商売の本質 『善次郎・房子の接客の四か条』 ~銀行王・安田善次郎~ [書籍・雑誌]

日本における旧財閥系グループといって思い浮かぶのは、三菱、三井、住友など。

これらの名前を冠した企業も実際多いコトもあって先さきに思い浮かぶ。

それらのグループの中核には、かならず金融機関が存在する。




実際、金融機関を有していなかったゆえに姿を消した大企業、鈴木商店などもあったという。
(当時、鈴木商店の取扱額は三菱商事を凌駕していたというから驚き)

やはりビジネスにおいては、大小にかかわらず商流が鍵になるのは今も昔も同じのようである。

数あるグループにおいて、もっとも潤沢な資金源をもっていたと言われるのが安田銀行(現在は、みずほ銀行)。

その安田銀行、財閥を一台で築いたのが安田善次郎。
(曾孫の一人がオノヨーコさん。というのもスゴイ。また、我々の世代で絶大なる人気のあった漫画 俺の空の主人公の名前が安田一平だったというのも、安田財閥を意識したものだと思っている。というのも北陸でのエピソードも登場していたからである。ちなみに、安田善次郎は、富山の生まれ。)

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安田善次郎と妻・房子の「接客の四か条」を書籍から見つけた。
ここに彼らの商売の秘訣が込められているように思う。

『接客の四か条

1.お客の言うまま、店先に無いものは早く探してあげる。

2.選ぶときは最も良い品から取ってあげる。
  決して悪い品は混ぜない。

3.包み物は、よく堅くしばってあげる。*2

4.から世辞ではなく、こころからお礼を言う。』 [1]


*1
スーパーマーケットなどで青果物をかうと決まってパック売りされているが、
その中に、それも見え辛いところに傷んだものが混ざっていることがある。
隠そうとして見え辛いところに入れている。とは思いたくないが、そういうものが
入っていた時のガッカリ感はとてつもなく大きい。騙された。もしくは、やられた。。。

安田善次郎は、それどころか一番いいものからお客様に提供することを徹底していたそうだ。


*2
安田善次郎の当時の商売は、両替商。
彼らが提供する付加価値は、”包む”(帯封)こと。

今もそうだが、一万円を100枚束ねて銀行名の入った帯で束ねる。
束ねてあるお札は、100万円として数え直すことなく信用して扱われる。
両替商の包みは、信用。という付加価値だったと言える。

安田屋善次郎包は、決して間違いがない!との信用を勝ち得ていたそうだ。[1]

『安田○○』という名前の企業が少ないのは、安田善次郎が『陰徳を積む』ことに徹していたからだと言われている。善次郎は、ケチ。というのが表向きの評判。このイメージを嫌ったあらわれだといわれている。

たしかに質素倹約に徹底していたのは間違いないが、活きたお金の遣い方をいつも考えていた。実行していた人らしい。

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かの安田講堂も安田善次郎が存命の間は、善次郎が寄付したことは伏せられていたそうだ。(日比谷公会堂、千代田区立麹町中学校校地は善次郎の寄贈によるものらしい。すべて生前は伏せられていた。)

なによりもスゴイのは、京浜工業地帯。善次郎が出資しなければ、東京から横浜にかけて広がる埋め立て工業地帯は、存在しなかった。国家予算の8分の1を稼ぎ、国家レベルの投資をした男。と言われる所以はそこにある。(どの財閥よりも潤沢な資金源を有していたといわれている。)

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自分が小さい人間だけに、田中角栄といい、安田善次郎といい。大きい人間にしびれてしまいます。

ではでは。

[1]

銀行王 安田善次郎: 陰徳を積む (新潮文庫)

銀行王 安田善次郎: 陰徳を積む (新潮文庫)

  • 作者: 北 康利
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/27
  • メディア: 文庫



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