「創造の病」を経験して、克服できたあなたには明るい未来がある。   かもしれない。 [書籍・雑誌]

「人間は、優れた仕事をするためには
 自分ひとりでやるよりも
 他人の助けを借りる方が良いものだと悟ったとき
 偉大なる成長を遂げる。」

鉄鋼王アンドリュー・カーネギー

以前の僕には、まったく理解出来なかったろう言葉。
今の僕の心には、深く染みいっている。

大きな成功を収めた方々を観て行くと
初めから他人との協調に重きを置いていたわけではない。
という事例が多いようです。


たとえば、本田宗一郎さん。

(本田宗一郎さんのような)「成功者」も
「自己承認と自己確立」の時代を経て
 ↓
「他者承認と感謝」の時代へと次第に変化している。

20090623_01_ijin.jpg


 組織で何かを為そうとすると、
 自分と異なる人、者を認め、感謝する。

 自分でやるだけよりも他人と物事を進めるほうが
 成果があがる。と

 心から感じるようにならないと大きなことは
 出来ないということです。

 しかしながら逆に、
 「他社承認と感謝」の時代だけではダメ。

 「自己承認と自己確立」の時代を経たうえでの
 「他社承認と感謝」の時代にいたらなければならない。

 とも言っているのです。

 この手順をちゃんと踏むことではじめて大きな成功に繋がる
 と言う主張に思えます。

 なぜ?

 「自己承認と自己確立」をもっていないと、そもそも
 世の中に出てこない。と思うからです。

 たとえば、実際に

 本田宗一郎さんは、若いころにはこんなこと言っていたそうです。

 「人生は“得手に帆あげて”生きるのが最上だと信じている」[1]


「人間、生を受けた以上どうせ死ぬのだから、やりたいことを
 ざっくばらんに生き、しかるのち、諸諸の執着せずに枯れ、
 そして死んでいくべき、と考えた」[2]


これらの対象は、やはり「自分」
 
そういう、本田さんの発言にも年齢と経験を重ねるうちに
変わっていったようです。


「人間にとって大事なことは、学歴とかそんなものではない。
 他人から愛され、協力してもらえるような徳を積むことでは
 ないだろうか。そして、そういう人間を育てようとする精神
 なのではないだろうか」[3]

「人を動かすことが出来る人は、他人の気持ちになれる人である。
 そのかわり、他人の気持ちになれるというのは自分が悩む。
 自分が悩んだことがない人は、まず人を動かすことはできない。」[4]

生前最後のインタビューでは

「俺なんか瀬戸物のカケラにしか過ぎないよ。藤沢を始め、多くの
 人たちがいたからこそ、会社がここまで成長できたんだ。退職した
 人やすべての顧客なども含めて、すべての意味でホンダと俺に関
 わった人に感謝してやまない」

たしかに、若い頃の「自己承認と自己確立」から「他者承認と感謝」というチーム志向に変化している。

これは、現役選手時代は、豪打でならした打撃の神様 川上哲治さん
が、選手時代は、完全な「自己承認と自己確立」タイプで、
監督になって「他者承認と感謝」というチーム志向の大切さに気付き
徹底実行したことで、前人未到のV9を達成した。

というのとも確かに通じる。

「自己承認と自己確立」から「他者承認と感謝」に変換するのはいつ?
 
一般的には、40代前半だそうです。
いわゆる中年の危機の時期。
 
40代には、イノベーションは思いつかない。
という小林三郎さんの話しとも関係がありそう。

中年の危機
 
というと、なにやらネガティブな印象ですが、
クリエイティブ・イルネス(創造の病)とも呼ばれ
実は心が最も成長する時だそうです。

前半の人生が方側だけに光を当てている半月だとすると
後半の人生は逆側からも光を当て

心全体を使えようになる。


それはまるで、
「いままで生きてこなかったもう一人の自分を生きる」
ようなものである。


この時期に

「感謝と他社支援」の必要性を感じ取り、

 実行することで、乗り越え、心が全体性へと向かい、

 中年期、老齢期への更なる成長につながっていく。


「クリエイティブ・イルネス(創造の病) 」を学術的に説明すると
 実はこうなります。

「精神医学者エレンベルガー(H.Ellenberger)が唱えた概念。
天才は心が病む経験をしていたという概念である。
 
フロイトやユングの生涯を研究していたエレンベルガーは、創造的な思想や真理を発見する人々は、長年の神経症的状態を経験していた事実を認め、それを「創造の病」と名付けた。
フロイトは、自身の神経症の体験を自己分析し、精神分析を体系化した。そしてユングはフロイトから破門された直後に内的な危機を体験し、そこから分析心理学を体系化したという。


「創造の病」は天才的な科学者、思想家、作家、音楽家や芸術家、が経験するという。
 
主な傾向として以下の点が挙げられる。
1、長時間、不休の知的作業へ没頭した後に突然起きる。
2、症状として、うつ病、不眠、頭痛など神経症的な症状が続く。
3、病は数年間にも及ぶことがあり、その人は完全な孤独感に悩むが、知的作業は継続される。
4、回復は突然に訪れ、爽快な気分を味わう。そして自分は新しい精神世界を発見したという確信を携さえ社会的な評価を得る。」[5]

「クリエイティブ・イルネス(創造の病) 」を学術的に説明すると
 
「創造の病」は天才的な科学者、思想家、作家、音楽家や芸術家、が経験するという。
 
ということは、創造の病 は皆が経験するわけではない。



つまり、経験した人には、大成する可能性がある。

「創造の病」を経験して、克服できたあなたには明るい未来がある。

 かもしれない。


僕にも、思い当たることがある。
ひょっとすると僕自身にもその可能性はあるのかもしれない。



ではでは。


[1]『本田宗一郎生誕100周年記念出版 本田宗一郎本伝 飛行機よりも速いクルマをつくりたかった男』毛利甚八(著)小学館

[2]『本田宗一郎との100時間』城山三郎(著)PHPパブリッシング


[3]『定本 本田宗一郎伝 飽くなき挑戦 大きなる勇気』
  中部博(著) 三樹書房


[4]『評伝 本田宗一郎 創業者の倫理と昭和ものづくりの精神』
 野村篤(著) 青月社


評伝本田宗一郎―創業者の倫理と昭和ものづくりの精神

評伝本田宗一郎―創業者の倫理と昭和ものづくりの精神

  • 作者: 野村 篤
  • 出版社/メーカー: 青月社
  • 発売日: 2008/11/18
  • メディア: 単行本




[5]生の文化の書斎 創造の病 Creative illness
  http://www.d4.dion.ne.jp/~yanag/creative.htm

[6]

起業家のように企業で働く

起業家のように企業で働く

  • 作者: 小杉 俊哉
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2013/10/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。