一年生から六年生までののび太。ドラえもん。読み手によって作風を変えていた。(読者学年によって、話のテーマ、レベルも変えていた) [書籍・雑誌]

これまた、『藤子・F・不二雄の発想術』を読みながら、知ったこと気付いたことである。藤子不二雄という漫画家は、2人の漫画家のペンネームでデビューしてからかなりの間、世間ではその事実が認識されていなかったことは今更言うまでもないくらいに有名になった。
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同じような話が写真家にもある。ロバート・キャパがそれである。そのロバート・キャパは、フリードマン・エンドレ・エルネーとゲルダ・タローの2人だったとされている。まあ、これも最近ロバート・キャパ写真展が開催されたり、テレビで改めてロバート・キャパが取り上げられているので世間でもかなり衆知されている。
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てっきりそう思っていた、とか勝手に思い込まれていたなんて話は色々ある。まあ、藤子不二雄さんやロバートキャパが一人の人間だと思っていたなんてことは、何も知らされなかったらそんな疑いすら持つ事もないだろう。それににた話をまた藤子・F・不二雄さん関連の話として知った。

『実は、『ドラえもん』は、小学館の学年誌に連載していたため、小学一年生から六年生までののび太太が存在したのです。単行本にまとめるときには、低学年向けのものは収録しないようにしてありますが、実際の読者の皆さんにとっては、自分の年齢と同じのび太を体験していることになります。』(1983年 「女性セブン」12月2日号 小学館)[1]
ということは、同時進行でドラえもんを何本も書いていたということになる。また、読者学年によって、話のテーマ、レベルも変えていたということらしい。例えば、低学年向けには分かり易い話、高学年向けには恋愛や社会問題などの話というように話を作っていたという。

ドラえもんは、児童まんがであるが大人が観ても楽しめる。もちろん楽しみ方は違うのだろう。何れにしても読者自身が自分を登場人物に投影させたり、自分の今、過去を想起させたり懐かしみながら楽しんでいると思う。掲載雑誌の性格上1年生から6年生向けすべてに掲載していたという必然性も手伝い、より多くの人の共感を得易くなって居たのかもしれない。
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何事も支持されるには、共感を憶えてもらえるか。が大切なことになってくる。マンガ、ドラマ、小説等の場合は、その登場人物にどれだけ共感出来るかが大きなポイントになっているだろう。ただ登場人物は、架空の存在であることが多い。その架空の存在のキャラクターにいかなる個性・特徴をもたせるのか。行動・発言パターンの類型化。その類型化も”いそう。あるある!”と読者らに思ってもらえることが大切になる。
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ドラえもんでいうと、「ジャイアンとスネ夫はいじめっ子」の類型。この枠は設定上外せない。だが、ジャイアンとスネ夫がいつもいつものび太をいじめている。というパターンが固定化されてしまうと面白くない。ときには、「こいつが?」と思わせる意外な一面をポロリと見せることがキャラクターに人間性、リアリティを持たせるには重要な事。[1]我々の日常もパターン化と意外性がいつも共存しているからだ。

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藤子・F・不二雄さんも「キャラクターの独り歩き」に関して触れられている。「作者が創り上げたキャラクターであっても、それは必ずしも100%作者の意志によって動く事はなく、あたかも自分の意志で行動するかのような部分が出てくる。独り歩きしたときに、初めてキャラクターは生命をもったといえるのだ。という人もいる。」と。

一話完結型のマンガがヒットするには、必須条件だろう。キャラクターの独り歩き。原作者が居なくなっても継続して作品が産まれ続けられるのも底に理由があるに違いない。サザエさん、クレヨンしんちゃん、もちろん、ドラえもんも。もちろん、そのキャラクターが受け入れられ続けるためには、その時代時代にあうように多少の変化をして行く必要もあるのだろう。キャラクターの本筋は変えずにアジャストをしていく。そんな工夫も必要そうだ。

キャラクターの独り歩きがあり、そのキャラクターが普遍的に魅力があることで長寿番組になっているアニメは幾つかあるが、ドラえもんはその条件を満たしつつユニークな点がもう一つある。それは、一話完結でありながら、全体を流れるテーマ、物語性である。それが読者による”ドラえもんの最終回”という形で話題に上り続けるのだろう。

ではでは。

【郷土自慢:富山県高岡市・氷見市】
藤子・F・不二雄さんは、高岡市生まれ高岡市育ち。 藤子不二雄Aさんは、氷見市生まれ高岡市生まれ。故郷の高岡市、氷見市には様々な藤子不二雄ワールドが用意されている。「まんが道」の舞台はもちろん高岡。[2]

高岡と射水市を結ぶ万葉線
http://www.manyosen.co.jp/
ドラえもんトラムは、2015年8月までの期間限定!いまがチャンス。
http://www.manyosen.co.jp/news/img/doratora.pdf
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写真)万葉線(路面電車)




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写真)銅像「ドラえもんの散歩道」 (高岡駅北側 ウィング・ウィング高岡)
  
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写真)おとぎの森公園 高岡市佐野

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写真)(ジャポニカ学習帳で有名な)ショウワノート 高岡本社

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写真)城端線



[1]

藤子・F・不二雄の発想術 (小学館新書)

藤子・F・不二雄の発想術 (小学館新書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/02/03
  • メディア: 単行本



[2]

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

  • 作者: 藤子 不二雄A
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫



[3]

キャパの十字架

キャパの十字架

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/02/17
  • メディア: 単行本



[4]涙が止まらない…ファンが描いたドラえもんの『感動の最終回』が素晴らしすぎる!
http://buzznews.asia/?p=33424

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