”会社を「モノ」と見るか、「ヒト」と見るか”【「日本の経営」を創る】三枝匡 伊丹敬之  [講義・授業]

三枝匡 伊丹敬之 の(インタビュー対談形式の)共著【「日本の経営」を創る】にハマっている。切っ掛けをつくってくれたのがDIAMONDハーバード・ビジネス•レビューの35周年記念セミナー。
 ただ読み進むには勿体ない。備忘録として文章の抜粋および、自らの感じた事を綴ってみたい。

今回は、”会社を「モノ」と見るか、「ヒト」と見るか” 「日本の経営」を創る 三枝匡 伊丹敬之(共著) p138より
 議論は、いつも白黒つかないから議論。白、黒のいずれが現実社会を表現するのにあってるか。というよりいかにその白と黒の間で微妙なバランスをとるか。という話になる。それが現実なのだろう。と今回も読みながら感じた。ややステレオタイプ的な表現になるが、伊丹さんが表現しているようにアメリカでは、企業は株主のものだ。という考え方が主流。言い方を変えると企業をモノとして見る。
「企業をモノとしてみる見方と、企業をヒトとして見る見方のトータルピクチャー、トータルバランスの論理というのがキーポイントだと私は思います。会社法の論理というのは、基本的に企業をモノ、財産の固まりとして見たいます。財産の処分権を誰が持つかという議論をしているのが会社法なのです。ですから、基本的に処分権を株主というエクイティを出した人が持って、議決権はこういうルールで決めますよというふうにできています。これはもう単純に処分の論理ですから、突き詰めて行くと、金をもっとよこせというスタンスに行きつくんですよ。」
「一方、企業をヒトとして見ると、人が働いて、人が学習して、人が蓄積をして、さらに発展するための努力をこの人たちがしますという見方になります。そういう組織体として、継続的に存続し続けるために、どんなことが必要かを経営者は考えます。ここには処分の論理、モノのろんりはまったくないんです。」
「しかし、両方の論理が存在しないと、企業と言う実体は存在しないんです。間違いなく財産の固まりという側面もあるわけですから。その折衷案なんですね。私もいつも困っているんです。」
アメリカの経営者に従業員をどう考えるのか?と問うと、一部の経営者は「従業員も大切だ」と答えるけど、「従業員の方が大切だ」という人は少ない。とのこと。これは個人の財産権の考え方に起因している。会社の主権が従業員にある。と行った途端に法人が抱えている財産の処分権が宙に浮いてしまう。というのが背景だそうだ。

 白黒つけられないテーマだと確かに思うが、白、黒の両方が大切。それも同じように。という結論では物事は進まないのも現実。やはり白も、黒も大切だが、優先順位をつける必要はこの場合もある。日本の経営を考える上では、やはり「従業員の方が大切だ」もちろん、「株主も大切」だが、それを納得させるだけのロジックは欲しい。さもなくば、アメリカ経済が調子が良いときは、アメリカの考え方、経営がもてはやされ、日本経済が良くなると日本の考え方が正しい。となる。その合間で経営の振り子が揺れる事になる。今現在は、日本経済が悪いのでとにかくアメリカなどから学べという風潮が強いが、学びながらも日本としての日本の経営スタイルを見つけ出す必要を今回も感じた。

(カスタマーエクイティのように、一義的に決まらない価値観に関して、複数の軸(エクイティ)を設けてそれらを数値化して総合点としてエクイティ評価する。みたいな事を企業に対しても可能になればよいのだが。カスタマーエクイティ同様、因果関係を腹落ち出来るレベルにまで練り込むのはそう簡単ではないとは思うが。。。)

第4回 戦略BASiCS(前編)(佐藤 義典 カスタマーエクイティ).jpg

文中で、三枝さん、伊丹さんも議論されているように、「株主の方が大切」「株主からのプレッシャー」が増える、など日本の企業の姿勢にもアメリカ流への傾向変化が見え始めているのは確かだ。ただ、物言う株主が増えているなかで、この点は僕も警鐘を鳴らしたい。短期の売り買いで資産増を目的とした「投機家」と長期的な投資として活動している「投資家」とは、声の重さが違っても良いのではないかと思う。短期で株式市場に参入する人のお金は、投機家どうしのお金のやりとりに終始してしまい、実際は企業側に届かない事になる。そういう投機家と数年にわたる投資を続ける投資家とはやはり意味合いが違うと僕も思う。

これも、この課題を少しでも扱い易いものにするためのヒントではないかと思う。

ではでは。


「日本の経営」を創る

「日本の経営」を創る

  • 作者: 三枝 匡
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2008/11/22
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人本主義企業―変わる経営変わらぬ原理 (日経ビジネス人文庫)

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  • 作者: 伊丹 敬之
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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カスタマー・エクイティ―ブランド、顧客価値、リテンションを統合する

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  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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「中間管理層でも経営者の”気持ち”は変えられる!」柳孝一先生 最終講義から [講義・授業]

柳孝一先生には、短期間であったが多大な影響を頂いた。大げさではなく、人生観にインパクトを貰った。縁あって最終講義にも参加出来た事は大変光栄な事だと思っている。
最終講義もべらんめい調の柳先生節が炸裂。心に染み渡る講演だった。

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 柳先生と言えば、大企業を含めた企業革新の必然性とそのために求められる事を流通・サービス業の分析から突き詰められ、さらには多数(約500社にもおよぶ)ベンチャー企業に直接インタビューした結果からベンチャー企業が如何に成長していくか、その際に必要な要素は何かを導き出し、体系化された方だ。実務的な事としては、野村総合研究所の立ち上げや、経営コンサルティング部の創設に参加されたり、多摩大学というベンチャー大学の発展にも多大なる貢献をされたと聞く。突き詰められた企業革新、ベンチャー企業というものを業務のなかでも自ら体現された方だ。


 そのような体験、経験と多数のデータからの帰納法的アプローチから体系立てし、それも学者よりもより実務者を意識した言葉で表現されている点も我々にとって大変ありがたいことだ。理論のための理論ではなく、実務に活かしてもらうための研究アプローチが徹底されていると感じている。(ご本人もそれを目指して来たとコメントされている。)

 柳先生がコメントされた事で心に残ったことを幾つか書き残しておきたい。
「(流通、サービスに於ける「新産業」を調査分析していた当時は)日米の格差が大きかったので先を行く米国事情から日本の将来像が見て取れた。」かなり米国の状況を参考にされたそうだ。【僕なりの想起】これは分野によって特に、インターネット関連の技術、産業、カルチャーに関しては今も言えることなのではないだろうか。全てといって良い程の殆どが、インターネット関連の事情は、米国発になっているのは歪めない。それもシリコンバレー発だ。

「流通・サービス分野における経済の暗黒大陸の解明」1970年代の頃の話だそうだが、「暗黒大陸」という言葉をつかって当時の流通業の先行き不透明だが、巨大な変化がとにかくある。大きな市場である。というのを当時は表現していたそうだ。【僕なりの想起】いつの時代も先行きは不透明。いまもスマホとクラウドによる”モバイル・インターネット”が大きく市場原理を変え、新しいビジネスモデルが次々と生まれて来ている。あまりにも変化のスピードが早い。取り残されまいともがいてはいるがやはり先が見えないという不安を抱えている状況。いつの時代も先行き不透明。なんとかなって来たしだからこそ誰にでもチャンスがある!と思えば気が楽になる。やはり多少は楽観的なほうが良いのだな。と改めて思った。

「流通産業の本質は、「変化対応業」であり、変化しつづけなければならない」(柳孝一 中央公論 1979年)【僕なりの想起】「変化対応業」か。なるほど。流通業に限らず、我々のようなイノベーションを期待されている企業も、「変化対応業」だと認識すべきなのではないかとツクヅク思う。

「売れないものをつくるのが最大の悪!」という柳先生のコメントは痛快だった。「生活者主権時代」と「地球環境問題」によるインパクトを声高に唱えられた1990年代前半からの持論だそうだ。【僕なりの想起】確かに、ビジネスというか商売の本質でもある。と思う。世の中の人たちに貢献する。その感謝としてお金をいただく。利益になる。と思うと、誰も喜ばない(売れないものをつくる)というのは余計なことをしているどころか、環境を悪化させているということ。当たり前の話だが、柳先生から伺うとやはりグッときた。

「リサーチャー(研究員)と経営コンサルタントの違い! この2つは大きく異なる。Resarcherはとにかく客観分析をする事。それにつきる。反面、コンサルタントは、嫌がる馬に水のみ場まで行かせて水をとにかく飲ませる。ことをしなくてはならない。だからこんな柳孝一になったんだ。」【僕なりの想起】何事にもやはり向き不向きというのはやはりあるだろう。熱い部分が無いと、経営コンサルタント業は出来ない。ロジックは鍛えられるが、熱い部分は天性の部分。鍛えようがない。と先日聴いた、三枝匡さんと伊丹敬之さんのコメントを思い出す。このお二人の話は、リーダーとしての資質としてはなされていたのだが何事も真理は同じということだ。


マネジメント・ルネサンス―経営革新プロセスとスキーマ・チェンジ

マネジメント・ルネサンス―経営革新プロセスとスキーマ・チェンジ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 野村総合研究所情報開発部
  • 発売日: 1987/07/05
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GE,P&Gなどのグローバル優良企業に直接出向いてインタビューを繰り返した結果をまとめた本。
この本を書く事そのものが、柳孝一先生が所属していた野村総合研究所自身のスキーマチェンジになると思って嫌がる部下達にねじ込んで書かせた本だとか。忙しくてたまらないときに皆で休日出勤をして書き上げた。そいう本。著書にいたる背景を伺うとこの本の意義、意味がさらに重くなる。

「当時の円高不況による八方塞がりの打破」当時1980年代後半の円高のインパクトは、今以上に厳しかった印象だそうだ。【僕なりの想起】やはり我々日本人、なんとか出来るのではないだろうか!と改めておもうのっだった。

「企業は人なり」の原点に立った、日本人の英知を信ずる楽観主義
企業は人で出来ている。日本人はそもそもマジメで優秀、ちゃんとしたマネジメントをすれば必ずついてきてくれる!と信じる楽観論だそうだ。同感!!

「経営革新(戦略)プロセス」と「スキーマ・チェンジ(認識枠革新)」【僕なりの想起】これらの話も三枝さん、伊丹さんの話、示唆と共通している。日本人のための日本人による経営革新、国の再生なのだらから、答えの全てを米国から学ぼうとするのは間違っている。学ぶのは良いが本質を見失わないようにせよ。あくまで本質に拘る事。実際、米国が低迷したころやたら日本に関しての調査分析をやってとにかく何でもとりこもうとしたらしいが、本質が見失われて迷子になっていた。結局、日本に学ぶのは無理(よくわからない国)"朝歌をうたって、体操して。”確かに朝から体動かすと気持ちがよい。でもこれは(日本に於いても)経営の本質には関係の無い事。と行く行くは米国人は気づく。そして、理論:「仕事の流れ」に近づいて行く*価値連鎖・顧客満足・タイムベース競争→リエンジニアリングに結実。三枝匡さんの講演から学んだことは、また後日別の記事にする予定。

 ”戦略と組織双方の革新と相乗結合”いかにも実利をとっとぶ柳先生らしいコメント。企業の本質は、「戦略」と「組織」であり、この双方を変えれば、企業革新は可能。じゃ、どちらを優位に進めるのか。A.D.チャンドラーなどの「組織は戦略に従う」なのか、H.I.アンゾフらの言うところの「戦略は組織に従う」という議論はどちらでもよく、実際結果がでればよい。ということでI.B.クインや、H.ミンツバーグの言う所の「戦略と組織は相互関係がある」が現実的にはもっともシックリくる。という話。まったくその通りだと僕も思う。

「経営革新(戦略)プロセス」と「スキーマ・チェンジ(認識枠革新)」、難しいのはどちらかというとインタンジブルな人の頭の中や、肚の中を本質的に変える事「スキーマ・チェンジ(認識枠革新)」。確かに腹の中まで見えない。本心から認識を変えさせる事は難しい。変わったかどうかを確認する事自体が難しいのだから。

 経営者が変わることがかなりの比重で大切なことになる。という話で今回も強調された。「中間管理層でも経営者の”気持ち”は変えられる!」そうそうなんだ。自分でも会社を変えられるんだ!と今日もまた柳先生に元気づけられた。

「変態」柳先生がよく使われた表現。たしかに自然界における変態がその何かを示唆してくれるようなきがする。(例 ナナホシテントウ虫の変態 この卵がこの幼虫、さなぎ、成虫に。。。想像出来ない。一番感慨深いのは、さなぎの過程かもしれない。。外から見て変化がないとき、内部構造改革としてその時になにが出来るか。ちょっとこじつけ?でもなんとも感慨深い。)
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■ベンチャー企業の定義と位置づけ
 ”高い志”と”成功意欲”の強いアントレプレナー(起業家)を中心とした
 新規事業への挑戦を行う中小企業で
 商品、サービス、あるいは経営システムに
 イノベーションに基づく新規性があり、
 さらに社会性、独立性、普遍性をもち、矛盾のエネルギーにより
 常に進化し続ける企業

我が社も原点回帰→「ベンチャー企業」に戻るときなのではないだろうか。さもなくば
イノベーションを標榜する企業として再生できないのではと思うのだ。

高い志がなにが無くても必要だ。金持ちになろうとして大成功した人は居ない。というのが柳先生の持論。この言葉も何度聴いてもグッとくる。友人にもこの言葉を噛み締めてもらいたくてこの最終講義に誘った。

■独立型ベンチャー成功のための正四面体理論
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 第一面:起業家の起業力
 第二面:対象市場の設定と変革的切り口
 第三面:経営システムにおける変革的ひねり
 第四面:総合的合わせ技

正四面体が隙間無く組み上がっているのが一番強い。が実際は、各辺の中がさが異なり隙間が生じる。だが、その隙間を埋めようとして成長していくことがベンチャーの強さに繋がる。矛盾しているようだがこれが矛盾をマネジメントせよと表現する一つの理由だ。

ベンチャーは、隙間にニッチにキリで突き刺すように市場に入って行かないといけない。
マーケットを新しい切り口で観て行かなくてはいけない。イノベーションというがコレに過ぎない。
(例:テレビ。映像を楽しむ巨大マーケットは存在した。それをお茶の間に持って来た。こう考えると
発想も気がらくだろう。というのが柳節。たしかに、技術で表現するとややこしくなるのだが、やりたい”コト軸”で表現すると至ってシンプル。【自分なりの想起】スマホ+クラウドも”インターネットを持ち歩く。モバイル・インターネットと考えると凄く分かり易いし、なにをしなければならないか分かり易いのではないか。


ベンチャー・マネジメント変革理論(企業も経営者も変態し続けなくてはならない!)

各成長ステージおける経営要素の占める比重は、変化する!しなくてはいけない。


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【自分なりの想起】
我が社も原点回帰せよ。→スタートアップ期の経営要素比率に戻せ!

グッとくる時間だった。柳孝一先生、今後ともよろしくお願いします!!

会計の西山茂先生から最後の言葉も贈られた。贈る言葉も授業同様グッときた。なんかスッゴクうれしかった。
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ではでは。


ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

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  • 作者: 柳 孝一
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本





実践中小企業の新規事業開発―町工場から上場企業への飛躍

実践中小企業の新規事業開発―町工場から上場企業への飛躍

  • 作者: 柳 孝一
  • 出版社/メーカー: 中央経済社
  • 発売日: 2007/02
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【IT戦略マネジメント】松川孝一先生 時流(トレンド)と本質(実践)両側面を備えた授業。 [講義・授業]

先週1週間(5日間)で1科目を履修。1.5H*15講座=科目。これを5日間で履修ってことだから一日、1.5h*3=4.5h。それ毎日。加えて、Group Workあり。可成りハードだった。が、十二分に価値のある授業だった。この松川孝一先生による【IT戦略マネジメント】全てにおいてどストライク。とにかく最新のITビジネス状況の把握、そして、IT活用の意義、意味を本質的に考えるそんな5日間でした。すっごく多くを学んだし気づきがあった。来年も是非参加したいと思った。そこでの学びをここに残しておきたいとおもう。

【IT戦略マネジメント】の記憶① インドのダバワラを究極のIT活用の事例として紹介してもらったときは、我が意を得たりの気分だった。以前からこのサービスを知っていたが、サービス、ビジネスの肝を丁寧に紹介してもらえて大満足だった。

【IT戦略マネジメント】の記憶② 広い意味でのIT戦略を考えよ! 狭義のITとは、Computerなどのテクノロジーの活用を前提としたもの。広義のITとは、情報を上手に活用すること。(広義の)IT戦略それも、マネジメント(経営)視点でのIT戦略マネジメントを学べた。本当に有意義だった。

【IT戦略マネジメント】の記憶③ 企業訪問も充実したものだった。MicrosoftとCISCOの2社。興味深い講話にオフィス見学そして、ガチンコの質疑応答。受け入れ企業の皆さんのお心遣い。全てにおいて素晴らしかった。
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【IT戦略マネジメント】の記憶④ グループワーク。IT戦略ビジネスモデルの提案。4人グループでのITを活用したビジネスモデルの構築&提案。オートメーション化、意思決定支援、そして、アライアンス基盤の為のIT活用を意識しながらあくまでIT活用は道具であり目的としての位置づけとして議論した。ターゲットカスタマーを心地よく、幸せにする。アライアンスを組む企業含めて、Win-Winになれるビジネスモデルを心がけた。他グループからの提案もなかなかグっときた。期待値以上の授業だった。自らの業務、生き方へのヒントを貰えた。

(詳細は、後日。上記内容に肉付けするかたちで記事として完成形をめざす。)

ではでは。


営業力向上・プロセス改善を実現するABC/ABM実践ガイドブック

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【セルフコントロール】緊張しても構わないと思う事。自分の特性を把握すること。 [講義・授業]

ビジネススクールの秋学期も終わり、休みに入っているお陰で毎日記事がアップ出来ている。というか授業の振り返りを記事にしている。(復習が出来ている)という毎日。ちょっと嬉しい。

今日もまた、西條剛央先生の授業からの学びを自分なりにまとめてみたいと思う。これも先日同様、先生の【組織心理学】@WBSでの授業で学び得た気付きの数々である。

【セルフ・コントロール法】
技術(体力)×精神的な技術力=パフォーマンス(発揮される実力、結果)
100×0=0 というのを理解、意識していない人が多い。

試合の敗因を多くの人は、精神面と答えるが、その練習はまったくやっていないというあべこべのことをやってる。(僕も日本のスポーツ界と米国のスポーツ界を対比するとこの点で大きな違いがあるのでは?と常々思っていた。)

なぜだろう」か?
1精神力は生まれつきのものだと思い込んでいて、鍛えられる「技術」だということがわかってない
2「技術」だといわれても、その「鍛え方」がわからない。具体的方法がわからないので練習しようがない。

どうすればよいのか?
1「緊張」をどう捉えるのか?(認知)
  緊張することは悪いことだ、とはおもわない
→「緊張しているどうしよう、、、緊張しないようにしなきゃ」
→「緊張」というコトバを何度も繰り返しているうちに、ますます緊張して、悪循環に陥り、最悪の場合、パニックってしまう。

Negativeな事でも、Positiveな事でもFocusしてはダメ。「緊張するな」って言うと益々緊張する。
また、一旦パニックになったら立て直すのに時間を要する。だからパニックにならないようにすることが大切。

人それぞれ最大のパフォーマンスを発揮できる緊張度合いは異なる→自分の場合はどうかを知ることが大事?そうすればそのポイントに自分をもっていける可能性がうまれる。また、対象とする事柄が変わることでもパフォーマンスカーブは影響を受ける。これを把握しているとしていないとでは大きく違いが出てくる。認知することは大切なのだ。(認知行動療法と言うそうだ。)

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第24回 システム設計思考マーケティング .jpg

○緊張してもよい。「ああ緊張しているな~」ぐらいに思っておけばよい。「緊張」はからんでくる相手のように相手にすればするほど調子づく(余計緊張する)ので、そっとしておくのがよい。
とはいえ、対処法を知らなければやはりあせってしまうが、対処法さえ知っていれば、慌てなくてすむ。
「克己」△→己を敵にするのではなく、味方にすることが大事。

認知的側面
「不合理な信念(考え方)」に気づいて、修正する。
大事な本番で、「普段通りのびのびやればいいんだ」というアドバイスはよく聞くけども、いきなりそんなことを言っても、あまり効果はないし、そもそもそれ自体が普段通りではない。
「本番」(大事な局面)は「普段」ではない、というあたりまえの前提をしっかり踏まえなければならない。
ポイントはいかに「本番」と「普段」とのギャップを埋めるかにある。
そのためには「本番」では緊張度を下げるようにして、「普段」では緊張度を高める場面設定をする必要がある。
「現状を肯定する」ことが大切。ミスをしても「さっきよりは良い」「段々良くなって来ている」と思うようにするというのが秘訣らしい。また、普段から緊張度の高い練習をすることが望ましいとも。例えば、テニスのサーブ練習ひとつをとっても、練習の時に伸び伸びとして居る時にサーブが入る自信と練習の時に緊張した状態でサーブが入った自信とでは全く意味合いが異なる。
 そういえば、僕自身本番に弱かったのを思い出す。練習では伸び伸びとしていた。所謂「練習チャンピオン」ってやつ。普段、緊張状態に持って行って、本番で緊張を下げるようにする。というのがミソのようだ。

(友人たちの口々から出た、それぞれの方法論)
• 自分ならミスをするのは当たり前、自分を選んだ人が悪いと考える
• あんまりたいしたことないから、と思うようにしてから緊張しなくなった
• ジンクスをかつぐ
• ルーティンをなぞることで落ち着く
• プレゼンテーションは話すことを決めない
• 自分より周りの人のほうが緊張するだろう
• ギャンブルはプロは必勝法を持っているので、やめたほうがよい

西條先生の口から甲野さんの名前が出て来てビックリ。
•甲野義紀さん(こうのよしのり)http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2010-11-22
目の前で見ると、何が正しくて何がオカシイのか。全く分からなくなる。一度、講演会で肉眼で観て多いにImspireされたのを思い出した。あの方には、緊張なんてないんだろうな。

常々思っているのがテニスのトッププレーヤ。(おそらくどのスポーツでも超一流はそうだと思う。)普段の練習も質が高く、緊張感を高めた練習を積んでいるのは間違いない。そのお陰だと思う。練習でも出せないようなスーパープレーが本番の大事なところで出る。観客が居た方が、レベルの高いスーパープレーが要所要所で出来るというのは。(加えて、良くインタビューでも観衆が励みになる。とか、緊張感を楽しんでます。とか言いますからね。凄いです)

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ジーコのフリーキックも忘れられない。きれいな軌跡を描きながらゴールに吸い込まれて行った。
なぜ入るんですか?の問いに、入る事は決まっている。入るように蹴っているから。それだけの練習をしている。それだけのこと。と往年のアントラーズ時代にインタビューに応えていたのを思い出す。

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言わずと知れた、神様ジョーダン。凄いの連続。

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練習嫌いの長嶋茂雄。などと評されることが多かったが実は、誰よりも努力家、練習していたと聞く。

10,000時間の法則ではないけれども、とにかく努力は最低限必要なようだ。僕なんかが努力という言葉を使う事自体間違っているのかもしれない。

ではでは。


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【組織心理学】 取引コスト、埋没コスト、調整コスト [講義・授業]

僕がハマっている1人、西條剛央先生からも色々教わった。その中でも印象深い内容をここに改めて自分なりに整理しながら残して置きたいと思う。

【取引コスト、埋没コスト、調整コスト】
業務でも実は、頻繁に起きている事なのだが、当人である自分自身はどうも感情的になって事象を冷静にかつ正しく捉えられてなかった。そんな代表例なのではないだろうか。ここでの学びは、「概念をコストという定義付けすることで、アグリゲート(整理整頓)し、対応の仕方も準備出来る。さらには、定義付けられた概念を組織内で共有しあうことで、課題に直面した際にも、スムーズに事を解決出来る。」ということだ。

先生の言葉を借りると、「「取引コスト」「埋没コスト」といった概念を視点としてもつことにより、不合理な現象がなぜ起こるのか理解できるようになる。理解できれば、対処可能性が生まれる。
構造をとらえられれば、予測可能性と制御可能性が生まれる。」 ということになる。


【取引コスト(周囲の人を説得するコスト)】
 日々直面するもののひとつがコレだ。何か事を動かそうとして、他のメンバー、他の部署に働きかけるのだが、相手は取引コストを気にして(やろうとしている事は、悪くないが)ヤラナイ(ヤリたくない。)と言う。要するに、新しい事を動かすときには、自分自身も上司、同僚、他部署などに働きかける必要があり、それが面倒くさい(取引コストが発生)するのでヤリたくない。という話になる。
所謂、頭のいい人程、この傾向が強いというのが僕の理解。提案を見たとたんにやらなくてはならないこと、困難なことがパット想像出来てしまって、天秤に掛けてしまう。(コスト計算)計算が早いので、提案した側からすればネガティブに見えるヤラナイ。を即答してしまう。といったような状況が多く見受けられるように思う。
 大きな組織になると最終意思決定者にたどり着くまでにいくつもの承認プロセスがあり、それを思うと各担当者は新しい案件に消極的にならざるを得ない状況にあるのも確かだ。

可決案:
(一緒に)トップにアプローチして上げる。相手の取引コストをなくしてあげる。もしくは、比較対照を持ち出して、こっちのほうがより膨大な取引コストがかかるということをわからせる。

【埋没コスト(それまでの努力や投入したリソースが無駄になってしまうと思うこと )】
これもかなり深刻な障壁になるもののひとつ。特にイノベーションを起こそうと考えた時に邪魔になるものだと考える。今まで投入したリソース(お金、人、時間など)が気になって、やり方を変えられないという現象だ。

先生の表現を借りると
「「埋没コスト」とは、「心理的なコスト」。したがっていかに意味を賦与できるかが重要。避けるべき埋没コストとしてとらえるか、成功のための必要な投資としてとらえるかでは、大きく異なってくる。

解決方法:
→「失敗は成功の母」「失敗することが恥なのではなく、改善点がわかっていながら失敗を続けることが恥」といった価値観を浸透させていくことが重要。
→そのためには上記のことをきちんと行動レベルで示し続けることが重要。言動一致。 」

大先輩のブログ記事を見ていてハットした。日本人には、外国人以上の取引コストを抱えていると。日本には「あうん」の呼吸という素晴らしものがある。それゆえに、共通の認識をもっていない諸外国の人とのコミュニケーションに対して多大な取引コストを感じる。というのだ。たしかに、アドバンテージがディスアドバンテージになっている。この話は、ホスピタリティーマーケティングを論じてくれた Rosen College of Hospitality Management のTadayuki Hara先生の話を思いだす。

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とかく、日本人はホスピタリティーと言うと、「(三指突いて)いらっしゃいませ。」の世界だと思っているがその考え方にコダワルとGlobalマーケとでは太刀打ちできない。まず、お客様皆さんがそれを求めているわけではない。求めていたとしても、日本流のいらっしゃいませを世界に広めることは難しい。そういう素養がある人は少ない。

話はやや違う方向に展開したが、あらゆる事をコストと考えると見え方が違ってくる。いろんな基軸で考える。その際には、言葉(概念)をしっかり定義することが大切だと改めて感じた出来事だった。

ではでは。
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【目的合理よりも価値合理】 でも、価値ってなんだろうか。 [講義・授業]

ここでは一見、相反するような案件を同じ土俵で考察することで自分なりの理解を深める。そんなチャレンジをしてみたいと思う。
学び、気付きは、西條剛央先生と、高橋俊介先生、柳孝一先生、枝川義邦先生、インサイトの桶谷功さんから別々の機会に頂いたものである。それを自分なりの理解でぶつけたり、結びつけたりする作業をしてみる。(本当は、これを西條先生への最終課題レポートにしたかった。反省。)

【人間はなぜ不合理な行動(失敗)をするのか?】
•性善説と性悪説。

•構造構成主義(関心相関的)観点からいえば、「人間はすべて最初から善なる存在である」という性善説も、「人間はすべて最初から悪い存在である」という性悪説も、どちらも絶対性が織り込まれている「根本仮説」ということになる。(絶対性が織り込まれている=「根本仮説」が入っている自体、論理に矛盾が存在する。という話。)

•関心相関的観点からいえば、そもそも善い、悪い、ということ自体が身体や欲望、関心に応じて決まってくるため、どちらの説も最初から成立しない、ということになる。
•「会計士」人間の本能は、抑えきれないほど強いものなのか?
•人間は欲望存在である、という前提に立って、それでもうまくいくような仕組みにする必要がある。
•「考えない」と考えることで、余計なことを考えないということはできる。
•(完全な)フェアであることはむずかしい。人間は欲望存在なので(機械じゃないので)、フェアであろうとしてもどうしても偏るのが自然。大事なことはそのことを自覚したうえで、結果としてそういう形に近づけようという視点をもっているかどうか。

*この話を聞いていて僕自身、京セラの稲盛和夫さんとCoCo壱番屋の宗次徳二さんを想起した。
まず、稲盛さんの話から。

 稲盛さんは、「それは人間として正しいのか」で判断する。 と聞いたことがある。実際は、彼の著書であり、かれの会計思想を綴った「実学」を読んで知ったのだがここでも「人間として何が正しいかで判断する。」が大前提に掲げられている。会計の規則がどうなっているか以前にあくまで人間として正しく。というのが会計処理においてもて徹底されているのが稲盛流。
 正しさ、厳しさを徹底しているだけではない。罪を憎んで人は憎まないのが稲盛さん。それが何よりも顕著にあらわれているのが「人に罪をつくらせない」ことを常に考えているところだ。よく言う「ダブルチェック」だが、彼の場合はダブルチェックは、間違いの発見や、その防止のテクニックとは考えていない。厳しいシステムがあることによって社員が罪をつくらないように未然に防止する。緊張感のあるきびきびとした職場の雰囲気を醸し出させるためだというのだ。性善説か性悪説かと言えば、きっと性悪説ということになろうが、それに対応すべき仕組みを徹底しているのが稲盛和夫さん。(「実学」P110辺を参照)


稲盛和夫の実学―経営と会計

稲盛和夫の実学―経営と会計

  • 作者: 稲盛 和夫
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本



 CoCo壱番屋の宗次徳二さんの場合は、とにかく率先垂範型。誰よりもとにかく働く。働いているという自負があるそうだ。それも継続的に。宗次さん曰く、「2:6:2」の法則ですよ。現役経営者の頃は、そんな風には言う気持ちの余裕は無かったようだが、経験から来る数字。見本を見せるとそれに反応して従ってくれるのは全体の2割。だけど、会社の中で2割が本気で取り組んでくれたら凄い力になる。成果は出るとのこと。そういう経営者が引っ張る会社だからこそ、創業以来ずっと右肩上がり成長。波がない。なんか、性善説とか、性悪説とかっていう領域ではない。正しいことを正しくやる。その姿をみて従いてくるものもあれば、ニュートラルな者もいる。批判的なモノすらいるそれが現実。といういたって自然体な考えかたに思う。ただ、誤解がないように、宗次さんの何かをする。はハンパがない。徹底的にかつ例外なく、そしてとてつもなく継続的にやり続ける。詳しくは、先日の記事を参照されたし。http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25

翻って言うと、よくITC系のベンチャーが出だしはいいが途中でおかしくなる例が多いが、柳先生もおっしゃっていたが、成功し始めると経営者の人間性が狂い始める。ちやほやしすぎる周りも悪いが本人がどっしりしていないから浮いたこと、派手な振る舞いをしはじめて原点を忘れる。で結局会社がダメになる。ダメになり始めるとマスコミ含めて皆で必要以上に叩く。もう立ち直れない。という図式が成り立っているのだろう。どの業界においても経営者の立ち振る舞いは大切。人間性が結局企業、組織のあり方を決めてしまうのだろう。
「自分の背中を見てみんなが付いてくる」「正しいと思うことをずっと続けるひと」がいる会社は波が少ない。 ということだ。

この話を授業でしたとき、西條先生がこういうコメントをくれた。
「糸井重里さんの言葉に、「正しいことをしているときほど気をつけなければならない」とうのがある。と。なにやら深い言葉だ。
独善的になりやすいということだろう。正しい、正しくない。というのもある価値観の基に分類される。視点、立場、価値観などが違うと評価が分かれる。物事なんでも信じきって疑わなくなるというのは危険なのかもしれない。

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【一見矛盾しているようだが、双方正しいと思う。】
高橋俊介先生のお話からの引用だ。

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現代のキャリア形成において起きていることとは?
先行き不透明になり求められることが複雑化、高度化している。
①想定外の変化が起きる仕事環境(予測可能性が低い)
②同時に深い専門性が求められる。単なるジェネラリストでは
  太刀打ちできない分野が増えている。
  全く別の違ったベクトルを持つ専門性を
  複数持つことが求められる。
  (例えば、「システムエンジニアとしての専門性」 +「中国語」など直接の関連性がなければ無いほど良い)

現代のキャリア形成において起きていることとは?
①想定外の変化が起きる仕事環境(予測可能性が低い)
  突然、会社がなくなったり。部署毎違う会社になったり。
  もう少し突っ込んでみると、こんな話。
  管理可能性・予測可能性って?!

例えば、
 高い物→試験! 傾向性があって努力の方向性も明確。 日程も決まってますしね。
                      
 低い物→育児! こうやればいい。という答えが無い。
            例えば、どう育てたらどういう子供になる。どういう子供にしたら良い?答えないですよね。
                      
現代のキャリア形成において起きていることとは?
③成長曲線は階段的なものから「のこぎり型」へ

ビジネスだろうと、スポーツだろうと成功している人に聞くと詰まる所こういう話。
利益が目的。それはいいけど実は息詰まる。
正しい事を正しくやる。遣り続けると結果(利益)に繋がる。

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第20回 企業戦略 .jpg

【目的合理よりも価値合理】

”価値合理” (正しいから、大切だからやる。何のためにとかは考えない。)
”目的合理” (目的に合わせてやる。目的を達成する為にやる。)

柳孝一先生は、こんな話をしてくれた。【目的合理】とか【価値合理】なんて言葉は、当然使っていないが、その観点でGEジャックウエルチの事例を観てみたい。

企業革命を成し遂げた
ジャックウェルチもトレーニング(Off the Job Training)を重要視した。
戦略を変えることで組織(意識)を変えた事例としては、GE ウェルチ
 ①中核事業領域、
 ②ハイテク事業領域、
 ③サービス
 No.1もしくはNo2に成れる可能性のないものは止める。
 (とくに家電事業を売る。という事に関しては相当な抵抗があったはず。)
 軍事事業も止めた。代わりにヘルス事業、金融事業を買った。
 結果、40万人→20万人以下に従業員が減った。

 ”ここからが大事!”単なる【目的合理】ではない。【価値合理】を感じる。
 これは文字通りRestructuringを目指したもの。日本語流の単なる人減らしとは違う。
 (ニュアンス含めて、誤訳が多い。)
 その証拠として、ウェルチは、スキーマチェンジのために1万人が受講可能な研修設備を作った。

 人に対して莫大な投資をしたのだ。それも小手先のトレーニングなどではない、本質的な部分に。
 (研修内容事例;ゴムボートで急流下り体験セミナー。チームワークの大切さを自然に学ぶ。)

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第20回 企業戦略4 .jpg


【で、価値ってなんだろうか。。。】

真のマーケティングは、マークス&スペンサーが始めたやり方、すなわち顧客の人口構造、
現実、ニーズ、価値からスタートする。「我々は何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買い
たいか」と問う。「これが我々の製品やサービスができることだ」ではなく、「これらが顧客が
探し、価値を見出し、求めている満足である」という。[18]

このようにドラッカーは価値とは相手(顧客、ユーザー)が見出すコトである、ということを見抜き、
的確に言い当てている。たとえば、現在「価値創造」というコトバが重視されているが、我々は価値そ
のモノを創造することはできない。価値とは顧客が見出すコトである。したがって正確にいえば、相手
(顧客)に価値を見出してもらえる可能性が高いと考えられる物やサービスを創造することしかできな
いのである。だからこそドラッカーは「事業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造であ
る」[17] と明言した。


西條先生曰く、「.ピーター・ドラッカー(Drucker, P. F.)は――哲学的というよりは直観的洞察によって――この問いを考える上で有用な示唆となる本質的洞察を残している。」そうだ。

「「価値とは何か」について意味のある言及をすることは、哲学者にとっても非常に難解なことなのである。」だそうだ。ドラッガーはやはり凄い。と改めて感じると同時に、「価値合理」ということを考えることがちょっと難解になりそうだ。[16]

とはいえ、実践するには実践するために考え方を具体化、落とし込む必要がある。前述のような。「我々は何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」と問う。というのは顧客視点。Marketingの4C的なアプローチ。しかしながら、4Cのままでは企業はモノ、サービスを形に出来ない。一旦4Cで考えたものをMarketingの4P(Product,Price,Place.Promotion)に落とし込まなくてはならない。なにやら矛盾のようだた、これが現実だ。

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第1回 マーケティングの本質.jpg

インサイトの桶谷功さんと枝川義邦先生の言葉を思い出した。

「右脳(直感)だけ、左脳(論理)だけで考えることはない。行き来する。させるものだ」
実際ビジネスの形に具体化する際は論理的になっていないといけない。しかし、お客様の気持ちを知るには
多少の遊び心がないと判らない。

ってことは、目的合理と価値合理も行き来しながら照らし合わせることが必要なんじゃないかなと何となくではあるが思うようになり始めている。目的を考えて、人間として正しいか?正しいことをしているか。と問うてみる。はたまた、正しいと思うことを、目的にあっているか。繋がるか。と問い直してみる。そういうことなのかもしれない。

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第21回 ニューロマーケティング  .jpg

最後に、【価値合理】主義を感じたスポーツ選手。桑田真澄さんです。

港南実学研究所 実践マーケティング勉強会 第20回 企業戦略2 .jpg






[16]西條剛央(2011)構造構成的組織行動論の構想 ― 人はなぜ不合理な行動をするのか? ―p.4

[17] Druker, P. F. (2006) The practice of management. Harper & Row, Publisher, Inc. New York, U.S.A. p.37
[18] Druker, P. F. with Maciariello J. A. (1993) Manegement : Tasks-responsibilities-practices (Revised Edition)

ではでは。


心の野球―超効率的努力のススメ

心の野球―超効率的努力のススメ

  • 作者: 桑田 真澄
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 単行本



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【柳孝一先生のアントレプレヌール】からの自分なりの学び [講義・授業]

たった1講座ではあったが、大変多くの学び、気付きをもらった柳孝一先生の授業【アントレプレヌール】からの自分なりの学びをここにまとめておきたい。(先生は、2012年3月10日の最終講義を最後に早稲田大学を退官される。)

【「企業革新論」と「ベンチャー経営論」の両方をこの授業で取り入れるかに関して】
新規事業計画、新しいプロジェクトを立ち上げるときに共通性はある。大きく見ると世の中、企業、世界、社会とか組織とか如何に変革するか。これはどれも本質はおなじである。これが伝えたかったと表現された.。先生の綿密に計算された授業構成により先生の意図とこの考え方がよく理解できたように思う。これは、企業論のみならず組織論、生態論あらゆるところに当てはまりそうな気がする。
 組織論で言えば、どうしたらいいか。と悩んだ場合は最小組織ともいえる家庭を題材に考えてみる。そこで見えてきた課題や、方法論をより大きな組織に当てはめる。そうすると実感をもって事にあたれるのではないだろうか。

【なぜ、変革しなくてはいけないのか。(反対勢力もリスクもあるのに)】
「環境は常に変わっている。環境をコントロール出来る人も居ないし、そんな組織も無い。これが根本にある。
動態論で物事を考えるようにする。静態論よりも。精緻な理論は使いやすいが、世の中の動きを考える上では役にたたない。動態論は、精緻な考えには到達しないようだが世の中の動きを考えるにはこれだ。と思う。これは、認めざるを得ない事実。」複雑系でかつ変化が激しいい事象を扱うには、動的な手法のみが有効なのは間違いないと僕自身も思う。機械工学などでも、静力学を基に動力学が発達したことにより飛躍的に設計手法が進歩した。戦略論での動的なアプローチ(ダイナミック戦略論(河合忠彦先生など)http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02)も出てきている。何れにしても、静態論で整理して、動態論に展開、実践に活かす。というのが重要そうだ。そのためには、ケースを数多く学ぶ必要があるとツクヅクおもった。各校のMBAの授業の構成、方針が異なる。ただ、ケースを大量にあつかう理由がここにあるのであれば納得であるが、実務経験が少ないからケースを大量に扱うことで疑似体験。というだけでは根拠として弱いと言わざると得ないというのが率直な意見。何れにしても、柳先生は数百のベンチャー経営者とのアンケートやインタビューなどを通して、動態論を繰り広げられている方。腹オチ感が違った。

【企業革新論から】
企業革新をメインにするためにということで「ベンチャー経営論」を軸に授業がすすんで行った。柳先生の「企業を革新する。環境は変わっている。企業はコントロールできない。ならば企業が変わっていかないといけない。企業の本質を変えればよい。という簡単な理屈。戦略か組織か。という対立が以前からあるが白黒つけることには興味がない。何が役に立つか。という視点にたった。戦略は、組織にしたがうこともあるし、組織が戦略にしたがう。どちらもある。ミンツバーグが言い出した。これを基に論理を組み立てた。」 実践で役にたつことがビジネススクールに通う我々にとっての目的であり関心事。静的アプローチ(古典、定番)はおさえておくひつようはある。最低限の知識は付けておかねば。気になる本は購入済み。あとは読みこむだけ(?)

【企業革新の構図】
構図ということが好き。混沌として動態論で考えると全てが動く。今後どうすれば良いのか。を考えるのが難しい。そういうときは全体を見て鳥瞰図というか、、全体をみて、位置づけ、関係付をしてしまう。というのを一度作る。ただ、未来永劫見直さないのではなく、一部一部を変えていくことを意識すればよい。そうすることで動態的に考察することが可能だ。自分なりに変えていけばよい。自分の中でブラッシュアップして理論体験してほしい。自分の書いたものを下敷きにしてもらえばよい。下敷きがあったほうが早い。長年手が入れば原型はとどめないとおもうがそうなったら占めたもの。自分のものにしてくれたということ。」よくあるのですが、頭ごなしにこういう自称の場合はこういうことだ。そのときにはこのフレームワークを使え。とか、教える方がいる。あくまで一般論ですが。自分が与えたフレームワークや基礎概念を状況に応じて修正していきなさい。より実情に合うように変えていくものであり、そうよやりながら使いこなして自分自分ものに昇華して欲しい。というのがメッセージ。無数の事例から帰納法的に到達した結論が集約されているというのが授業で取り上げられたケースや、自分自身で知っている事例などに照らし合わせても納得感があり改めて完成度の高さを感た。
ベンチャー経営論~創造的破壊と矛盾のマネジメント~ 柳孝一(著)のP36、P67などがそれ。


ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

  • 作者: 柳 孝一
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本




総務省が作った「起業するときのマニュアル」。などもそういう意味で柳先生が紹介してくれた。(これを作る時にも協力されたそうだ。)http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080307_3.html

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【組織を変える。企業構成員の意識を変える。スキーマーチェンジすればよい。】
“戦略から入ってもいいし、組織から変えてもいい。どちらからでもよい。”変えやすいほうから変えればよい。それぞれの会社の変革には、それぞれの会社のプロトコルがある。個別個別にあったやり方をするしかない。一般論で全てを借りてくるのは不可能。顔がみんなちがうのと同じでスキーマーが違う。さらに動く。全てを個別に考えるしかない。」
この話に僕は、一段とグっと来るのがこの部分です。
“戦略から入ってもいいし、組織から変えてもいい。どちらからでもよい。”変えやすいほうから変えればよい。

実際、僕なりのやり方で企業改革を進めてきたつもり。仕事の進め方に関してのフレームワークのベースになる部分にアプローチして、導入した。ただ、事業うどころか自分の部門のメンバーに企業改革のための活動だと理解されていないのが残念。そういう認識で捉えてもらうためには、トップの宣言ありきなのだろうが、一緒に行動している改革メンバーですら理解できていないのは、個人個人の課題認識が違うからなのだろう。そう思うとやはり時間がかかる作業であることは間違いない。(ピントくる人には、ピントきた。要は視点と課題認識を持っているかいなかなのだが。)

「会社を変えるといったときに、営業部門、企画部門などは、日夜変えることを考えている。それがミッションだからいつも考えている。人事、総務、経理などは変革と関係ないのか?そんなことはない。企業は究極人しかいない。全ては人間が作り上げている。積み上げたものである。その人が如何に生き活きと働いてもらうかがポイント。人事が実は一番大事。コンサルティングをしているときは、いつも敵は人事だった。いま、制度を変えたら不公平になる。前例がない。という言葉で交戦してくるのが人事だった。ショッキングなことでもないと変わらない。3.11のような。人事部門にいるひとには、会社を変える要だと思って欲しい。トヨタに講演に行ったときに変革を担当した副社長が13あったハンコを3つにすることに抵抗があった。鍋底組織にした。
出世だけが楽しみだった人たちは、まいっちぇちゃうわな。年功序列じゃなくて年々序列なんだよ。功績があるかどうかは疑問。総務、人事にはチャンスがある。会社を変革するチャンスがある。率先してやれば貢献できる。会社の体制が変わってくるんだよ。企画、営業だけの話ではなく、会社全体の話である。」
僕も、まったくその通りだと思う。会社の変革はみんなでやる。一丸となってやるものだと思っている。勿論、会社は本当に全員が完全に機能しないと動かないかというと実際は、2割もの社員が本気で機能しはじめれば、成果は出ると思う。(CoCo壱番屋の宗次さんも言ってた。)また、結局はその社員たちの魂に火が付くかどうかのはなし。その鍵を握るのは、やはり人事。人事にはがんばってもらいたい。投資のなかで人材投資が一番確実かつリターンが大きい筈なのにおざなりになっている気がする。人事の提供するコンテンツは良質だったりすのにそれを活かし切れていない気がする。というのが我が社における課題なのではないだろうか。ちょっと我に返った瞬間である。

【企業理念に立ち返り、社員にスキーマ―チェンジ(キューピー相談役 鈴木豊さん)】
鈴木豊さんご自身は、企業理念を大切にした方。創業者が骨格を作ったもの。それに立ち返って、もういちど社員に注入した。保守的になりがちの食品会社の社員の意識を変えていった。キューピーの業績もたてなおした。
その鈴木さんから僕自身が個人的にいただいたアドバイスを思い出した。
「会社を変えたい。そのためにはどうすればよいか。か。。まず、同士を見つけなさい。そしてその同士でアイディアをロジカルに考える。そしてそれを皆でマネージメントに持っていく。そして熱く語る。ダメでもまた、持っていく。それくりかえされたらトップもその気になるよ。」

で、柳先生のコメント。
「社長には2面性がある。古い慣習で上り詰めた社長ってのが多いだろう。2期四年。これでつつがなくやった。っていうことになるんだよ。出世だけを考えていた人でも社長になった途端に、身体の半分は変革者になる。これは人間の本姓としてある。成れの果ての社長の顔と変革者としての社長の顔の2面性があるのでアプローチする価値はある。諦めるな。それでも、ダメなら交代。社外取締役、株主総会。」どんなトップも動かせる。チャレンジして、チャレンジして、ダメなら諦めよ。ということだ。

【べンチャー企業論】
「枠組み、4面帯理論、変態なんだ。ガラリと変わるぐらいのことをやらないとダメなんだ。変態しないと死んじゃう。サナギがカラから出れなくてと死んじゃうこともある。
矛盾のマネージメント。
なかなかわかりにくいと思うが、なぜそこにたどり着いたかというと、独立型ベンチャーの場合は、既存の経営学ではサポートできないと思った。パイオール(フランス人)、T型フォード、ドラッガーに繋がる。大きな組織、軍隊をいかに組織するかに原点がある。ないないづくしのものを育てるのと、既にある大きな組織をどうにかするというのは違う。ベンチャー論に関しては不十分だと思った。シュンペーターが残したテーゼ。資本主義の発展は、喝破していた。60年代に。
時代の背景からしてシュンペーターには無理。弁証法的矛盾からはじまって、ベンチャーが生まれる。だからベンチャーは矛盾そのもの。でも矛盾はエネルギーになる。」

すべて僕の頭の引き出しには無かった考え方。だが、腹オチ感抜群。いまでは、“変態することが前提でかんがえるようになれた。これは僕にとっての進化だと思う。それくらいにインパクト、価値観みたいなものが揺さぶられた話だった。

【どうしても日常に埋没する。スキーマチェンジを意識して動け!】
「ビジネスパーソンとしてまだまだ人生がある。組織の中で働くわけだが、長いものに巻かれろ。上役だめだもんな。と変革を考えないようにする。とか、日常業務は心地よい。やっている実感があるから。だから心地よい。日常業務に埋没するんだよ。サラリーマンは。経営コンサルティングを始めたときはなんとかしないと。
マッキンゼー、ボスコンが入ってきたときに、彼らは驚異だった。野村は戦略や、リサーチには強かったが、組織に弱い。本書くぞ。といったら総スカンくらった。けど書いた。日乗業務に埋没していたら楽。変なもんかいたら笑われる。
お客も逃げる。プレッシャーもあるし時間のやりくりも大変。結局書き上げて、全力でプレゼンした。クライアントもついたが日本を変えるにいたらなかった。残念ながら。
マネジメントルネサンスが売れれば変わったかもしれない。(分かってくれた経営者もいたが。)」

分かるな~っ。新しい仕事、職場に着いた時、初めの100日間が大切。そこでなにか始められなかったらなにも出来ない。というのを実体験をもって感じている。まったくその通りだ。

【起業家には、教育が必要】
「日経ビジネス誌2006年4月3日号によると、米国における過去の経営者の不正を分析してそれは、高報酬、人気、慢心が原因だと結論づけている。
一旦得たものを失うことへの恐怖というものある。成功して、持ち上げられる。失敗するとたたき落とすのがマスコミ。最初から悪意をもった人はいない。大企業の経験法樹で円熟期の人でも多いのだから、ベンチャー企業の起業家はなおさらあぶなっかしい。
起業家には、教育が必要。企業教育3要素は、バリューセット、スキルセット、マインドセット!」

やはり「価値合理」。人間と正しい。ということに拘れないとダメな気がする。結局は、人。経営する側、運営する側、そしてお客様。すべては人。普遍性のある正は、人間として正しいか。なのだと思う。短期的にはごまかせても、長期的に継続的に成長を続けるためのカギは、「価値合理」。ビジネスもそうだが、企業内の人材教育も価値合理に根差してないと効果がないと思う。そのためには反復(洗脳)も必要だと思う。これを実践している方の例として稲盛和夫さん(http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2011-11-23-1)、そして、CoCo壱番屋の宗次徳二さん(http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25)を想起した。やはり、人なんだ。

柳孝一先生のアントレプレヌール。人生観を揺さぶられるそんな授業だった。早稲田大学を離れられても、教鞭を撮り続けていただきたい。

ではでは。
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【カカクコム】企業の変態。そして、企業人としての変態の必然性。 [講義・授業]

ツクヅク考えさせられた気がする。企業が成長を遂げていく過程で変態することが求められる。というのは、先日アントレプレヌールの授業で柳孝一先生から教わった事だ。先生は、500社以上もの企業にヒアリングして帰納法的に企業の成長のステージ、変態、はたまた、ベンチャー企業経営者のタイプなどを体系だって分析、分類された方だ。

柳孝一先生(著)の【ペンチャー経営論】(日本経済新聞社)によると、企業の変態には次のようなステージがある。
 ・準備期
 ・スタートアップ期
 ・急成長期
 ・経営基盤確立期
 ・新成長期
 ・企業革新期


ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

  • 作者: 柳 孝一
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本




 カカクコムの場合は、企業に求められる変態を見事にこなしているが、それを可能にしたのはタイムリーかつ適切な経営者のバトンタッチによるものらしいい。それを各々歴代の経営者が意識的(?)にこなしてきている点が凄いと思った。
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創業者 槇野光昭さん

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カカクコムを事業化した 穐田誉輝さん

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カカクコムの経営基盤を固めている 田中実さん

企業の成長過程、また置かれている状況によって必要とされる経営者のスタイルが異なる。なんとなくイメージ出来る話ではあるが、実践となるとなかなか難しいのが実情だろう。そう考えると、企業戦士のタイプもその企業の状況によって異なるということになる。これは、僕にとって大きな気付きである。いや、外部環境の変化によって社員に求められる特性、能力が変わることは理解していたつもりだ。しかし、企業の成長にしたがって求められる社員のタイプが変わるということに関しては、意識していなかった。外部環境の変化による影響と、会社の成長両方から来る、社員の企業内価値を意識せねばならないというのが今の理解だ。

ただ、企業内で今ほんとうに必要なタイプの社員が評価されているか、重用されているかと言えば、これまた難しい。組織が大きくなればなるほど、個人個人の特性や能力以上に、トップ、長との相性というものが重視される傾向が強い。ある種の政治力が働く。それでも、長がその企業の置かれている立場、状況を把握していて対処出来るタイプであれば、問題が無いが、そうでない場合は悲劇である。この閉塞感が漂う日本においてはそういう事例が多いのではないだろうか。とツクヅク思うのであった。

 サラリーマンにも「市場価値」と「企業内価値」というものがある。どちらを大切にするかは、個人個人の問題。よく考えて自分の道を選んで欲しい。とは、内田和成先生の言葉。僕は、「市場価値」を高める道を選んだように思われることが多いが、高めた「市場価値」が務めている企業に活かされる、活きることが出来れば本望だと思っている。そう宣言しているのだが、実際のところなかなかそうは行かないのが現状。

いずれにしても、自らを磨く。自分の好きで得意な分野にこだわりながら自分なりのスタイルを確立する。自分にはそれしかないのかな。と思うのであった。(人に感謝する。他人を尊敬する。いかなる人にも敬意を示す。感謝する。その上で話を聞く。自分のいままでのスタイルには無かった部分だが、これは備えておくべき事だと最近常常感じ始めたことだ。自分自信に必要な変態のヒント、鍵はここにある。と思うのであった。)

【おまけの気付き】
穐田誉輝.jpg
青山学院大学のMBAは、アントレプレヌールに熱心だと聞くが、そうなのかもしれない。と思わされた。

広報 川井かおりさん.jpg
カカクコム 広報の川井かおりさん。
やはり、広報は見た目も大切。(タイプっす。)

ではでは。
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【アントレプレヌールシップ】柳孝一 この先生は凄い。凄い事をさらっと言ってる。感嘆! [講義・授業]

授業などでメモをビッチリとった。折角なので僕の所感とともに残しておきたい気分に刈られた。
記事としてしておきたい。

鈴木豊(キューピー株式会社 相談役)が先日ゲストスピーカーとして来校され講演をしていただいた。その時いただいた気付きは僕らにとって強烈なものだった。(すくなくとも僕は凄い刺激を受けた。)その時の話を柳孝一先生なりに後日解説いただいた。

 企業理念の浸透には時間がかかった。スキーマチェンジには、「気づき」が必要。
 だが、”手法の一部として「強制」も必要なのも確かだ。”たとえば理念の唱和を徹底させた。
 というのがそれに当たる。
 →これは僕にとっての大きな気づき。社員、店員を自発的に動くようにしたい。
 気づきを与えるのにどうアプローチしなくてはいけないのか。と悩んでいた。自発性という
 言葉の響きからすると強制なんてことは馴染まなさそうだが実際はそうではない。ということ。
 始めの助走、導入の部分は相手も十分理解出来ていないことを出来るようにする。ということで
 多少の強制力は必要だそうだ。
 これは、大きなヒントになりそうだ。

 キューピー 鈴木豊さんの企業革新のキッカケ、背景はうまく聞き出せなかった。でも知りたくて柳先生に質問してみたが、先生自身もも直接この類いの質問をしたことがないそうで確信をもった回答は出来ないとのことだった。
 ただ、先生なりの理解は、
 鈴木さん自身が創業者の理念、DNAを強く引き継がれていたことは社内でも知れ渡って
 いたことらしく、それが鈴木さんが社長に選ばれた理由であることも確からしい。
 社長になりたいからなれたのではなく選ばれたという話もそれに繋がっている。納得!

ここまでは、企業革新(企業再生)だったが、ここからは起業家(ベンチャー企業)の話に。
僕は、もっぱら企業革新、自分の会社を変えることに興味があるがベンチャー企業からも当然学べることはあるのでいままで同様、意気込みをもって望みたいと考えている。


ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

ベンチャー経営論―創造的破壊と矛盾のマネジメント

  • 作者: 柳 孝一
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本




 柳孝一先生のベンチャー企業の定義。
 「高い志と成功意欲のアントレプレナーを中心とした
 新規事業への挑戦を行う中小企業で、商品、サービス、あるいは経営システムに
 イノベーションに基づく新規性ああり、さらに社会性、独立性、普遍性をもち、
 矛盾のエネルギーにより常に進化し続ける企業。」

 金持ちになろうとして金持ちになった人はいない。(目的合理と価値合理の話に通じている。)

 高い志とは、社会にどうやって役にたとうとしているのか、貢献しようとしているのか。
 そういう心を強く持っている人が高い志をもった人。(いわゆる価値合理だ。目的合理ではない。
 金持ちになる。という目的のために努力するのではなく、社会にとって人として正しいと思う事をひたすら実現すべく努力していく。という姿勢。)

 これを思い出した。Googleの10箇条。Googleの理念10の事実  
  1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。  
  2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。  
  3. 遅いより速い方がいい。  
  4. ウェブでも民主主義は機能する  
  5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。  
  6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。  
  7. 外にはいつも情報がもっとある。  
  8. 情報のニーズはすべての国境を越える。  
  9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。  
  10. すばらしい、では足りない。

 このSONYの設立趣意書そのものがGoogleの理念10の事実と似ているのだから
 やはり1980代のソニーと今のGoogleが重なって見えてしまうのも当然なのかもしれない。
 著者の表現を借りるとGoogleがこの10の真実を忘れたときに普通の企業になってしまう。

 「アントレプレナーを中心とした」烏合の衆でもだめだが、ワンマンでもいけない。
 (ダイエーのように続かない。)

 「経営システム」経営のやりかたに新規性があっても良い。なかなか難しいが。

 「イノベーション」の元祖はシュンペーター。(創造の破壊は、シュンペーターから借りてきた。)
 (ドラッガーも実は、シュンペーターから絶大なる影響を受けている。by島田)

 中小企業論とベンチャーとは分けて考えている。
 イノベーションを狭い意味では、技術革新。だが、新しい組織や、取組み含めて
 イノベーションとする。技術だけでは狭い。ただし、ちょっとした思いつきではいけない。

 「株式の公開」も重視したい。絶対条件ではないが、社会に対しての透明性、
  審査などを受ける受けることになることが重視する理由。社会の公器であってほしいので。

  「矛盾のエネルギーにより常に進化し続ける企業。」は、
  おいおい授業で話すので感じ取って欲しい。(楽しみになってきた。)


 ドラッカーは行政に対して厳しい。
 非営利型ベンチャーをすごく大事に考えている。たしかにShared Valueに対しての傾注も深い。
 (この考え方を深めておくことはこれからの時代を生きていく上ですごく大事になると思う。)

 ベンチャー企業で有り続けるためには、第一段ロケットだけではダメだ。第二段、第三段と
 続けていかないといけない。脱落という。中小企業もベンチャー企業に変身することも可能だ。

 タカノの場合は、経済再生ゴールデンルート。ということになるのだろう。

 日本にある企業のうちベンチャーと言えそうなのは2万〜5万企業しかない。

 企業革新の講義をしていたのは、既存企業の活性化のほうがベンチャー企業を
 起こすより手っ取り早いと思っているから。(なるほど。僕は、会社を変えることに
 単純に興味がある。柳先生は日本のことを考えている。ってことだ。
 だが同時に僕は、ソニーを日本の企業として再生するというこだわりは少ない。
 Global企業として再生、企業革新したい。)

 ベンチャーの成長曲線は、なめらかな曲線ではない。階段を掛昇ようなものだ。
 (この先生、もしかしたら凄いかも。)

 スタートアップ期、急成長期、経営基盤確立期、新成長期、経営革新期、
 おのおのの段階を経ていくがその時にどのような経営をしたか。
 どのように次の段階に変態したか。がポイント。変態しないと次の段階に移行できない。

 昆虫も卵もサナギになり、成虫になる。変態するのだ。各々の段階に意味意義がある。

 成功したベンチャー企業(500社)の成長パターンから表の理論を作ったが、
 失敗したもっと多くの企業から負の理論があれば完璧だが。
 失敗したベンチャーからヒアリングができない。
 特に日本の場合は失敗企業に対して冷たい、厳しすぎるから

 ベンチャーファイナンスが未発達な日本では、ベンチャーが難しい。
 夜逃げ同然で逃げていくことになる失敗したベンチャーにインタビューすることが難しい。

 「社長失格」この本を取り上げている理由。自己破産までした板倉さんの話が実名で出てくる。
 銀行名や担当者名まで。だから価値があるのだ。実名で書いている=本当のことが書いてあるんだ。
 (いま初めて、読む気になった!)

 柳孝一先生の著書「ベンチャー経営論」から 独立型ベンチャー成功のための四面体理論 
 ①企業家(アントレプレナー)の企業力が優れていたこと。
  ベンチャーって結局は、アントレプレナーの人間性そのものなんじゃないかな。
  という話になる。実感としてあった。ベンチャーキャピタリストの判断基準も最後は社長だ。
  となっているのが実態。(これは全てに言える気がする。本質。)

  問題意識力、変革力、マネージメント力、実行力。
  これがそのアントレプレナーに求められる企業力のアイテム!

  おっとこの図のおわんがパラボラアンテナ。だとは思わんかった。
  この理解を獲れたのはは授業を受けたものの特権だな。
  
 ②対象市場の設定と変革的切り口
 ③経営システムにおける変革的ひねり
 ④統合的合わせ技。

 この辺もちゃんと解説をきかんとわからんな。模型をもってきて説明いただけるそうだ。楽しみ。

 企業家には、3タイプある。テーマ追求型。マクロの流れから必要なモノを見つける。
 企業願望型。とにかく企業したい。というタイプ。(例:パーク24の西川清さん)あとはバランス型

 西川清さんて有名な馬主でもあるらしい。すべてウッキより引用。西川清の代表所有馬 [編集](カッコ内は主な勝ち鞍)

  マンハッタンカフェ (菊花賞・有馬記念・天皇賞(春))
  イーグルカフェ (NHKマイルカップ・ジャパンカップダート・共同通信杯4歳ステークス・七夕賞)
  カフェオリンポス(ジャパンダートダービー)
  タイガーカフェ(ホープフルステークス・皐月賞2着)
  プレシャスカフェ(CBC賞・シルクロードステークス).

いろいろある授業のなかでも特に楽しみな講義だ。

ではでは。

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【ゼミOB会】本日のTake Away [講義・授業]

本日9月24日は、年に一度のゼミOB会。僕にとっては、始めてのゼミOB会。出席者30数名でこじんまり。それだけにほのぼの。って感じでよかった。(2月には、既にマスターとしてOBである研究室OB会があるが、こちらは参加者だけで200名弱なのでちょっと空気が違う。でも何れの場合も普段は会話しない人たちと意見、情報交換出来るという点で有意義である。OBとなった暁には、先生とお会いする数少ない貴重な機会として活躍することは間違いない。実際、研究室OB会は余程の事が無い限り出席している。流石に海外赴任中は欠席していたが。。。)

それはさておき、本日のTake Away. 遠藤功先生の言葉。テーマは、先日のゼミ合宿を振り返って。先日も厳しいアドバイスを頂いたが本日は、それにさらに深みのある言葉があった。合宿に行く、工場見学をする際に十分な予習をして来ていない。それでは小学生の遠足だ。でもそれは終わったこと。せめて復習をしっかりして掘り下げて欲しい。今回も工場見学をさせてもらったのは中小企業。なんだ、また中小企業かよ。と思う事なかれ。今の日本企業は閉塞感に苛まれている。その上、打ち手をみつけられないでいる。それに比べて、中小企業はそれいじょうに緊迫していて危機意識が高い。死にものぐるいで努力し、精一杯とりくみアクションを起こしている。その必死さの中から実際に活動に結びつけているものから本質を見抜くことが大切。そういう必死さがまだまだ、大企業からは見えないままである。だから、休みだというのに先方に出勤してもらってまでああいう場を設けてもらっている。

僕は、常々思っていた。中小企業のような多少小さな規模の組織の方が、真理原則(principal)が見つけやすい。反面、大企業は連立方程式が複雑過ぎて、本質を見出すのが難しい。だけど、大企業の抱える問題も解決方法も本質的には同じ。だから、小さい組織の現場体験から見出された方法をベースに大企業に応用するのが良い。と。(そう強く思ったのは、僕が1年半前に小規模の販売会社の活動を真似て本社で活動を始めたことがそれ也に成果に結びつき始めているからだ。現場に出向きかれらの活動および、活動の本質、趣旨などをヒアリングしてあとはそれを拡大コピーした。それが実を結び始めている。そういう意味で社内、社外問わず現場に出向く、現場の人に直接聞く。という姿勢は、ゼミに入る前から取っていた。が、本質を見抜くチカラはまだまだというのが本日の教訓。)

でも、今日の先生のコメントを聴いていてまだまだ、自分の考えの浅さに気づかされた。まだまだ、必死感が不足している。遣れる事、やり方含めてまだまだ遣るべき事がある。というのが僕なりの結論だ。本日もよきTake Awayが得られて清々しい気分。あとは単なる気分で終わらせずに結果につなげるしかない。3連休、明けに猛ダッシュ。決して休みボケなどという状況は作らないぞ。と強く思った。

ではでは。
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