講演会・セミナー ブログトップ
前の10件 | -

僕が受けた二つのショック。  ~道徳授業地区公開講座『講師:堀江航さん』〜 [講演会・セミナー]

本日(6月11日(土))、娘の通う公立小学校の学校参観に参加してきました。

区の方針らしいのですが、学校公開日は数日設けられていて(今回は、木、金、土の3日間だった模様。)仕事を持つ多忙な親類の方々も何らかの授業を参観できるようになっています。

これは、親としては大変ありがたいことです。さすがに長期出張とぶつかると行けなくなってしまいますが、この学校公開日は、各学期ごとにあるようなのでおかげで少なくとも1年に1度は参加させてもらっています。

娘の授業に対する姿勢を観察したり、教室に貼り出されている絵や習字を見たり、クラスの中で何係をしているのか、どんな活躍をしているのかより具合的にイメージできて楽しいものです。

また、低学年から授業参観や運動会などのイベントを通じて、クラスのお友達の顔も徐々に覚えてきたので我が娘のみならず、みんなの成長も楽しませていただいています。

今日、触れておきたかったのは授業参加の後に開催された『道徳授業地区公開講座』です。
正直、当日までこの講座の事を知らなかったです。
妻には、11日土曜日は、学校公開の日。授業を参観してきてね。と前々から言われていたので学校に行く事は、予定していたのですが『道徳授業地区公開講座』がその一環として組まれているのは知らなかったです。

今までも、そのような講演会は催されていて授業が全て終わった後の時間に設定されているものだったこともあって、参加したことはありませんでした。

そういう中での参加だったので、どんな講座なのか、誰が来て何をするのかも知らないまま会場である体育館に向かいました。

会場に入るなり目に入ったのは、ずらり並べられているパイプ椅子、とすでに着席されている父兄の方々、そして学校関係者。

前方の壁に貼ってある大きな紙には、
題目『人間のもつ可能性や困難を乗り越える力の育成』〜努力〜
講師 元車いす バスケットボール選手 堀江航 様
と書かれていました。

そういえば、会場内に幾つか車いすが置いてあるし、娘が先日『車いす体験をした』というのを思い出しました。

講演会というものへは、他人と比べて比較的(いや相当)参加している方だと思いますが、大概の場合は、事前に色々調べることはなく先入観を持たずに臨むことが多いです。今回も御多分にもれず、事前情報なしでの参加でした。

8割かた席が埋まった状態の会場。どこに座ろうかなとおもったら一番最前列が空いていたのでそこにすわりました。まあ、これもいつもの僕の行動パターン。折角なら一番前でガッツリ聴く。というのが信条です。

講演開始まであと5分。というところで着席した際に何気なく前をみていたら30代と思われる男性が立ってました。講演会の世話人かな。いや、講演者。たしか、講演者は、元車いすバスケットボール選手。ってあったからこの人が講演者でコーチなのかな。えっ、でも選手って。。。などと思いながら会場の体育館をキョロキョロしているうちに講演会開始の時間になりました。

BBC2.JPG

副校長がMC。その際の紹介で初めて分かりました。先ほどの男性が元車いす バスケットボール選手の堀江さん。全身を見渡すと、たしかに左足が義足。でも、自然に立っているし、表情も仕草もすべて特別なところがない。

堀江さんの話を伺っているうちに気付きました。それら(*)はすべて自分の理解、イメージは、単なる先入観に過ぎない。それも一方的な思い込みに過ぎないということに。[2]

事実、堀江さんも講演の際に期待されるのは、
『人生どん底からの立ち直り』みたいな題目、ストーリーを期待されることが多いそうです。
我々の中にそんな先入観と期待のようなものが出来上がっているが、実際、本人からすると全く違うそうです。
そう、僕のなかの先入観、固定概念のようなものが全て間違っていたということに気づかされたということです。


実際、堀江さんの話からは、ひとかけらの悲壮感も絶望感すら感じなかった。
それどころか、僕ら以上にポジティブにそして貪欲に挑戦し続けている。活き活きした表情ばかりが印象的だったです。

大学3年生の時に片足を失って、それまで真剣に取り組んでいたサッカーが出来なくなったことは悲しい出来事だったが不幸だとは思わなかった。

それよりもスポーツをなにかやりたくて渡米。

そこでマンガ『リアル』で知っていた車いすバスケットボールに挑戦することにしたそうです。でも、半端なく取り組まれたようでその留学先の名門イリノイ大学で活躍。全米選手権でも優勝。そのまま、車いすバスケットボールのプロリーグがある(*)スペインリーグや、ドイツのブンデスリーグで活躍。ドイツリーグカップや、ヨーロッパカップなど3冠達成。

20091126161437.jpg

次に挑戦したのは、アイス・スレッジホッケー。(車いすアイスホッケー)
2014年ソチオリンピックを目指して頑張ったそうです。最終予選までいったが日本チームのオリンピック出場は叶わなかったそうです。

ダウンロード.jpg

それ以外にも
・車いすソフトボール
img_0.jpg


・ブラジリアン柔術(投げ技が無い柔道。寝技、関節技が主体の競技)
いまは、これがメインのようで黒帯を目指して挑戦中だそうです。




いろんな競技に挑戦するのは、米国で学んだことだそうです。日本の場合は、一つの競技に集中して年間スケジュールを組んで取り組むが、米国やヨーロッパなどの大学では、スポーツごとにシーズンが区切られていて、オフシーズンになるとコーチから教わることが出来ない決まりになっているぐらいだそうです。

多様なスポーツ競技にふれあうことのメリット。それは、各競技において求められる能力は異なるので、いろいろな競技を体験することで自らの可能性が広がるし、自分の大事にしている競技への好影響が期待できるようです。

堀江さんらに対しての間違った思い込み、先入観へのショックに加えて、もう一つショックだったことがあります。
ここまでの文面でも触れましたが、日本と欧米との違いです。

日本も随分、成熟した国家になったと思うコトもありますが、こと身障者の方々に対する理解と環境という点ではまだまだ欧米諸国からは遅れているように思いました。

先ほどのヨーロッパでの話に戻りますが、ヨーロッパには車いすバスケットボールなどにプロリーグがあってそれもかなりメジャーな存在だそうです。選手にファンがついていていて選手のサインやウェアなども人気だそうです。
そうとう熱い競技として運営されているとのことです。それに比べれば、日本はまだまだな気がします。

車いすバスケットボールが一般的な競技として運営されている。健常者のプレーヤーも実は多く、ドイツのブンデスリーグなどでは、健常者プレーヤーも混在しているそうです。

もちろん、健常者が身体能力的に有利な部分があるので体の状態によって1~4.5点の点数がつけられている。
例えば、堀江さんの場合は4.5点。腹筋から下部が無いかたは1点。コート内の選手全員の合計点数が14点以下であることが求められるそうです。それがクリア出来ていれば、健常者もプレイ可能ということのようです。

何れにしても、競技が特別なものとして扱われることなく、さまざまな個性の人たちで楽しむ楽しめる競技として支えられているとのことです。

 ここまで聞かされて、自分の先入観の間違いに打ちのめされていた僕でしたが、
アイス・スレッジホッケーなどは、『両脚ない選手の方がアドバンテージがある。体が軽いですからね。』との堀江さんの言葉を聴いて、まだまだ、理解が足りていない。とショックを受けました。。。



僕のイメージと実際の選手の方のマインドとのギャップに対するショック、
日本という国が先進国、成熟しているというのが単なる思い込みだったというショック、

この2つのショックを感じた一日。半ば、アクシデントで出席した講演会でしたが、大変有意義なものでした。
偶然のようであって、必然だったのかもしれません。一期一会。そんなことを思いました。

ではでは。


[1]centerpole HP 堀江航さん紹介ページ
http://www.centerpole.work/#!blank/n7xit

[2]アクセシブルアイコン Centerpole HPより
http://www.centerpole.work/#!product-page/z07bt/8268ca31-ade1-2f6e-1d7e-f6d061d0e416

スクリーンショット 2016-06-12 7.20.23.png


Accessible Icon Project( 以下「AIP」)は、国際標準の身障者マークをよりアクティブでポジティブなものに変えるためにアメリカで2009年に始まった草の根運動です。
視覚から受ける印象は我々の生活に大きな影響を与えています。また、現在使用されている標識やマークは、我々がどのようなイメージを持っているかを表しているとも言えるでしょう。
身体に障害を持つ人々は、長いあいだ「他人の力を借りなくては何もできない存在」として扱われてきました。旧身障者マークはとても受身でネガティブな印象を与えます。手足には生気がなく、上半身は不自然な直立姿勢、人は車イスのおまけのように描かれています。
AIPは、身障者マークを一新することによって社会の意識を変革し、身障者の方々があらゆる分野でもっと活躍できるよう支援するためのプロジェクトです。

[3]日本の障害者スポーツ文化を変えたい~片足アスリートの挑戦~
 ブラジリアン柔術 堀江航さん(CARPE DIEM BRAZILIAN JIU-JITSU)(WEDGE Infinity HP)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5156?page=1

[4]堀江航さんの略歴(まくらぼ HP)
http://www.makulab.jp/sports_horie_wataru.html

2008-10年
University of Illinois 所属 2009 NWBAカレッジディヴィジョン 準優勝

2010年
NWBAカレッジディヴィジョン 優勝 2010 All Academic American 受賞
2011-12年
ドイツ RSV Lahn Dillに移籍
ドイツカップ、ブンデスリーガで国内2冠。 ヨーロッパチャンピオンズカップも制し、3冠を達成。
ドイツリーグ、ブンデスリーガ優勝
POKAL(ポカル、ドイツカップ)優勝
ヨーロッパチャンピオンズカップ優勝
2013年
アイススレッジホッケー日本代表として世界選手権大会Bプールに出場。銀メダルを獲得
2015年
ブラジリアン柔術 関東オープン アダルト2 白帯 無差別級 優勝

20101201140914.jpg

[5][第82回]プロ化進む ドイツの車椅子バスケ(GLOBE HP)
『ドイツで、車椅子バスケットボールが注目を集めている。試合を開催すれば1000人以上の観客が集まり、プロ化も進む。人気の根底には、「誰もがスポーツを楽しむのが当たり前」という文化が流れている。(スポーツ部・後藤太輔)』
http://globe.asahi.com/sports/2016040100024.html

キャプチャ.JPG

[6]車椅子バスケ わたるさん (アメリカ留学生インタビュー ブログ 
http://uofi.exblog.jp/i4
nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

レッドブル翼をさずける。 [講演会・セミナー]

最近、どうも動画映像関係の技術および、映像業界の動向に関する記事ばかりになっていた。

ちょっと『マーケティング』っぽい話にも触れてみたいと思う。
(もちろん、映像業界のトレンドを意識する際は、マーケティングも念頭に考えている)

先日、佐藤達郎さんのお話しを拝聴する機会に恵まれた。
優れた広告からヒントを貰おう。自分のビジネス、マーケティング活動に活かそう。というのが趣旨。
内容は、著書『これからの広告』の教科書 の内容を中心に解説いただいた。

[1]

「これからの広告」の教科書

「これからの広告」の教科書

  • 作者: 佐藤 達郎
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



方法論としての提示、具体的な事例の提示などもあり大変勉強になった。

『これからの広告』の作り方 8つのメソッド [1]
 ①USPはいらない~差別化よりもウィル(意思)~ 
 ②表現は、統一するな ~消費者との接点によって見せ方を変えよ~ 
 ③わざとわかりにくく ~消費者に謎かけする 突っ込みが入れたくなるような作り~ 
 ➃まずは楽しませる ~『商品の良さ』より『良い時間』を提供せよ~ 
 ⑤個別戦よりも走力戦 ~一本の広告全体の仕掛け効果を~ 
 ⑥伝えるから繋げるへ ~送り届けるのではなく拡がる経路をつくる~ 
 ⑦演出しない。作り込まない ~ライブ感こそ人の心を動かす時代である。 
 ⑧商品名は最後まで出さない。~少ない予算でも広告効果は、生み出せる。 

詳細は、著書[1]に譲ることにして、そのときずっと僕が考えていたことをココに残しておきたいと思う。

[2]

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか

  • 作者: ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/10/24
  • メディア: 単行本




『8つのメソッドのうち、数個のメソッド要素が入っていれば大概成功する。』というのが佐藤さんの弁。

いま僕自身が興味をもって調べているのがレッドブルなのだが、

そのレッドブルは、ひとつを除いて全てを網羅している。
いや超越している。というのを実感。


『レッドブルのマーケティング、ブランディング戦略』の凄さを認識出来た。


一番、大切なのはやはり『ブランド・ウィル』
(そのブランドが何をしたいと思っているのか。

①この意志を明確に持つこと。
②そしてそれを市場に対して明言(約束)すること。
③継続的に達成し続けること。

これブランディングの本質。と心得ている。

そして、広告は、そのための手段に過ぎない。(別に広告を軽視しているのではありません。広告というもののポジションを自分なりに単純化させるために、なかば乱暴な表現をしてみただけです。)

『Redbull gives you wings (レッドブル翼をさずける)』 これがレッドブル社のブランド・ウィルであり
ブランドタグライン。全マーケティング、いやビジネスなのだ。

翼をみんなに与えるために、レッドブルは存在し、行動しつづける。

red-bull-gives-you-wings-helmet-suzuka.jpg

翼を与えるその象徴として、F1レーザー(の卵)だったり、サッカーチーム、エアチームへのサポートだったり、エクストリーム系スポーツの創出、支援だったりするだけで、レッドブルはどんな人に対しても翼を与えたいと思っているのだろう。


















この日の僕は、新しいネタを求めて重労働のあとに勉強会を訪れた。
(重労働とはいえ、時間的には余裕があったので会場前で時間調整出来る位だった
 昼食抜きで朝10時~17時まで、トイレ休憩以外はぶっ続けで展示会の説明員をやってたので
 重労働と言っても許されるかなW)

結果は、
今興味をもって掘っているテーマの整理材料に。
これもこれでまた有りがたいコト。(いつもながらこの勉強会には感謝してます!今回も得難いものを得た)

加えて思ったのが、
やはり自分の興味によって同じ講演でも感じること、得るものは違うもの。
きっと、僕と同じ見方で聴いていた人は居ない筈。


レッドブルのCEOマシッツ氏は、『Redbull gives you wings(レッドブル翼をさずける)』このタグラインを生み出すのに3年かけたそうだ。[2]

『レッドブル翼をさずける。』
なんだか漠とした表現なだけに大きな意味を包含出来ている。

勝手な解釈かもしれないが、
『レッドブルは、あなたのチャレンジを支援します。そして、その夢を叶えるための機会・手段を提供します。』
彼らの活動を観ていると、そういう事なんだろう。と思うのである。


小手先ではない、マーケティングがここにある。

益々、レッドブルから頭が離れない。

ではでは。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

時事と流行の関係 [講演会・セミナー]

今夜は刺激を求めて、社外の勉強会に参加した。

講演者は、佐久間裕美子さん。

main.jpg


日本の雑誌で見かけるアメリカの最新情報の発信元は、すべて佐久間さん。

との触れ込みに 最新トレンドセッターの秘密、極意のようなものを期待して

参加させて頂いた.

GQ0905_.jpg

703262_p.jpg

51uA96Bm50L._SX258_BO1,204,203,200_.jpg


実際のところは、トレンド傾向分析および、それに基づいたキュレーションが

彼女の活動のようだった。トレンドを作るという姿勢ではない。



つまり、時流、流行の潮流を捉える事ができるからこそ無数の情報のなかから

活きた情報を誰よりも早くそして確実にキャッチ出来る。

そんな能力に長けた方なのだと思った。



今夜の話を僕なりにかいつまむと、
・時事と流行トレンドとは密接な関係がある。
・平和な時には、変化が起きにくい。
・米国では9.11 と リーマンショックを契機に人の価値観が大きく変わった。
・日本では、東日本大震災前後での価値観の変化起きている。
・流行は、繰り返すが全く同じ事を繰り返している訳ではない。

やはり、世の中も時代ともとに物質的なものから精神的な事に価値観が映り始めているようだ。
世の中全体が少しずつ成熟していると表現してもよいのではないだろうか。
そんな風に改めて考えさせられた。

先日聞いた本田哲也さんの『戦略PR』[2]同様、自分にとっては不慣れな領域。

それだけに刺激を貰えたのと同時に、引き出しが増えた。

そんな有意義な一日だった。

ではでは。

[1]
ヒップな生活革命 (ideaink 〈アイデアインク〉)

ヒップな生活革命 (ideaink 〈アイデアインク〉)

  • 作者: 佐久間 裕美子
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2014/07/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



[2]

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

  • 作者: 本田 哲也
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



[3]http://yumikosakuma.tumblr.com/

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

今日は、ヘコミっぱなしの1日だったなあ。 [講演会・セミナー]

今日は、忙しなく社外の方々に会うそんな1日だった。

そして、出会った人達を通じて自らを見つめ直すそんな1日でもあった。

自分がいかに、感謝してないかに気付かされたり、自分の視野の狭さにも嫌悪感

を覚えた。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

普段の生活で正しい判断をすること。出来る事。 [講演会・セミナー]

随分前(2010年12月14日)のことだが、杉山愛さんの講演会で聞いた話がいままた頭の中を過っている。

杉山愛さんといえば、
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位 にまで上り詰めた選手。

1_rect521.jpg

女子ダブルスで3度の優勝(2000年全米オープン/2003年全仏オープン/
2003年ウィンブルドン)と、混合ダブルスでも優勝(2000年全米オープン)を経験し、グランド
スラムのシングルス連続出場62回の世界記録を樹立。[1]

そのときの話は、世界のトップクラスになるために自分がしたことが語られていた。

幼い頃からテニスを初めたこと。テニスを始めたキッカケは、自分でテニスをやってみたいと思ったから。熱心に母親を口説いて許してもらったという背景。

やるなら徹底的にということで、友人と遊ぶ時間もなくテニスに没頭していた。
だが、テニスが好きで好きでたまらなかったので全く苦になることはなかった。そうだ。

そんな大好きだったテニスも、ランキングを気にすると挫折感を覚えることになった。
夢中でやっていた期間にはなかった心境。

そこでやったことの一つが世界のトッププレーヤーの観察。彼ら彼女らをロールモデルとして自分を高めよう。そのためにトッププレーヤーのプレースタイルだけではなく、日頃の身のこなし(歩き方や仕草、人との会話の仕方など)あらゆる事を真似たそうだ。

それは、単純な物まねというより、彼女にはこんな理解があったようである。

「コートの上で的確な状況判断をする秘訣は、すごく単純なのですが、普段の生活で正しい判断をすることです。普段それができていないのに、ましてやコート上でなんか判断できるわけがない。生活のバランスを含めて、自分のすべてを見直して再スタートを切ったことがよかった。もう少し、私が大きな器を持てるようになれば自然に上がるのだと」

まさしく、禅などでも言われる事、「禅はあらゆるところに存在する」という教えにも通じる。

『禅の達人が起こす清風は余すところなくあらゆる所に吹いている。
誰の窓にも、平等に吹き込んでいる。
真理は、常にそこにあって、誰に対しても平等に与えられているのだ。』[2]

なんらかのキッカケで、そういう理解を杉山さんはしてたんだな。と今更ながらに感心した。

[1]慶應夕学五十講 2010年12月7日(「世界で戦うということ」杉山愛さん)
https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/Normal/OpenedRecordDetail.aspx?SGTermID=20

[2]おてらさん 一日一禅 
http://ameblo.jp/zuiunzan/entry-11773191557.html
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

似て非なるもの。「本気」と「必死」 [講演会・セミナー]

 以前、参加したセミナーで強く印象に残っているものの一つが「似て非なるもの」について考える。それもトコトンその違いを単純化表現する。というものだった。

d4caf48922fb27f1197c9c7e9005c6b0.jpg


 話は、早速かわるがチクセント・ミハイが提唱したフロー理論。に関して、直接的もしくは間接的に書いてある本を立て続けに読んでいる。なぜ、そんなに興味をもっているのか?これまた、直接的な理由は、会社経営ノウハウの一助として理解しておきたい。間接的には、より幸福を感じ続けられる人生にしたいと思うからである。

 フローは、マズローの欲求の5段階説では十分に言い表すことが出来なかった領域(段階)をフロー状態と表現している。

フロー状態とは、「一つの活動に深く没入しているので他の何ものも問題とならなくなる状態で、その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために多くの時間や労力を費やすようになる心の状態」つまり、外側から何かを理由にやらされているのではなく、何かしらの内なる欲求、すなわち内発的動機により行動しているときの心の状態。を言う。「やらされてる状態ではなく、集中力が抜群で、活動に完璧に没頭している最高の心の状態」[1][2]

で、「似て非なるもの」に話を戻して、「本気」と「必死」は、似ているが違う。というコトに触れたておきたいと思う。

必死には…プレッシャーがかかれば、誰でもなります。
「必死」とは…危機に直面し、それを回避するために脳内にエネルギーが生まれて行動します。
コレは、読んで字のごとく、マイナスからの危機から生まれます。
追い詰められた時に、飛躍できる人と転落する人がいるってことです。
恐怖や不安、自己防衛が表に出るうちは…レベルアップが難しいです。[3]

なんらかの課題があり、それを解決、取り除く為にもの凄い集中力を発揮する。決して悪い事ばかりでもないが、その課題が解決したら行動が止まる。という性格のもの。

反面、本気になるということは…前向き。誰に言われなくても本人の意志。内面から生まれる自発性、やる気をさすので、継続的な集中力で最高のパフォーマンスを出し続けることが出来る。

集中して、コトにあたる。という点では同じですが、その背景が違う。という例です。

必死な状況を作って、(もしくはそういう状態になって初めて)集中できる。それを薄々わかっていて使ってしまう。という場面もあるように思います。(夏休みの宿題。残り数日にならないと手がつけられない。とか、締め切りギリギリまで仕事が進まないとか。まあ、具体例としては学生時代のテスト勉強ですかね。大学入試もそんな感じだった。。。というかなかなか必死にすらなれなかった。。)

本気が一番理想的。でも、最悪、必死になることで集中することも現実的。どちらにもなれない、論外。ということになるのでしょうか。複雑。[3]

何れにしても「似て非なるもの」を意識すること。効果的な思考かもしれません。

ではでは。

[1]

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

  • 作者: M. チクセントミハイ
  • 出版社/メーカー: 世界思想社
  • 発売日: 1996/08
  • メディア: 単行本



[2]

「第二の脳」のつくり方

「第二の脳」のつくり方

  • 作者: 辻 秀一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



[3]稼ぐ戦略 本気と必死の違い(学進ゼミナールHPより)(辻秀一さんの著書だったか、天外 伺朗さんの著書でも同様な記述があったように思うが、見つけられなかったので今回は、ここから引用した。)
http://junes-life.com/kasego/583.html

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その③〜 ブランドイメージのビジネスへの効能 [講演会・セミナー]

 今回は、ブランド戦略は、ビジネス(商売)においてどのような影響を生むのか。平たく言うとブランド戦略=ブランドイメージは、消費者の購買行動に影響を及ぼすのか。に関して考察してみたいと思う。

 おおよそ事業が厳しい状態になるとまず、削減要求されるのが以下の3つ。と言われている。

a.サービスのQuality改善
b.リテンションプログラム
c.広告・宣伝

こんな3つの共通点がある!という表現も出来る。

 ①カスタマーエクイティを増進してくれる。
 ②結果についての財務的な説明が難しい。
 ③投資なのかコストなのか?のコンセンサスが取れていない。

②、③の原因により、、コストセーブのターゲットとされ易い。
支出レベルを正当化出来ないとすると削減される。のが、サービス、りテンションプログラムそして、宣伝・広告である。
   
これを回避するためには、担当者には
投資であることを明言する。と同時にROIで財務的な説明をする。ことが求められる。(が実際は難しい。)

このような背景があるために、繰り返しになるが、因果関係で説明しないと納得してもらえない。がそれが出来ない(困難なために出来ていない)結果、コスト削減のscapegoat(身代わり)にされる。[1]

スライド3.JPG

多少の飛躍もあるが、カスタマーエクイティという概念に多少今一度、触れてみようと思う。
カスタマー・エクイティというフレームワークが必要な訳は?

時代背景①

スライド4.JPG
(写真は、あくまでイメージです。)

 創業者経営時代は、絶対的トップダウンが可能であった。(実際にはそんなに単純ではないようだが、ここでは論理を組み立てる上で敢えて単純化する。)

それが、次世代経営者(サラリーマン経営者)にバトンタッチされ絶対的トップダウンから合議制へと移る。
→これにより、意思決定のためには財務指標つまりROIでのより詳細な説明が不可欠になる。

時代背景②

スライド6.JPG

 不況
 社会全体が経済的に不況になっている昨今、各企業はコストセーブに今まで以上に躍起にならざるを得ない。
→これにより、先述の3つの活動への費用が削減されやすくなる。
 なにせ、いままでのそして、今後の結果(&結果予測)に対しての財務的な説明が難しい。事に加えて、a.サービス品質の改善、b.リテンションプログラム、c.広告・宣伝 などの費用は、”投資”としての位置づけなのか、はたまた”(単純)コスト”なのか社内での位置づけが明確になっていない。しないことが多いからである。(誰かが意志をもって、これらは”投資”だ。とするか、”コスト”とする。と主張しないと決まらないし、あやふやにしておくことを良しとする風潮すらある。ある種の社内タブーだったりもする。)

では、財務的な説明が難しい。を先に挙げた、a.サービス品質の改善例に解読してみよう。

「なぜ財務的なビジネスKPIとサービス品質か以前との因果関係が説明することが難しいのか」
 ここでは、サービスの改善 と価格へのアクションとの対比で読み解いてみる。

スライド8.JPG


こういう因果関係にこだわりすぎると、結果商売の本質である”風が吹いたら桶屋がもうかる。”を軽視してしまうことになり、結果として商売がネガティブなスパイラルに入ることになる。
 目に見える範囲だけでビジネス効率を求めると結果、悪化していくことになる。こういう例は枚挙が無いことを多数の企業の事例研究を通じて感じたことでもある。

スライド9.JPG

 これらの困難と実情を解決するために考え出され、組み立てられているのがこのカスタマーエクイティというフレームワーク。
 Value Equity (品質、価格、利便性など。客観的・合理的なもの。顧客の価値認識から生まれる。)
 Brand Equity (カッコいい、刺激的だなどのような主観的なもの感情的なもの)
 Retention Equity (顧客維持プログラムやリレーション、構築などから生まれるカスタマーエクイティのこと。)


と要素分解して、各々の評価をする。その評価結果の総和がCustomer Equity。

スライド14.JPG

 Customer Equityと各活動との因果関係を評価しながら投資項目と額を決める。というコンセプトである。このようなコンセプト、理論は他にも存在するようだがCustomer Equityの提唱が一番現実的かつ具体的なように個人的には思っている。

スライド25.JPG

だが、そのCustomer Equityを実際に企業内の意思決定で活用している事例を見かけることも少ない。なぜならば、データを取る。分析する。という行為を継続的に行う必要がある。それなりに作業に人手とコストを要するからである。Equityにもよるが、アクションに対して結果が見えるのはかなり後になる。そこまで我慢してデータを取り続けるには、社内のコンセンサス、信念が必要となるからである。意思決定のための手法を導入運営するための社内コンセンサスを取るのも容易でhない。なにやら無限ループのような話だが、これが企業における現実なのである。

(ある他大学のマーケティングを専門にされる教授にCustomer Equity, Brand Equityのコンセプトを実業務に活用している企業はあるのでしょうか?と質問した時、明言はされなかったが事例はかなり希有なようだった。僕だけの思い込みや理解ではなく、一般的に活用は少ないと考えて良いと思う。)

次号”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その④〜に続く。

ではでは。





カスタマー・エクイティ―ブランド、顧客価値、リテンションを統合する

カスタマー・エクイティ―ブランド、顧客価値、リテンションを統合する

  • 作者: ローランド・T. ラスト
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その②〜  [講演会・セミナー]

先日、首記主題にそって記事を書き始めたが、話が膨らみすぎて1つの記事に収まりきらなくなってしまった。ということで続編。

”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その①〜で見て来たように、事業戦略の一部でありコアであるエリア戦略、昨今叫ばれているグローバル経営・戦略にも様々なタイプがあり、それとブランド、広告戦略とが密接にからみあうことは容易に理解出来るかと思う。(そういう前提で文脈をまとめた)

では、どのブランド戦略が正しいか。といえば、どれも正しいし、間違っている。戦略は、あくまで仮説の上に成り立っている。また、事業戦略に沿ったものであれば、それは正しいブランド戦略と言える。そうでなければ、間違っている。あくまで基準は、事業戦略と矛盾がないか。である。

逆に、こんなブランド戦略を進めたい。という思いがあったとしてもそれに見合う事業戦略が立案できてそれを実行するだけの企業体質がないとやはり矛盾を生じてしまう。そこまで密接なものだという認識が必要。どうも日本企業は、この辺に関して徹底出来ていない、もしくは軽視しているのでは。と思ってしまうことが多い。(中には優れた企業もある。あくまで全体傾向である。)

また、企業も生き物。戦略も時代や、経営者によって変化して行くものである。意識的に変え、それをブランディング戦略、メッセージ(タグライン)で表現している企業も多い。

たとえば、ソニーを例にとると

①It's a Sony ( 岡崎茂生さんもコメントされていたが、これは世の中に見事に衝撃をあたえた。)
 当時は、たしか盛田昭夫さんが経営責任者。

スクリーンショット(2014-03-08 6.37.17).png






②Digital Dream Kids(Re-generation ソニーはDigital時代を迎えて生まれ変わります。これもメッセージ性とビジョンを感じさせるものだった。)当時は、出井伸之さんが経営責任者

スクリーンショット(2014-03-08 6.38.40).png

③like no other
スクリーンショット(2014-03-08 6.39.24).png


④make.believe
スクリーンショット(2014-03-08 6.37.58).png



⑤BE MOVED そして今現在。 現在の経営責任者は、平井一夫さん。

スクリーンショット(2014-03-08 6.42.02).png

では、次回はブランド戦略は、ビジネス(商売)においてどのような影響を生むのか。平たく言うとブランド戦略=ブランドイメージは、消費者の購買行動に影響を及ぼすのか。に関して考察してみたいと思う。

ではでは。

[1]相葉 宏二 (著), グロービス経営大学院 (著)『グロービスMBA事業戦略』

グロービスMBA事業戦略

グロービスMBA事業戦略

  • 作者: 相葉 宏二
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/01/19
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その①〜 [講演会・セミナー]

先日、聞いた話に触発されて久しぶりに”戦略論”について考えてみようと思う。最近は、戦略とかライバル他社との競争という視点から距離を置いていた。
 
 というのも、Why何のためにその企業は存在しているのか? を明確に持つこと。それが世の中の人たちを幸せにすることに直結していることが何よりも大切だという考えを大切にしたいと考えているからである。僕自身この考え方に変化があったわけではない。恩師、黒須誠治らからの第一の教えとして大事にしている。http://www.f.waseda.jp/cross/index.htm 

実際、その目に見える部分以上にその企業の理念、哲学が問われる時代になっていることも間違いないとも思っている。その背景にあるのは、市場の成熟化(物理的に裕福になる局面を超えて、精神的に余裕が生まれていること)とインターネットなどによる情報の透明性が上がったことが背景にあると思っている。

だれが、何をどうやって作っている、提供しているか。という点以上に、なぜその企業がその製品、サービスを提供しているのか。という哲学に共感できるかどうかが顧客の関心事になりつつある。もちろん、世の中全体がそうなっているわけではないが、その方向に世界市場は動いているのは間違いない。と思わされることが多い。人として正しいか。大義名分をもってことにあたっているか。ますます、大切になるであろう。

そういう視点を今日は多少離れて、マーケティングの戦術、テクニックに焦点あてた内容から話を始めてみたいと思う。

そのきっかけを作ってくれたのが①この動画。と、②社内で受けたセミナー

①「生き生きとした髪をつくる」そんなコンセプトの製品を見事な手法で表現。まさに五感に直結した広告といえそうだ。いろんな広告手法の可能性を感じさせてくれた広告といえるだろう。[1]日本企業(JR関連企業や、大手日本企業でもデジタルサイネージ、もしくは自販機に付加機能を付ける試みもされているが、広告としての華やかさやセンスを感じさせるものが無かっただけにこの広告には感心してしまった。テクノロジーと感性をどう組み合わせるか。がポイントなのだろう。その際もテクノロジーありきよりも、伝えたい物、事ありき。で考え、最新テクノロジー動向を見極める。そんな行ったり来たりの思考を繰り返しながら行きつけるのかもしれない。)




②社内セミナー;日本ブランドのグローバルブランド戦略(実際の題名は、違う。敢えてアレンジした)講師は、フロンテッジの岡崎茂生さん。中国市場での経験、知見をもとに日本企業がブランド戦略をどう捉えるべきかに迫る内容だった。以下、そのセミナーで知った、気付いたこと。(より詳しくは、岡崎さんの記事 [2][3][4]

スクリーンショット(2014-03-05 4.46.48).png

 グローバルというと全世界で画一化された広告をする。というように捉えるかたが多いが、とくに中国などを例にとるとグローバルに考えて、ローカル化でその国、エリアにアプローチすることが如何に大切かが分かる。ブランドへの先入観、イメージを決める要素はいくつかあるが、その中でも大切なのは、RELEVANCE(共感)。その市場において共感、共鳴してもらえないとブランドのイメージ、価値は上がらない。その際には、分かってもらうという姿勢やアプローチが鍵になる。中国のようにブランド名などは、かならず漢字表記が義務づけれている。その結果、中国の方々は英語などのブランド表記はあくまでデザインでしかなく、そのブランドロゴを読もうとすることもないし、読めたとしても日常会話では、中国表記したブランド名で呼び合う事になっているそうだ。(中国での漢字ブランド表記方法には、大きく分けて3種類ある。
■ひとつは、発音重視型。漢字そのものの意味よりもオリジナルのブランド名の発音に極力近い漢字をあてる方法。
■もう一つは、漢字の持つ意味を意識して多少、発音がオリジナルから離れてしまっても良しとする方法。日本ブランドの多くは、発音を重視する傾向が強いが反面、漢字文化の中国の方には各々の漢字がもつイメージがブランドのイメージに影響してしまう。という落とし穴にハマっているとも言う。
■3つめは、もともと漢字名を企業名、ブランド名としている会社の場合。たとえば、全日空。そのまま漢字表記が可能である。が、ここにも落とし穴がある。オリジナルと同じ漢字がつかえるが、意味がまるで違うことが多い。全日空を中国の方に見せるとこうなる。”まいにち空席” 

漢字は、ローマ字とちがい文字一つ一つに意味を込めている。加えて、日本で使う漢字と中国とでは意味が異なることが多い。これが日本企業が中国でブランド活動をする上での足かせになっているのは間違いがない。

グローバル戦略という一語で、いろいろな事がひとくくりにかつ、画一的な施策が正しいとされる風潮が最近益々強くなっている。効率性やグローバル企業としてのイメージ作りとしては正しい面はあるが、なにもかにもこれ一本で行く。というのは簡単なことではないし、それが本当に正しいのかというと疑問に思う事も多い。全世界完全統一のブランド戦略で思い出すのは、アップル。 ビルボード広告もネットもお店づくりも全て全世界で画一化が図られている。これは、アップルの強みである”製品ラインナップがシンプル” ”企業メッセージがシンプル”がであるこが可能にしているのであろう。[8]

それに対して、グローバル戦略を前提とした、ローカライゼイション戦略つまり、グローカライぜーション戦略をすすめているのがサムソン。以前のソニーもそうだった。 サムソンの場合は、韓国、中国、日本、US と それ以外という分け方で事業戦略を区分けしている。たとえば、彼らは製品カタログをプロモーションツールのひとつとして、製品開発時のツールとして重きをおいて扱っている。そのカタログは、今述べた韓国、中国、日本、US と それ以外で違う。そもそも韓国では、製品ごとにサブブランドを使用しているがそれ以外の国ではサブブランドの使用は認めていない。サムソンのTVだったり、カメラだったり。型名はそれぞれあるがサブブランド名は使わない。中国に関しては、後から触れなおすとして、日本。日本ではご存知のようにサムソンのビジネスはまだまだ小さいので広告に力は入っていない。USでは、カタログはあまり作っていない。CESなどのショーの時につくる印刷物が主なカタログとなっている。それ以外の国の広告は、すべて同じクリエイティブ。印刷作業やローカル言語化は現地の販売会社の業務となっているようだが、基本のクリエイティブは本社から届いたもの。[9] 
 実際、以前世界各国のサムソンのカタログを海外駐在員の友人・知人にお願いして集めて確認したことがあるが、この話に間違いは無かった。


下記、実際自分の目で確認したくて大勢の協力を得ながら調べた結果。(2011年当時)
(いまさらながらに協力いただいた皆さんには感謝感謝です。その説は、ありがとうございました。)
これらのマーケットからカタログを収集。(デジカメとTVで確認作業を進めた)

スライド4.JPG


スライド5.JPG

基本は、統一のクリエイティブだがローカルのカルチャー、イベントを盛り込むうな変更もあったりする。
(例)これはイタリアでのバレンタインデーを盛り込んだもの。

スライド6.JPG

韓国国内市場においては、Samsung、LGはカテゴリー毎にサブブランドをもっている。たとえば、TVならばPAVV,冷蔵庫は、Zioei、そして空調器具に関しては hauzen。携帯電話はAnycall(ちなみにこのAnycallはなぜか中国市場でも使われていることが今回調べてみて、再認識できた。)

スライド9.JPG


ここでグローバル戦略を今一度整理してみたいと思う。

スライド1.JPG

池上重輔氏によると、一般的にグローバル経営とみんな口にするがいくつかのタイプがある。

①グローバル経営(日本企業に多いタイプ)
 本社がすべてにおいてイニシアチブをとりオペレーションする。各ローカル企業は、本社の意思に忠実に動く出先機関のような役割に徹する。(たしかに日本人の多くは、グローバル経営というとこのタイプをイメージしているように思う。それ以外の形態があると考えることすらないかもしれない。)

②インターナショナル経営(US企業に多いタイプ)
 HQとローカル企業とが、Evenな関係でオペレーションしているタイプ。製品ラインナップなども場合によってはローカル化が進められている。(国によって取り扱い商品が違ったり、製品名称が異なったりする。)

③マルチリージョン経営(Europe企業に多いタイプ)
 HQよりも各ローカル企業に裁量がある。HQは、ブランド管理をするなどに徹している。オペレーションはローカル化が進められている。

スライド2.JPG

昔のソニー、盛田昭夫氏が指揮を取っていた頃は、さらに複雑にグローカライゼイションをソニーの経営指針としていた。と言われている。Europe市場においては、マルチリージョン(つまりEuropeの販売会社に委ねる)。US市場においては、インターナショナル経営(US販社と日本のHQとがEvenの関係)。それ以外の一般海外市場と呼ばれた市場においては、グローバル経営(日本HQが完全掌握する方針。現場の経営陣も日本人が就いていた。)

スライド3.JPG

さらに話は複雑。実は、グローバル経営といっても、完全に一企業がグローバル経営型で運営しているわけではなく、業務内容によってグローバル、インターナショナル、マルチリージョン型を使い分けているのが実際ではある。

”事業戦略”と”ブランド戦略”との関係 〜 その②〜 につづく

ひとまず、ではでは。


[1]マーケター必見!スウェーデンの地下鉄で行われたPR手法が秀逸すぎる Apotek Hjärtat - Blowing in The Wind  http://whats.be/7487
[2]岡崎茂生(著)『がんばれニッポンブランド—中国市場からグローバルブランディングを考える—』(ブランディング新時代HP) http://www.yhmf.jp/pdf/activity/adstudie/vol_32_01_06.pdf
[3]岡崎茂生(著)『なぜ中国で、日本ブランドは売れないのか?』(東洋経済ONLINE) http://toyokeizai.net/articles/-/12259
[4]岡崎茂生(著)『 中国でのブランド戦略は今見直さないと手遅れに 』(日経ビジネスDigital) http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20130128/242898/?ST=pc
[5]岡崎茂生(著)『ジョブズを演じた俳優がレノボに「入社」代言人」を超えたアシュトン・カッチャーの任務 』(東洋経済ONLINE)http://toyokeizai.net/articles/-/28775

[6]早稲田大学ビジネススクール 黒須誠治研究室 修了生・博士課程の研究テーマ http://www.f.waseda.jp/cross/MBA_MOT.htm 

[7]ケロッグ・ビジネススタイル・ジャパン(編)『ソニー中国成功の影の立役者 添田武人』(Kellogg Club of Japan)http://kelloggbiz.jp/interview/vol10/

[8]ケン・シーガル(著)林 信行(訳)『Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学』(2012NHK出版)

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

  • 作者: ケン・シーガル
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/05/23
  • メディア: ハードカバー



[9]飯塚幹雄(著)『市場づくりを忘れてきた日本へ。』(2009しょういん)
市場づくりを忘れてきた日本へ。

市場づくりを忘れてきた日本へ。

  • 作者: 飯塚 幹雄
  • 出版社/メーカー: しょういん
  • 発売日: 2009/04/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

立体的なインテリジェンスーーーそういう思考を持っている人に向いている!Visual thinking [講演会・セミナー]

これも1年以上前のノートからの抜粋。(この頃は、まだ夜間にビジネススクールに通ってた頃。昼間働いて、学校に行って、興味が湧いた話題に関しては、こういうセミナーにも参加してたなんて凄いぱわーだったな。と自分でも感心。当のビジネススクールでの取得単位数も86単位。お前本当に仕事してるのか?とある教授に言われた事を思い出すW)

【Visual Thinking Meeting】2012.04.06
- Visual thingking- 立体的なインテリジェンス←そういう思考を持っている人に向いている。

”日本の教育を変えたい”
その手法の一つ。大変Powerfulな手法。

プロジェクトがゼロ。これまでになかったプロジェクト。
もっと深く広く考えようよっ。
と言っても思考は見えない。

思考には、パターンがある。
思考の目的は大きく分けて4つ。
①理解
②公正
③真実
④創造性

メンタルモデルとは。。。。

幸せ感度

Global citizen

Think には、理由がある。 そう考えたのは何故?
Feelには、理由がない。

*このフレームワークをどう使えるか?

 (普遍的な)事実を観察ー分析ーーーー仮説ー検証ー実行
             評価・判断

  See- Think- Wonder
理由・ロジック  Wonderの数 筋のいい仮説


 メンタルモデルによって興味の対象、関心事

無意識に出来ている人は、See-Think-Wonderをやっていることに気付かない。気付いていない。
その大切さも分からない。

時間を経てからみたので、断片をつなぐ事ができない。
でも、そこから生まれる思考(誤解もふくめて)が生む、新たな気づきを自分の中に感じる。

ではでは。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事
前の10件 | - 講演会・セミナー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。