カラーマネージメント 〜色空間への理解を深める〜 [動画撮影]

動画のLog撮影技術への理解を少しでも深めようと色々、調べてきたが齧ればかじるほど分からない。知りたいことが増えてくる。

何事もそうなのかもしれない。
 これでよし。というのもなければ、
 これがこうなるのだったら、これってこういうこと? と新たな疑問、難問に突き当たる。
(そうしているうちに、自分が以前知らなかった。ってことを忘れてしまった状態で知らない人に話ししてしまう。。。)

で、色空間。もう少し理解を深めておきたい。(Log撮影の肝も結局ここにあるように思うからだ)

『カラーマネージメント』
出力機器同士の色目を合わせることにより、映像作品作りをスムーズに行えるようにする行為。
何せ出力デバイスごとのガンマ特性が違う。
もう少し突っ込んで話をすると、機器1台ごとの個体差なども考慮しなくてはいけなかったりするので
カラーマネージメントは、プロの仕事においては必要不可欠な作業なのである。

スクリーンショット 2015-11-08 14.16.24.png

[2]
色の共通化と数値化(OKIデータHP)
http://www.okidata.co.jp/special/tips1/tips04b.html
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デジタル・シネマ・カメラの潮流 〜シネマルックな映像の広がり〜 [動画撮影]

『一眼動画撮影の世界』というタイトルで以前もビデオ業界に起きている新たな潮流に関して触れたことがある。http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2015-10-19

mv_products.png

ここには、いくつかのカギになる言葉がある。
①デジタル化がもたらしたカスケーディング(トッププロの映像技術がアマチュアの映像技術として活用され始める)[2]
②異業種格闘技(静止画カメラによる動画撮影)[1]

そしてもう一つ、
③動画撮影の融和(映画撮影向けカメラ及び技術のテレビ業界への浸透)

(①デジタル化がもたらしたカスケーディング(トッププロの映像技術がアマチュアの映像技術として活用され始める)は、作り手(メーカ)視点であり、これをユーザー視点もしくは市場特性として表現するとキャズム理論でうまく表現できるのではないかと思う。[2])


[1]

異業種競争戦略

異業種競争戦略

  • 作者: 内田 和成
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 単行本



[2]技術及び製品の普及のプロセス。という観点ではキャズム理論。
   メーカーの戦略という観点では、カスケーディングという言葉が適切かもしれない。

キャズム

キャズム

  • 作者: ジェフリー・ムーア
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2002/01/23
  • メディア: 単行本



[3]最新機材がつなげる「ビデオ」と「シネマ」の世界(江夏由洋(著)Digital Gang!)
http://www.pronews.jp/column/20141223110008.html
『大判センサーによるデジタル収録が意味するのは、良くも悪くも「ビデオ」と「シネマ」の融合と言えるだろう。今までは二分されていた動画の世界ではあるが、技術的には完全に重なり合う時代を迎えていることは誰もが感じているはずだ。昔であればテレビと映画では、使うカメラもフォーマットも異なるもので(もちろんしきたりや風習も!)、相容れない仲であった。ところが4Kのフォーマットが明らかになる中、インターレースは当然のように廃止され、発売になる4Kカメラのほとんどがシネマもテレビもターゲットとしている。あの「半沢直樹」でALEXAが使われたように、テレビドラマもデジタルシネマカメラで撮影する時代だ。』

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LOG撮影ってなに?(その17)色空間とは⑥ 光源色の表現方法(その4) 光と知覚の関係 [動画撮影]

前回の記事で「光には色はない。」と述べたが、かのニュートンも「光線には色はない」と言っていたらしい。

人間が色を認識、知覚しているかは、物理・生理・心理などが複雑にからみあっている。とされる。

本来、光は、さまざまな波長をもったエネルギーにすぎない。
色などない。色にかぎらず、明るい、暗い。というのもあくまで人間が知覚している感覚でしかない。

日本では、七色の虹。と言うが、国や時代によってその色の数が異なる。
たとえば、ニュートン以前の英国では、虹は五色で表現されていた。

虹が7色。と決めたのは、またもやニュートンだという。

諸説あるようだが、
当時、7が神聖な数と考えられていたから。

音楽のオクターブもドレミファソラシの7音からなる。

だったら、美しい虹も7色にしよう。という具合に決めたらしい。

日本もその影響をうけて学校教育で虹は7色。としたとのことだ。

そう、虹の色が何色に見えるのかは、科学の問題ではなく、文化の問題である。何色に見えるかではなく、何色と見るかということである。[3]


また、単色光の黄色の光(単波長)をみても、複合光 赤色光+緑色光をみたときにも”黄色”と知覚、認識する。

物理的には全く異なる波長の光だが、目で見て脳が認識する色としては、どちらも黄色になる。


光源の色

眼の表面などでの反射

視細胞で光を受けたときの光化学反応

視神経に伝わった時の感覚刺激値

脳の視覚野につたわった色情報の脳内での分析

そして心理的環境的要因など

が絡み合って、初めてある種の”色”として認識される。

そういう意味では、光は本来どの波長も”無色透明”であり、色という概念はあくまで感覚としての認識にすぎない。ということに帰着するだろう。[1]




ここまで掘り下げて、ようやく色空間ってなにものかイメージできたような気がする。

次回は、LOG撮影をちょっと離れて、タイムラプス撮影や、ハイフレーム撮影など時間軸を操作した特殊撮影に関して考察してみたいと思う。

img73ac84a3zikazj.jpg

image2.jpg

ではでは。

[1]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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  • 作者: 福江 純
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/08/13
  • メディア: 新書




[2]フーリエ変換の本質
http://iphone.moo.jp/app/?p=374

[3]虹(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%B9

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LOG撮影ってなに?(その16)色空間とは⑤ 光源色の表現方法(その3)  [動画撮影]

色空間に関して、回を重ねてきたが4回目にしてようやくイメージがつかめた気がする。

論理的に説明しようとすればするほど、結局、官能的な話に近づく。

良く考えれば当たり前で、人間が活用できるように体系づけているのが自然科学。

光の場合もしかり。


光にはそもそも”色”なんて無い。
各波長ごとに色が違う。というのは、人間にとって波長によって感じ方が違うからに過ぎない。[1]
目から受けた刺激にたいして、脳の中で生理現象として色としての刺激として認識されているのである。

その違いをなぜ感じ取れるか。識別できるか。に関しては、人体の仕組みを理解することを避けることは出来ない。



もう少し突っ込んだ表現をすると、光は明るくも、暗くもない。エネルギーにすぎない。そのエネルギーを網膜で受け2億個もあるとされる桿体細胞(かんたいさいぼう)と700万個ある錐体細胞(すいたいさいぼう)で刺激として受け取る。

桿体細胞は、波長の違いを識別できないかわりに暗いところでも機能するので明暗を感じる。のにたいして、
錐体細胞は、暗いところで役に立たないが、波長の違いを識別できるので色彩を感じ分けることが出来る。

これらの刺激(エネルギー)を脳の中で混合することで色として認識できている。


ちなみに錐体細胞には、
吸収の極大が560nm付近にあって黄緑から赤の光に相当するる波長を主に感じる赤錐体(L錐体)と
吸収の極大が530nm付近で緑から橙の光に相当するる波長を感じる緑錐体(M錐体)、
そして吸収の極大が420nm付近で紫から青の光に相当するる波長を感じる青錐体(S錐体)の三種類がある。


人間の眼では、おもに感度領域の中央(緑色の光)で明るさをとらえ、感度領域の両端(青や赤)で色合いを決めている。というのが通説。

目と視細胞.JPG


しかし、そのような生理学的な特徴や心理的な色彩感覚を反映して、3種類の基本色「3原色(Three primary colors)」が存在する。(というか、物理量と官能とを結び付けている。そもそも光には色はない。色として認識しているのは、人間の脳(感覚)に過ぎない。色として識別するための組織として3種類の錐体が存在する。各々の錐体の反応する波長に違いがあることで波長の違いを識別している。これを脳の中で色という感覚で認識しているわけだ。)[2]


090911kando.jpg


ちなみに、3種類の錐体も、実は赤錐体と緑錐体の吸収曲線は似ている。
元々、同じ細胞だったものが、別れたのだろう。というのが通説。
つまり、人間はあるとことまで2原色(青と赤)だったのが、進化のどこかで3原色になったということらしい。[2]


次回は、色空間とは⑥ 光源色の表現方法(その4)。 光と知覚の関係に関して触れてみたい。

ではでは。




[1]五感覚について・視覚
http://plaza.rakuten.co.jp/satorikagaku/diary/200908130000/
img73ac84a3zikazj.jpg

[2]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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LOG撮影ってなに?(その15)色空間とは④ 光源色の表現方法(その2) [動画撮影]

『光源色の表現』の2回目。

Log撮影の話に限らず、色空間と称してこんなグラフが良くてでくる。

colorspace.gif

分かったようでわからない。少しでも理解を深める努力を今日もしてみたいと思う。

光の色の3原色RGB。
これは、よく耳にする言葉。
このRGBを混ぜて、様々な色が作れる。

このRGBを用いて色を表現しよう。というのが「RGB表色系(RGB color system)」である。
現在使われているのは、国際照明委員会CIE( International Commission of Illumination)が1931年に策定した国際表示法で、CIE-RGB表色系ともいう。[3]


『色を表すためには、基本的には3つの数値が必要だが、光の明るさは可変なので、光の表現をするには最低限、色相と彩度の2つの情報があれば良い。

事実上も、3次元色空間(例えばマンセル色立体)は、表現が難しいが、2次元色平面にしてしまえば取り扱いも容易になる。

ということで具体的によく使われるのは、XYZ表色系において明度を犠牲にし、三次元のXYZ色空間を2次元のXY色平面に落とした『XY色度図(xy color diagram)』である。』[3]

『このxy色度図では、XYZ表色系の3刺激値、X、Y、Zと同じ比率のx:y:z(ただし、x+y+z=1とする)で表す。

このような変換で得られたxの値を横軸に、yの値を縦軸に選んであらゆる色を表したものがxy色度図である。(zは、自動的に決まるので用いない)。

あらゆる色はxy座標の上で、釣鐘状/馬てい形の領域で表現される。』[3]

『色度図の上では、すべての色が表現される。すなわち、図の中央が白色(無彩色)に対応し、周辺に向かうほど色の鮮やかさが増して、色度図周囲の境界で単色光(純色)になる。

この馬蹄形領域の外側の軌跡を『スペクトル軌跡』という。一方、底辺部の直線を赤紫線とか『純紫奇跡』というが、ここは光のスペクトラムには存在しない色である。』[3]

スクリーンショット 2015-11-04 6.52.43.png



 そしてスペクトル軌跡と純紫軌跡に囲まれた領域(色のついている領域)の光の色を『真の色:リアル・カラー』という。この領域が一般的に人の見る事の出来る光の領域となる。

一方でスペクトル軌跡の外側の領域の色を『偽の色:イマジナリー・カラー』という。

また、RGB表色系は、XYZ表色系の部分集合であって、xy色度図の上では、図の三角形の領域に相当する。

従って、RBG表色系ですべての色を表現することは原理的に不可能である。[3]


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうやら、こんなことらしい。

X軸Y軸全領域(白い領域含めて)は、X成分、Y成分、(Z成分)で作られうる色の(論理上)空間。

それに対して、馬蹄形で表されている(色付きで表示される)のは赤R 700.0nm、緑G 546.1nm、青B 435.8nm で合成される人間が知覚できる範囲。

スクリーンショット 2015-11-01 11.36.00.png[4]

また、3次元の情報を2次元で表せているのは、XYZの各量をx%、y%、Z% 合計100%と比率で表現しているのでx%、y%を決めれば、z%は自動的に決まるので2次元表記しながら3次元分の情報を伝えられる。ということ。(例えば、xが30%で、yが60% だとすると、残り10%はz。zはあえて表記しないでも既知なのでXY軸のみで表せる。)

言うなれば、XY表示系は、XYZ表示系。これにより色相H、色彩Cの情報を表記している。

裏を返すと、色相H、色彩Cの情報はあるが、この表記系では、明度Vの情報はカバーされていない。ということになる。これも重要なポイントとなる。(Log撮影に関して、この点を明言せずXY表記のグラフだけを扱っていることが理解の妨げになっているように思うのである。おそらく説明者は、当たり前のように説明を省いているのだろうがこの点まで理解している人は少ないと思った方が良い。)

スクリーンショット 2015-11-04 6.52.57.png[4]

次回は、『光源色の表現』の3回目。

「XY表示系は、XYZ表示系。ただし、色相H、色彩Cの情報はあるが、この表記系では、明度Vの情報はカバーされていない。」 

この点から話しをしてみたいと思う。

ではでは。


[1]Color Management Guide by Amaud Frich
http://www.color-management-guide.com/introduction-color-management.html

[2]Bruce Lindbloom.com
http://www.brucelindbloom.com/

Info > Using the Chromaticity Diagram for Color Gamut Evaluation

スクリーンショット 2015-11-04 8.12.18.png

[3]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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  • 作者: 福江 純
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/08/13
  • メディア: 新書



[4]XYZ表色系 色の表し方 (DIC Color Design, Inc. HP)
http://www.dic-color.com/knowledge/xyz.html
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LOG撮影ってなに?(その14)色空間とは③ 光源色の表現方法(その1) [動画撮影]

話を『光源色の表現』に移そう。
(それにしてもLOG撮影 ひとつを理解するのに色々な知識が必要になってくる。世の中知らないことばかり。今更ながらに日々精進と気づかされる。年取ってもやることある。と嬉しくもなるのであるW)

カメラは、出来事をありのまま記録するもであり、感動を伝えるためのもの。
道具としては、科学技術にカテゴライズされるが、
目的としては、芸術性と相性がいい。

今回のLog撮影に限らず、表現手法(芸術面)の学びだけではなく、自然科学(光学などの物理、数学、生物学)などの知識も要求される。

「説明してもわからないだろうから、深堀しない。」
「文系の人には、数式見せたらもうダメ。だから(半ば盲目的に)避ける。」

というのは明らかに間違い。

説明する側は、より多くの引き出しを持つこと。
そして深く考察できるだけの知識と経験を持つことが肝要。
その上で、説明する相手の興味や技量にあったレベル、
分野の話を適切に行うことが求められるのではないだろうか。

説明する場面が無さそう。説明の必然性が無さそう。だから
必要無い知識、経験だ。としてしまうのは間違いだと思う。

ということで今回も、信念と意志を持って
そこまで掘り下げるのか?! 
という内容にまで触れてみたいと思う。


光の色の3原色RGB。
これは、よく耳にする言葉。
このRGBを混ぜて、様々な色が作れる。

このRGBを用いて色を表現しよう。というのが「RGB表色系(RGB color system)」である。
現在使われているのは、国際照明委員会CIE( International Commission of Illumination)が1931年に策定した国際表示法で、CIE-RGB表色系ともいう。[3]


[背景]ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『色を標準化する話が、20世紀初めころからすでに出ていました。初めは、色の見本を作ってその色を指定していたのですが、色の種類が増えてくると無数に見本を作らなくてはいけないので大変です。最近では、基準となる色を三色定めて、それらの色の混ぜ方で色を決めるという方法が普通に行われています。国際的に定められている基準になる色は次の三つです。』[4]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

基準となる3色は、下記3つ。
それぞれ色は光の波長で厳密に定義されている。

赤R 700.0nm
緑G 546.1nm
青B 435.8nm

波長と色の関係を先ず調べ、その色を実現するためのRGBの配合を調べる。(あくまで刺激値(人間の感度)を基準としているのがポイント。)

それをグラフに表すと下左図 a)のようになり、これを『等色関数(color matching function)』という。

スクリーンショット 2015-11-01 11.36.00.png

だが、各波長において光の色の3原色の刺激値(感度)を測定したもの。つまりRGB表色系はあくまで人間の感覚基準なので、不思議なことが起こる。先ほどのグラフを見てもわかるように表現したい色(波長)によっては、赤Rの配合を負の値にしなくてはならなくなる。(また実際には、感覚的な3原色RGBだけでは表現できない色も存在する[3])

これは、青Bと緑Gの配合だけだと彩度Cが強くなりすぎる色(波長)の領域ができてしまうので赤R成分を引く。という作業でそれを解消することになる。[4]

赤R成分を引く。というのは不自然。そこで、機器による測色や表色や目の波長感度特性などを詳しく調べ(マイナス成分をなくした)たのが上右図 b) の『XYZ表色系(XYZ color system)』である。

現在のXYZ表色系は、国際照明委員会CIEが1931年に策定した国際表示法で、CIE-XYZ表色系とも言われる。[3]

次回は、光源色の表現方法(その2)。いよいよxy色度図に話しを移す。
これこそよく見かけるがよくわからない代物。理解を深めてみたい。

colorspace.gif

ではでは。


[1]Color Management Guide by Amaud Frich
http://www.color-management-guide.com/introduction-color-management.html

[2]Bruce Lindbloom.com
http://www.brucelindbloom.com/

[3]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

  • 作者: 福江 純
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/08/13
  • メディア: 新書



[4]黄色の謎ー色度図を使う (構造色事始HP)
http://blogs.yahoo.co.jp/kozoshoku/45918309.html

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LOG撮影ってなに?(その13)色空間とは② 物体色の表現方法。 [動画撮影]

『国や時代によって、色の呼び名は様々。
 感覚的な表現だけでなく、実用上の観点からもこれでは困る。ということで色を指定・特定する方法が幾つか考案されている。
 
 例えば、光源色の表現方法(例;RGB表現)
     物体色の表現方法 など 』[1]

ここでは、まず『物体色の表現方法』について触れてみたいと思う。

物体色を表現するための『色の属性(color attribute)』として、
 ①色相(hue)
 ②明度 (value)
 ③彩度 (chroma)

の3つがある。

①色相(hue)
色味を表す指標。

赤(R)、黄赤(YR)、黄(Y)、緑黄(GY)、緑(G)、青緑(BG)、青(B)、青紫(PB)、紫(P)、赤紫(RP)を主要色相とする。

さらに各色相は、10段階に細分される。

主要色相及び中間色を円環状に配置したものを『色相環(color circle』と呼ぶ。

20130320-1.png

②明度 (value)(画家用語では、明るさ。である。)
 「明度(value)」は、色の明るさや暗さを表す指標。
 
真っ暗(明度0)から真っ白(明度10)まで11段階で表現する。

(なお、色のない無彩色(achromatic color)の属性は、明度だけである。)

(有彩色の場合)すべての色に明度段階0〜11段階があるわけではない。
0は、黒。だし、明度11は、真っ白(無彩色)である。

スクリーンショット 2015-11-01 10.39.57.png
[6]


③彩度 (chroma)
彩度は、色の鮮やかさ(純度)を表す指標。

無彩色(彩度0あるいはN)から鮮やかになるに従い、彩度が高くなる。

(「彩度」とは、色の鮮やかさの度合いのことを言います。彩度が高いと色が鮮やかに見え、逆に低いと灰色がかり、くすんでいるように見えてきます。) [6]

当初は、10段階にしていたのだが、その後より鮮やかな色が作られるようになって、現在では10より大きな彩度がある。

スクリーンショット 2015-11-01 10.44.01.png

これら明度Vを縦軸に、 彩度Cを横軸にプロットするとこう表現できる。

129.png


色を定量的に表す体系である表色系の1つ。マンセル・カラー・システム (Munsell color system)などは、まさにこの考え方に則ったもの。

munsell-color-system-5.png

明度Vと彩度Cの関係で表した色票を ぐるりと一周(色相分)描けばまさに、色立体になる。

その色立体の代表例がかのマンセル・カラー・システムである。であり、修正マンセル系としてJISでも規定している。[5]

スクリーンショット 2015-11-01 10.20.11.png [4]

色の3つの属性、色相H、明度V、彩度Cに基づいて色を表現する方法を「修正マンセル表示系」という。[1]

修正マンセル表色系では、1つの色をHV/C のように表す。
例えば、5R6/4は、
 色相H 赤(R)の5番目(真ん中の赤)
 明度V 明るさが6段階
 彩度C 彩度(純度)が4
の色である。

次回は、光源色の表現方法に関して触れてみたいと思う。

ではでは。

[1]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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[2] 株式会社K-fix HP
http://www.k-fix.jp/skill/web/page31.html

[3]Here is Yuji-Yuji-Hara's Home page
http://www.asahi-net.or.jp/~ue2y-hr/munsel.html

[4]マンセル色環に準拠した配列(東洋インキHP)
http://www.toyoink1050plus.com/products/sample/color-finder/mansell.php

[5]JIS標準色票(日本色彩研究所)
http://www.jcri.jp/JCRI/seihin/TASYA/jis/jis-std-1.htm
スクリーンショット 2015-11-01 10.32.18.png

[6]色彩について(東京電機大学 理工学部 情報システム HP)
http://www.rd.dendai.ac.jp/~shibuya/lecture/2011/isdc/lesson01.html

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LOG撮影ってなに?(その12)色空間とは① はじめに [動画撮影]

Logで動画撮影をする。という表現の中には、

①広いダイナミックレンジと
②よりフレキシブルな色空間を

得ることで映像表現を得る。という目的がある。

技術的には、
Logガンマカーブ特性(Gamma) と 
扱いやすくより表現能力のある色空間(Color space) を手に入れることでそれを達成しようとするアプローチである。

しかしながら、技術説明の中では「Logガンマカーブ特性(Gamma)」への説明が主で、もう一方の色空間に関しての説明が不足気味に思う。かく言う僕自身も色空間に関しての理解が全く不足している。


diagram-of-chromaticity-and-lab-space.jpg

と同時に、グレーディング作業の際の操作(WheelsやCurveを使って)何をやっているのか。(実際調整しているパラメーターは何なのか。どの部分なのか)を意識できるようになりたい。と思っている。

どう操作すれば、画がどう変わるか。というのは感覚としてつかめているがどういう値を操作しているのか論理的な面でモヤモヤしているのが正直なところ。

これが分かれば、調整のコツや限界などが掴めるように思う。
この機会に理解を深めておこうと思う。

resolve-9-color-wheels.jpg

ではでは。

[1]Color Management Guide by Amaud Frich
http://www.color-management-guide.com/introduction-color-management.html

[2]Bruce Lindbloom.com
http://www.brucelindbloom.com/

[3]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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LOG撮影ってなに?(その11)実践編(LOG記録以外のシネマルック撮影の可能性) [動画撮影]

以前も(LOG撮影ってなに?(その10)実践編(LOG撮影の仕方) http://helpguide.sony.net/di/pp/v1/ja/contents/TP0000847999.html) などで述べたが、Log撮影はフィルムのような広いダイナミックレンジを持ち、これまでのビデオカメラでは不可能だったさらなる表現域への広がりにつながるもの。[1]

だが、魅力的なLog撮影を行うにはこんな条件を満たしている必要もある。

①知識(Literacy)
 LOG撮影に関しての理解(例;ダイナミックレンジと諧調の関係)
 グレーディングに関しての理解・オペレーションに関する知識
 PC環境(ITリテラシー)
 など

②予算(Budget)
 カメラ本体購入予算
 PC環境(ハードおよびソフト購入)
 など

③時間(Time)
 グレーディング作業時間
 撮影セッティング時間
 試し撮りのための予備時間
 など

映画、TVCMなどのようにクリエイティブにこだわりかつ、予算も時間もある。知識、人材も充実している。そんな人たちにLog記録はピッタリだが、みんながそんなビデオグラファーではない。

Log記録の魅力の一つ
『これまでのビデオカメラでは不可能だったさらなる表現域への広がり、シネマライクな画作り』
が目的なら何もLog記録だけが方法でなさそうな気がする。

知識、予算、時間。これらを解決すれば良い。
Post productionが前提のやり方を諦めれば、知識も予算も時間も制約だらけの人たちにもぐっと魅力的になる筈だ。

今までもそう言った製品提案がないわけではなさそうだ。いや以前からも存在する。
各社その機能のポジショニングは、違うが発想としてはあるということ。

・ソニーのシネマトーン(シネマトーンガンマTM・シネマトーンカラーTM)[2]
スクリーンショット 2015-10-25 10.49.49.png

・ソニーのピクチャープロファイル[3]

・キヤノンのシネマモード[4]

スクリーンショット 2015-10-25 10.46.46.png

ターゲットユーザーの正しい設定と刺さるポジショニング(ネーミングやメニューの表示位置など)と機能の工夫、そしてターゲットユーザーへの効果的なアプローチ(マーケティング活動)があれば、一つの解になるのではないだろうか。

ではでは。


[2]映画のような味わい深い表現を「シネマトーン」(ソニーHP)
http://www.sony.jp/handycam/products/HDR-PJ760V/feature_2.html

[3]ピクチャープロファイルとは(ソニーHP)
http://helpguide.sony.net/di/pp/v1/ja/contents/TP0000847978.html

[4]映像の雰囲気をガラリと変える。[シネマルックフィルター](キヤノンHP)





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LOG撮影ってなに?(その10)実践編(LOG撮影の仕方) [動画撮影]

Logは広いダイナミックレンジが得られる一方で、Rec.709などのリニアガンマの映像に比べて大きく不利になる点が1つあります。それは撮影時の見た目が、最終的な仕上がりの見た目と異なる点です。[1]
つまり、撮っている時の見え方と最終作品の見え方が大きく違う。
最終の仕上がり(撮影後のグレーディングを行えばこうなる。こんな風な見え方の映像になるはずだ。と)をイメージしながら撮影することになる。

もう少し突っ込んだ表現をするとこうなる。(Log記録中に)グレーディングしたらこうなる筈、とイメージしていた通りにならない可能性もある。ということ。それを避けるためには、Log記録へのリテラシー(知識・理解)が必要だということである。(『LOG記録ってなに?(その8)まとめ(基礎編)』http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16 で表現したかったことの一つ)

Logで正しく撮影するためには
・ 各社各種Log固有の特性(感度・ダイナミックレンジなど)を把握し、その特徴(Logカーブ特性)にあった撮影設定(露出など)を行うこと。

スクリーンショット 2015-10-25 4.01.26.png
[1]

『ベース感度とは800%のダイナミックレンジを得ることのできる最低感度です。』[1]
なるほど。ベース感度はこうやって決まるのか。(Cf.キヤノンのEOSは、12Stop)

実際の撮影手法としては、頭に撮影時に設定しているLog固有の特性(感度・ダイナミックレンジなど)をイメージしながら”ビューアシスト(簡易LUT)”機能を活用しながらグレーディング後のイメージをシミュレーションすることで出来上がりの簡易イメージを確認しながら撮影作業を行うことになる。

『Logは、フィルムで言うところのネガフィルムに相当するため、それ自体の見た目は非常にコントラストの低い映像になっています。そのため、Logを見た目に近い状態で表示するには、Rec.709などのビデオガンマに近いリニア特性に変換する必要があります。』[2]

簡易LUTを当てると出来上がりに近いコントラスト、色合いで表示できる。また、ゼブラ表示やFalse Color表示などを使うことで基準露出(18%グレーや、ビデオレベル100%もしくは、109%)の確認及びカメラ設定を行うことでより自由度の高いグレーディング作業が可能になる。
(例えば、100%以上をゼブラ表示することで白飛びエリアを事前に確認したり、18%グレー相当のIRE近傍をゼブラ表示設定することでスキントーンを重視した露出設定が可能になる。)


[1]感度とダイナミックレンジの関係(Canon HP)
http://cweb.canon.jp/cinema-eos/special/canon-log/shooting/

[2]現場でのモニター確認(Canon HP)
http://cweb.canon.jp/cinema-eos/special/canon-log/monitoring/index.html

[3]F35・F23 V1.4 主な追加機能のご紹介(Sony Marketing HP/ Hyper Gamma)
http://www.jsc.or.jp/jp/committee/technical/exchange/F35_F23_V1.4.pdf

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