大人の数学 ~指数と対数~ そして、ガンマカーブの表記(見え方)について [動画撮影]
■背景紹介
まず、このテーマを取り上げようと思った背景説明から。
デジタルシネマカメラなどで話題になることが多いLog撮影。
撮影時のヒントやカラーグレーディング作業のプロセスの紹介と同時に、より理解を深めていただけるように技術的なことも説明差し上げるようにしています。
でも、ところどころ混乱されているのを見受けたりします。
というか僕も初めて聞いた時は混乱しました。そんな自分の苦労も含めて記事にすることで「あっ、そういうことなんだ」と思っていただける方が一人でもいたらいいな。
という思いと、自分でも備忘録しておかないと時間が経つとまた説明できなくなっていそうなのでここに記事にしておきます。ってのが背景です。
Log撮影(記録)の原理原則を理解していただくことでクリエーターの方々にカメラのポテンシャルを十二分に引き出していただき、さらに表現の幅を持っていただきたい。という思いからLogカーブそのものを紹介、解説するようにしています。
その際に混乱される方が多いポイントの一つ、ガンマカーブの見え方。(グラフ表記)に関してアプローチしてみたいと思います。
■本題はここから↓
分かったような気になっていてもやはり分かってなかった。
そんな経験、無数にしています。
これもその一つ。指数・対数。
試験対策。という本当にそれが真の目的になりえるのか分からないような目的意識で学習していたこともあって
理解が浅く、理解しているどころか忘れているし、ましてや他人さまに説明なんて到底できないレベルの学力・知識に自分自身でも悲しくなってしまう。
「対数」にたいしての今の自分の理解を整理するために、ここで紙面を割いてこの記事を書いています。
何事もたとえ話にすれば、飲み込みやすくなる。
たとえば、その一見つかみどころがない「対数」も、「わり算」になぞらえるとグッと身近に感じる。
わり算って例えば、「8÷2=□」は、2x□=8となる□を見つけること。
反してLog28=□は、2^□=8となる□を見つけることに過ぎない。[1]
つまり、「かけ算」の逆が「わり算」。ならば、
「指数」の逆が「対数」と言えます。 [2]
なるほど。
Y=logaX
X=a^Y
で、片対数グラフに関してもこの際、理解を深めておきたいと思います。
人間の感覚を含めて自然現象の多くは、刺激に対して対数関数的な反応(振る舞い)をすると言われています。[2][3]
フィルムの感光などもそうだと言います。[4]
で、
デジタル・(シネマ)カメラ系の機材には、通常γ=1/2.2相当の設定以外に、Log Gammaが搭載されています。
γ=1/2.2相当つまり、Rec709で規定されているγと、Logガンマなどを単純に並べてかくとこのようになります。
(あくまでシミュレーション、かつイメージ図です。)
ちなみに、Display側のγは、カメラの逆数γ=2.2相当です。
(Logに対して、De-Logと表現することがあるのはこのためです。この辺りに関しての解説はまた後日とさせていただきます。)
反して、横軸を指数表記すると同じデータもこのように見えます。(純粋に横軸をリニア→対数に変えただけで見栄えが大きく違う。実使用上の感覚に近い表現が横軸Logの片対数グラフでのコミュニケーションが多いです。)半ば繰り返しになりますがこれは全て、「自然現象の多くが対数関数的な振る舞いをするから」です。
フィルムの光に対する反応もその一つです。
ここでのポイントは、二つ。
なぜ、片対数グラフで表記するか。
上記2つのグラフは、同じものを違うヨコ軸表記をしているだけで内容は全く同じである。
ということ。この認識がない状態で両方のグラフが混在した説明を聞かされるとそりゃ、混乱しますよね。
というのが本日のテーマでした。
ちなみに、グラフの横軸の表記はエクセルの機能を使えば簡単に試せます。
自分でやってみると実感が持てると思います。
ではでは。
(近日中に 昨今話題のHDRに関しても要点をザックリ解説してみたいと思ってます。)
[1]
[2]五感覚について・視覚
http://plaza.rakuten.co.jp/satorikagaku/diary/200908130000/
[3](追加) スティーブンスの指数則(感覚の生理と心理 【第1回】SFC授業)
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2006_14454/slides/01/index_62.html
[4]Logガンマの起源 (Cineon)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
[5]え〜っ、もう休みは終わり〜い?(時間の経過に対する知覚も対数)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04
まず、このテーマを取り上げようと思った背景説明から。
デジタルシネマカメラなどで話題になることが多いLog撮影。
撮影時のヒントやカラーグレーディング作業のプロセスの紹介と同時に、より理解を深めていただけるように技術的なことも説明差し上げるようにしています。
でも、ところどころ混乱されているのを見受けたりします。
というか僕も初めて聞いた時は混乱しました。そんな自分の苦労も含めて記事にすることで「あっ、そういうことなんだ」と思っていただける方が一人でもいたらいいな。
という思いと、自分でも備忘録しておかないと時間が経つとまた説明できなくなっていそうなのでここに記事にしておきます。ってのが背景です。
Log撮影(記録)の原理原則を理解していただくことでクリエーターの方々にカメラのポテンシャルを十二分に引き出していただき、さらに表現の幅を持っていただきたい。という思いからLogカーブそのものを紹介、解説するようにしています。
その際に混乱される方が多いポイントの一つ、ガンマカーブの見え方。(グラフ表記)に関してアプローチしてみたいと思います。
■本題はここから↓
分かったような気になっていてもやはり分かってなかった。
そんな経験、無数にしています。
これもその一つ。指数・対数。
試験対策。という本当にそれが真の目的になりえるのか分からないような目的意識で学習していたこともあって
理解が浅く、理解しているどころか忘れているし、ましてや他人さまに説明なんて到底できないレベルの学力・知識に自分自身でも悲しくなってしまう。
「対数」にたいしての今の自分の理解を整理するために、ここで紙面を割いてこの記事を書いています。
何事もたとえ話にすれば、飲み込みやすくなる。
たとえば、その一見つかみどころがない「対数」も、「わり算」になぞらえるとグッと身近に感じる。
わり算って例えば、「8÷2=□」は、2x□=8となる□を見つけること。
反してLog28=□は、2^□=8となる□を見つけることに過ぎない。[1]
つまり、「かけ算」の逆が「わり算」。ならば、
「指数」の逆が「対数」と言えます。 [2]
なるほど。
Y=logaX
X=a^Y
で、片対数グラフに関してもこの際、理解を深めておきたいと思います。
人間の感覚を含めて自然現象の多くは、刺激に対して対数関数的な反応(振る舞い)をすると言われています。[2][3]
フィルムの感光などもそうだと言います。[4]
で、
デジタル・(シネマ)カメラ系の機材には、通常γ=1/2.2相当の設定以外に、Log Gammaが搭載されています。
γ=1/2.2相当つまり、Rec709で規定されているγと、Logガンマなどを単純に並べてかくとこのようになります。
(あくまでシミュレーション、かつイメージ図です。)
ちなみに、Display側のγは、カメラの逆数γ=2.2相当です。
(Logに対して、De-Logと表現することがあるのはこのためです。この辺りに関しての解説はまた後日とさせていただきます。)
反して、横軸を指数表記すると同じデータもこのように見えます。(純粋に横軸をリニア→対数に変えただけで見栄えが大きく違う。実使用上の感覚に近い表現が横軸Logの片対数グラフでのコミュニケーションが多いです。)半ば繰り返しになりますがこれは全て、「自然現象の多くが対数関数的な振る舞いをするから」です。
フィルムの光に対する反応もその一つです。
ここでのポイントは、二つ。
なぜ、片対数グラフで表記するか。
上記2つのグラフは、同じものを違うヨコ軸表記をしているだけで内容は全く同じである。
ということ。この認識がない状態で両方のグラフが混在した説明を聞かされるとそりゃ、混乱しますよね。
というのが本日のテーマでした。
ちなみに、グラフの横軸の表記はエクセルの機能を使えば簡単に試せます。
自分でやってみると実感が持てると思います。
ではでは。
(近日中に 昨今話題のHDRに関しても要点をザックリ解説してみたいと思ってます。)
[1]
[2]五感覚について・視覚
http://plaza.rakuten.co.jp/satorikagaku/diary/200908130000/
[3](追加) スティーブンスの指数則(感覚の生理と心理 【第1回】SFC授業)
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2006_14454/slides/01/index_62.html
[4]Logガンマの起源 (Cineon)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
[5]え〜っ、もう休みは終わり〜い?(時間の経過に対する知覚も対数)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04
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