本



[2]ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3

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企業のDNA [書籍・雑誌]

会社毎の色って間違いなくある。社員がそれに染まっている。それをDNAというのであれば、間違いなく各々の企業には、DNAがある。

そのDNAをより意識したくて、最近またOBの方々の話を聴いたり、著書に触れたりしている。
以前にもそこそこ読んだ。と自分では思っていたのだが、まだまだお宝はあるようだ。

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そういうOBの講話とか、著書とかに関して、若い世代はどんな風に思っているのか。とふと気になった友人が若者に質問を投げかけていた。

その結果分かったことなのだが、若い世代は、あの輝かしいOBたちの存在を知らない。
我々にとっては、神様のような存在だったあの人たちの名前もしらないのだ。

何かを説明、紹介するときに意識するのは、
・(相手に響く、相手が分かる)例え話をする。
・(            )比喩をつかって表現をする。

・ 何かと比較(差、違い)で表現する。
・ そして、その差、違いが(話相手にとって)どんな意味をもつのか。
  (後半2つは、三谷宏治さんから直接教わったポイント)

ポイントは、相手が共感を覚えるようなアプローチをしないと分かってもらえない。理解しようと思ってもらえいない。ということである。

実感をもって理解してもらえるには重要なポイントだと思っている。

そして、もう一つ重要な事は、”メディア力”である。(以前誰だったかが書いていた。誰だったか思い出せない。)
同じ情報でも、誰が言ったか。誰が伝えているか。によって伝わり方が変わる。
たとえば、同じニュースを”NHK”で観るのと、”ネット記事”で観たのとでは、伝わり方が違う。これはしょうがない事である。この差を”メディア力(りょく)”と表現していた。

で、会社のOBの講話や、著書等に関して、若者はどう考えるか?に話を戻そう。

「栄光のOBといっても、僕らにとっては直接働いた事もないし自分たちが入社した頃にはもう既に退社されていた。ということもあって親近感が持てない。」

「いまとは違う環境、時代で、自分たちはこうやった。と聴かされてもピントこない。」

という意見を聴いて、ギョットした。同じ会社に務めていても、キッカケや会社に対する想いがこうもちがうものかと。。。

先ほどの”メディア力”ではないが、世代世代にあったOBの話、著書から始めるのがよいのかもしれない。DNAを大切にする。之自体に間違いは無い筈だからだ。

ではでは。

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盛田昭夫・佐治敬三 本当はどこが凄いのか!!―これまで未公開の新事実で迫る偉大な起業家の実像と遺訓

盛田昭夫・佐治敬三 本当はどこが凄いのか!!―これまで未公開の新事実で迫る偉大な起業家の実像と遺訓

  • 作者: 黒木 靖夫
  • 出版社/メーカー: 三推社
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本




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