LOG撮影ってなに?(その16)色空間とは⑤ 光源色の表現方法(その3)  [動画撮影]

色空間に関して、回を重ねてきたが4回目にしてようやくイメージがつかめた気がする。

論理的に説明しようとすればするほど、結局、官能的な話に近づく。

良く考えれば当たり前で、人間が活用できるように体系づけているのが自然科学。

光の場合もしかり。


光にはそもそも”色”なんて無い。
各波長ごとに色が違う。というのは、人間にとって波長によって感じ方が違うからに過ぎない。[1]
目から受けた刺激にたいして、脳の中で生理現象として色としての刺激として認識されているのである。

その違いをなぜ感じ取れるか。識別できるか。に関しては、人体の仕組みを理解することを避けることは出来ない。



もう少し突っ込んだ表現をすると、光は明るくも、暗くもない。エネルギーにすぎない。そのエネルギーを網膜で受け2億個もあるとされる桿体細胞(かんたいさいぼう)と700万個ある錐体細胞(すいたいさいぼう)で刺激として受け取る。

桿体細胞は、波長の違いを識別できないかわりに暗いところでも機能するので明暗を感じる。のにたいして、
錐体細胞は、暗いところで役に立たないが、波長の違いを識別できるので色彩を感じ分けることが出来る。

これらの刺激(エネルギー)を脳の中で混合することで色として認識できている。


ちなみに錐体細胞には、
吸収の極大が560nm付近にあって黄緑から赤の光に相当するる波長を主に感じる赤錐体(L錐体)と
吸収の極大が530nm付近で緑から橙の光に相当するる波長を感じる緑錐体(M錐体)、
そして吸収の極大が420nm付近で紫から青の光に相当するる波長を感じる青錐体(S錐体)の三種類がある。


人間の眼では、おもに感度領域の中央(緑色の光)で明るさをとらえ、感度領域の両端(青や赤)で色合いを決めている。というのが通説。

目と視細胞.JPG


しかし、そのような生理学的な特徴や心理的な色彩感覚を反映して、3種類の基本色「3原色(Three primary colors)」が存在する。(というか、物理量と官能とを結び付けている。そもそも光には色はない。色として認識しているのは、人間の脳(感覚)に過ぎない。色として識別するための組織として3種類の錐体が存在する。各々の錐体の反応する波長に違いがあることで波長の違いを識別している。これを脳の中で色という感覚で認識しているわけだ。)[2]


090911kando.jpg


ちなみに、3種類の錐体も、実は赤錐体と緑錐体の吸収曲線は似ている。
元々、同じ細胞だったものが、別れたのだろう。というのが通説。
つまり、人間はあるとことまで2原色(青と赤)だったのが、進化のどこかで3原色になったということらしい。[2]


次回は、色空間とは⑥ 光源色の表現方法(その4)。 光と知覚の関係に関して触れてみたい。

ではでは。




[1]五感覚について・視覚
http://plaza.rakuten.co.jp/satorikagaku/diary/200908130000/
img73ac84a3zikazj.jpg

[2]

カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか? どうして花は彩り生物は光るのか? (サイエンス・アイ新書)

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  • 作者: 福江 純
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  • 発売日: 2008/08/13
  • メディア: 新書



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