話題のHDR(High Dynamic Range)とは? (その2) [動画撮影]

話題のHDR(High Dynamic Range)とは? の続編です。
まだまだ回を重ねることになると思ったので(その2)としました。

テレビが進化し続けている。というお話をしたと思いますが、

①白黒テレビ放送から
②カラーテレビ放送。
③アナログHDTVというものがあったな~。
とおもっていたら

④デジタルHDTVになって
⑤3DTVなるものが出現、
⑥HDTVをもっと高解像度化しちゃえということでHDTVの4倍の高解像度4K TVの出現。
⑦その4K TVのハイフレームレート化ということで4K TV 60p
⑧で、このたびの4K HDRへ。

④〜⑧に関して、もう少し技術的な側面から紹介するとこんな感じです。〔1〕

img_01.png

④デジタルHDTV化
 アナログHDTVで解像度が上がった。(上図の上矢印方向の進化:細かいところまで見えるよう
になった)のをデジタル化(量子化)した。(左上矢印の進化:情報を扱いやすくした)

⑤3DTV
 ちょっと、これは毛色が違うので説明を省略します。

⑥4K
 HDTVの解像度をさらにアップ。(HDTVの4倍の解像度)
 より細かいところまで表示できるようになった。(上矢印の進化)

⑦4K TVのハイフレームレート化 4K TV 60p
 フレームレート、つまり動画における単位時間あたりに処理(録画・表示)させるフレーム数で、これを多くすると滑らかな表示が可能になります。(左上矢印の進化)

⑧4K HDR
 4Kは、変わらず解像度のことで、すでに4K解像度。ここでの進化は、その4K解像度の映像のダイナミックレンジ(”明るさ”と”色”の表現できる範囲)を広げることを盛り込んだ技術です。Wide Dynamic Rangeと言っても良さそうですが、HDR High Dynamic Rangeと呼ぶことにしたようです。

で、4K HDR化することで何が良いか。ユーザー(視聴者)にとって良いのか。という点に触れてみたいと思います。

その前に、テレビの規格と言うのは、初期のTV(CRT;真空管で出来てました)を前提としたものでした。それを元に放送の仕組み(映像信号など)が決められていて、カラー化の技術もHDTV化の技術もそれを遵守、もしくは強く意識したもので進められてきました。たとえ、TVがCRTから液晶化されて表示能力が変わっても、既存のTVとの互換性を重視してきたのです。

それもあって、今までのTV進化には、上図もある”輝度”と”色”に関しては、規格の変更はされてこなかったのです。
(白黒→カラー化はありましたが、カラー化された規格の進化はありません。)

今回のHDRは、CRT時代から大きく進化してきた表示デバイスの能力を十二分に活かそう。その”輝度”と”色”の規格を見直そう。というものです。

もう少し、触れると表示するための装置がTVならば、そこで流すための映像を撮る、作るのがカメラ。カメラ側の進化はすでに進んでいました。TV放送規格に対してあまり得る撮影能力(”輝度”と”色”)で撮影したものをTVの規格範囲内に(カメラ内もしくは、編集で)加工し直して表示していました。

進化したTV、カメラの能力を使って、今までよりも魅力的な映像表現を楽しみましょう。というのがHDR化の狙い。

具体的なユーザーベネフィットとしては、目で見ているような自然な映像が楽しめる。

例えば、今までのTV(Standard TV:SDR)では、肉眼では見えているのに撮影した映像では見えないようなことがあったと思います。
HDRだと、輝度、色の表現が豊かになるおかげで暗いところから明るいところが肉眼で見ているのに近い状態で楽しめるようになります。〔1〕

img_06.png

より具体的、実践的な事例として、日陰(暗いところと)日向(明るいところ)が混在するシーンなどで特に有効です。〔1〕

img_07.png

HDRに関してはもう少し、回を重ねてみたいと思います。

ではでは。

〔1〕What's HDR (Sony HP)より
https://www.sony.jp/products/Professional/c_c/hdr/index01.html
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