リアルタイム LUT 機材 (FUJIFILM_IS-mini, ATOMOS_SHOGUN) [動画撮影]
ATOMOS SHOGUNは、本体にプリインストールされているLUT以外のオリジナルLUTやメーカーLUTを登録できるだけではなく、そのLUTをあてた映像をSHOGUNで記録できるし、OUTも可能。
単なるビデオ信号記録マシーンどころか、便利な映像モニターであり、リアルタイムLUT機材でもある。
となんど見ても感心するばかり。
?おやおや?
そういえば、FUJIFILMのIS-miniもリアルタイムLUT機だよな。
それもそれに特化した機材。
でも映像制作現場では、大変重宝されているこのSHOGUNとIS-mini。どころか一緒に活用される場面も多い。
ここは特徴をメモしておきたい。と思いこの記事を書き始めた。
【SHOGUNとIS-miniを活用した映像制作フロー(例)】[1]
SHOGUNとIS-miniの使用方法の例示としてあるプロの運用例を書き出してみた。
①プリ・プロダクション
②プロダクション
③ポスト・プロダクション
この事例では、
SHOGUNは、
LUTのOn/Off状態での映像のチェック(カメラマン)と LUT Off状態でのLog収録(ProRes記録)を担っている。
かたや、IS-miniでは、
撮影(②プロダクション)時にリアルタイムでLUTをあててLUT Onの信号で収録するのに活用されている。
(今回の事例では、ProResでAJAのKi Proで記録している。)
【IS-mini、IS-mini Managerの特徴】
上記いずれの場合も①プリ・プロダクション(ロケハン)の際に作品のルックにあわせてLUTを作っておいたオリジナルLUTを使っている。このLUTを作る際には、理想的には実際の撮影の際に使うカメラで撮影したものをつかいたい。
というのも、同じメーカーのカメラかつLogカーブでも色の特性が異なるからだ。つまり、同じメーカーでも使用しているイメージセンサーが同じだとは限らない。LUTをあてる。という行為は、De-Logすることとほぼ同意義。(多少乱暴だが、あえてこう表現しておく。Log収録した信号をRAWのようにセンサーから出る信号に近いもの。素直な信号にもどすようなものだからだ)
実際、IS-Managerに登録されているLUTを見ると、(FUJIFILM製の)メーカーLUTはメーカー別のLOG基準ではなく、各カメラ別のLUTを指定できる仕様にしてある。
そもそも、複数のカメラを使いながら作品作りをする場合(同じメーカーのカメラであっても、同じLOGをつかっても)カラーマネージメントに苦労する。それを解消するために作られたのがIS-miniであったり、それを制御するソフトIS-Managerだったりするのである。
IS-miniは、SHOGUNのように多機能ではないが、本体の作りも含めてシンプル。
堅牢性、操作性の面での信頼性、安定性を求める現場では、IS-miniの製品性も喜ばれる。
それに加えて、いやそれ以上に大切なのは、IS-Managerに登録してあるカメラ毎のLUT。
理論値のLUTではなく、FUJIFILMが実測してLog特性をカメラ毎に解析した結果をLUTとして登録してある事が現場で喜ばれる理由らしい。
ということで、
多機能性(便利で直感的に使いやすいモニター、ProRes対応記録、ユーザーLUTの登録、On LUTでのLookの確認、記録、出力)が魅力のATOMOS SHOGUN
【結論】
カラーグレーディング、カラーマネージメントに特化したていることが魅力のIS-mini&IS-mini Manager.
Log収録をするユーザーにとっては、どちらも大変有効な機材でどちらもありがたい製品であることは間違いないようだ。
ではでは。
[1]
4K 映像制作ワークフロー (玄光社MOOK Digital Cinema Camera serie)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 玄光社
- 発売日: 2015/11/16
- メディア: ムック
[2]IS-mini 取扱説明書
http://fujifilm.jp/support/broadcastcinema/download/pack/pdf/is-mini_manual_User.pdf
(下記、取扱説明書から抜粋した文章)
IS-miniには以下の3つの大きな特徴があります。
①撮影現場において、Logカメラの映像信号を画像変換して、正確な最終仕上がりをビューイングが
できます。
②モニタキャリブレーション機能により、モニタの誤差を補正することで正確な⾊再現を⾏い、
異なるモニタのマッチングができます。さらに、この機能は特徴①と組み合わせて使⽤可能です。
Logカメラのビューイングを正しい⾊再現のモニタで⾏うことによりさらにビューイングの精度を
向上できます。
③「Image Processing System IS-100」とネットワーク接続することにより、IS-100と連動して
操作できます。IS-100と同様にiPadを使⽤した簡単な操作で、機種の異なるカメラ、機種の
異なるモニタを使⽤しても正確にビューイングすることができ、⼤規模な撮影でも対応することが
可能です。
[3][ゴルディアスの結び目-Gordian Knot-]Vol.23 シネマカメラ設計開発の未来を育む、ソニー社内の撮影現場体験セミナー(石川幸宏さん。PRONEWS) http://www.pronews.jp/column/20160405160005.html
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