マーケットの作為的創造はどこまで可能なのか?(Fashion界)『Met Gala』 [テレビ・ラジオ]

流行ってどうやって出来るのだろうか。ある程度火がついたトレンドに対して拍車をかける。というのはある程度恣意的なアプローチが出来そうに思う。しかし、どのような流行を作るか。等というのは可能なのだろうか。

数々のプロデュース、企画を成功させてきた秋元康さんは、恣意的に流行を作るというよりも自分が好きな物を応援する。そこに火が着くように仕組みをも持ち込む。ぐらいのことを大胆にやって退けている。ギリギリかも?と思うこともやってのける。ただ、それを一人でやりきることは難しい。

まず自分が好きになり、応援したくなる。そして、その身近な周りの人たちが巻き込まれて行く。そしてまたその人たちの周りの人たちに連鎖していく。それが起き始めたときは、まるでドミノ倒しが起きているかのような感覚を感じ取る事ができる。と書いていたように記憶している。

その自分が好き。応援したくなる。という自分の感性を大事にしている。という話を違う表現で彼はこうも言っている。『マーケティングは一切していない。彼流のマーケティングとは、ユーザー調査をしない。ということらしくマーケティング(調査)しないというその1点に於いては、彼の発言は正しい。調査をしなくては行けないのは、その担当者、企業にセンスが無い。自信がないからだ。』というのが持論。[1][2]

また、そのブームの火種となるネタは、自分の中にあるということをこういう表現で言い表している。[1][3]

『~企画のヒントは、「記憶」の延長線上に~
「火のないところに煙は立たない。無から有は生まれないし、素材がなければ料理も出来ない。企画も同じだ。料理のために食材を集めるように、または企画のための材料やデータを集めなければならない。その材料やデータの出発点はなにかと言えば記憶である。」

「発想や企画のヒントは、日常の中に転がっていて、それを「記憶」するところから始まる。
発想や企画というと、白紙の状態からウンウン唸るような感じがするが、じつはそうではなくて自分が面白いと思ったことを思い出す。あるいは、「記憶」に引っ掛かっていたことを拾い上げるという行為なのである。」』

何れにしても、彼の場合は流行を作る。という能力があると言えそうだ。ただ、それを誰かが真似るこことが出来るというモノでもなさそうだ。

 ファッション界は、どうなんだろうか。毎年『今年の流行色』というのがあり事前に発表される。っきっと、ほぼそれに沿ったファッションが翌年にはマーケットを賑わせる。という図式がある。事実、インターカラー(International Study Commission for Colorの略で、日本語では国際流行色委員会)といって、1963年に創設された機関が会議を開いて話し合います。2年前に流行色を決めて日本流行色協会(通称JAFCA(ジャフカ))が国内流行色を1年半前に発表している。

インターカラーの指針に加えて「現在のライフスタイル」そして「色彩調査」という2本軸を加えることによって3つの柱からなる流行色を世の中に発信していくそうです。

12ヶ月前には国内メーカーがトレンドを元に商品化、6ヶ月前には展示会などが開催される

12ヶ月前~6ヶ月前
国内の合繊・紡績メーカーが
日本のマーケットを意識して分析したファッショントレンドブックを発表。

6ヶ月前~実シーズン
世界各地でコレクションやアパレル展示会が開かれ、
マスコミによって消費者にもファッション情報が作品になって伝達される。
一般向け雑誌も季節の流行色を取り上げる。
流行色を取り入れた商品が店頭に並ぶ。

流行色 予報はマスコミが深く関わるからです。マスコミを通して、テレビや 雑誌で盛んに宣伝され、デザイナーやブランドも流行色を採り入れ、デパートや ブティックなどでは流行色の服で固められます。
[以上すべて[4]]

ちなみに、あらゆる分野へのトレンドカラーの提案を行うことで、商品開発の指針を与えるとともに、生活者の豊かな色彩生活の実現のための活動を行う。というのがJAFCAの設立意図とのこと。[5]

流通や、はやりの傾向を流布するプロセスを考えて2年前に流行色を考え、1年半前に国毎に発表。流行の先取りというのは、機能しないようでタイムリーであることが大事だとのこと。来年はやるから自分だけその色を着る。というのはファッションの場合、ちがうようだ。ちょっとだけ皆より早めに今年の流行色を自分のファッショに取り入れる。というのが『おしゃれ番長』なのだろう。

で、その流行情報を拡散していくうえで鍵を握るのがマスコミ。マスコミは、芸能人、有名人を使うことになる。たんに流行色です。と発表しても消費者のこころは全く動かない。動く筈も無い。
典型的なのが、雑誌社や有名ブランドが開くパーティ、ハリウッド映画際などでのレッドカーペット。そいう場所での招待客のファッションが流行に大きくインパクトを与えているのは想像にかたくない。もちろんパリコレなどのファッションショウも其の類いなのだろう。

そのレッドカーペットの象徴がVOGUE編集長アナ・ウィンターが主催する『Met Gala』(
メットガラ)だそうだ。
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このMet Galaに参加するためには、単に有名芸能人というだけではダメ。主催者のアナ・ウィンターさんの招待状が不可欠とのこと。そんな力を持った個人が存在するとは驚きだ。

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これは、ファッションの震源地が実は存在する。ということを示唆しているように思う。

ファッション、音楽等の場合は、機能価値の部分よりも感性価値がその商品の価値の大半を占める。そういう商品だからこそ、トレンドは作れるし、流行はつくるものだという意志が強いのかもしれない。


これをAV-ITに置き換えると。。。。流行を意図的に作る。というのとは違うかも知れないが、自分のもつビジョンと商品を結びつけて市場を創造している人たちも確かにいる。その際も、なぜだかその震源地なる人たちの顔が目に浮かぶ。(盛田昭夫さん、Steve Jobsさんなど。だれがそれをやったの?が見える。個人が流行をつくり出しているように見えるところがここでのポイント。決して集団ではない。集団的思考では、流行は作れない。ということなのか。それとも流行には象徴的な人物の存在が欠かせないのか。)

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ん〜ん、やはり流行は意図的に作れるもの。作る物と思えて来た。

ではでは。




[1]

企画脳 (PHP文庫)

企画脳 (PHP文庫)

  • 作者: 秋元 康
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/05/02
  • メディア: 文庫



[2]マーケティング脳に、企画脳。いい言葉ですね。(よもやま話)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18

[3]多彩な才能の持ち主。 糸井重里(よもやま話)
http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2011-04-18

[4]今年の流行色が決定! ていうかそもそも流行色って誰が決めてるの?
http://matome.naver.jp/odai/2138961216311990001

[5]ウィキペディア

[6]http://mery.jp/25680
“ファッション界のアカデミー賞” と称される【 MET Gala 】とは、Vogueの編集長アナ・ウィンターが取り仕切るファッションイベントである。MET Gala はメトロポリタン・コステューム・インスティテュ—ト・ガラ (メトロポリタン美術館コステューム協会の祭典)の略で、その協会(研究所)の資金集め、また、同研究所のファッション展示のオープニングのお祝いとして開かれるイベントです♡



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