キーワードは、「謙虚である。感謝し続ける」ことだと思う。 [書籍・雑誌]

(ブランディング関連の記事の続編は、後日にまわすことにして今日は多少違ったテーマで書いてみたいと思う)

 一つの事を掘り下げて行くと、その事をずっとずっと掘り下げている人の存在に気付く。その人の書いた書籍や、講演会などを活用しながらその人が突き詰めていることを調べていくと、その仲間の存在を知る事になる。ただ、少しずつ僕自身の理解も深まると同時に興味の対象も変化していくことになる。もちろん大きく興味が逸れて行く訳ではなく、元々興味をもっていたテーマの周りを周り巡るかのように興味の対象を変えながら自分自身の思いを巡らせ続けることになる。という表現が正しいかもしれない。
 企業活動の肝は、組織をいかに効率的に動かせるか。だと僕も思っている。一人では出来ない実現できないことを組織という集団で実現していく。それも、効率よく行える、行うことが組織の存在理由だろう。
 反面、集団、組織というものは、メンバー各々が持つベクトルがバラバラだと組織で動くこと自体無意味どころか生産性を失うことになる。(ベクトルの向きが(意志・意識・方向性)だとして、その大きさが各自の能力もしくは、気持ちの強さ。そんなイメージで捉えている。)
 ただ、皆が同じ方向を向いていれば良いというものでもなさそうである。というのが今まで僕自身が経験してきて得た理解。決まったルーチンワークをこなすオペレーション業務であれば、皆が同じ向きを向いていること、乱れる事無くビッシリ同じ方向を向いていることが最良に思うが、新しい何かを生み出すイノベーションを是とする組織の場合は、不揃いかつ大小入り乱れたベクトルで構成された組織であることが求められる。
 企業である限り、いつ生まれるか分からないイノベーションにだけ走ることは出来ない。また、既存のビジネスだけに頼り切るオペレーションだけでも将来が無い。イノベーションとオペレーションの構成比を意志*をもって決め、意識しながら企業活動を続けることが大事である。というのが僕の理解であり、一般論でもある。
(*企業の成長のステージに合わせて、その比率を見直す必要がある。また、企業理念などと照らし合わせてその構成比を決定する必要がある。時間軸が長く、一人の経営者がそれを管理する、意志入れし続けることは出来ない。企業文化として、後継者育成などあらゆる面での長期的な構想を持たなくてはならない。それが継続企業を作る難しさ。この難しさを解消するためのアプローチも一つでは無いようだ。また、一企業がアプローチすべきコトは、多岐にわたるのも事実のようである。)

 イノベーティブな企業がイノベーティブであり続けるためには。というテーマで考えることが多い。その中でいま大変興味を強く持っているのが『フロー』という概念。
 この概念との出会いは、ビジネススクールの「マーケティングと脳科学(枝川羲邦さん)」だった。興味を持って聴いていたが、まだまだ僕自身受け身だったようで理解が深まっていなかった(勿論、まだまだ探求中のテーマでいつまでも十分に深まらないかもしれない。)

 フローは、心理学の領域の話。ということもあって皆が分かり易い科学的なアプローチで説明しつくすことが難しい。この場合Aだから結果は、Bになる。という1対1の因果関係でひも解くことが難しいからである。
 理解を深めるために手にとる書物などもどうしても広がっていく。
元々の目的であったこともあって、始めに手にしたのが天外 伺朗さんの著書[2][3]、そしてフローの提唱者チクセントミハイさん[4]、辻秀一さん(スポーツドクター)[4]、桜井章一さん(伝説の雀士)[5]、桑田真澄さん(元プロ野球選手。現在は東京大学大学院生)[6]、そして今は、甲野善紀さん(武術研究者)関連の本を手にしている。[1]一見脈略が無いようで、僕のなかでは繋がりが出来ている。もちろん、それ以外の方にも興味が湧き自分なりに調べたりしている。(例えば、安田善次郎さん、イチローさん、羽生名人、税所篤快さん[7]など)直接本人の著書に触れているものを列挙するとこうなる。という話である。

 前段からすると相当の飛躍があるのは認めながらもいま自分の中で考えを巡らせているのが
 ひとつのキーワードが「謙虚である。感謝し続ける。」ことがフローの状況をつくり出し、高いパフォーマンスを常に出し続ける。企業でいうところのサステイナブルな企業であり続ける秘訣。だという主張。全く持ってその通りだと思う。それを誰しも納得。と思ってもらえるような話を集めている。意外に以前読んだ、聴いた話が関係していたりする。ちょっと離れていたテーマにまた近づく。これも面白い。

その中のひとつがこの甲野善紀さんの言葉。これは名越康文さんとの対談(形式の本)の中での甲野さんの発言部分の抜粋である。[1]

 『お金にせよ、スポーツ選手の名誉や記録にせよ、やはりその人が「得たい」と強く思っていたものを実際に得手しまうと、なぜか人生の税金がかかってくるものです。
 人生の税金で、一番典型的なのは家族に災害が降り掛かる事です。どもう、妙にややこしい病気になったり、事故に遭ったりする。これは私も一時期随分調べたから言えるのですが、どのジャンルでも成功した人は本当にそういう人生の税金を払っている感じがありますね。私が自分で気付いた技は一切隠さずに世間に公表しているのも、実はこの、人生の税金対策の一つなんですよ。
 だから、タイガーウッズやイチローといった超一流の選手で、富も名誉も入って来ているひとはコレからが大変だと思いますよ。一番いい方法は、まあ自分の財産の半分以上をどこかに寄付してしまう事でしょう。無記名なら一層いいでしょうね。
 昔からずっと続いている豪商や庄屋は、ある程度の財産がたまると蔵開きをしたり田畑を人にあげたり神社に寄進したりして、財産があまりたまり過ぎないように調整していたようです。そういうことをしていると、何代も何代も商売が続くのですが、一代で成り上がった成金なんかは財産を抱え込んでしまう。そうすると二代目か、三代目くらいに放蕩息子が出て全部使い切ってしまう。
 また、生贄を差し出すというわけではありませんが、子供を出家させるのも人生の税金対策の一つの方法でした。あるいは俗業に就かせない。ひたすら風雅の道を追い求めさせて、生産的なことは一切しない。
 お金や権力が手に入っても、自分の姿勢を崩さずにますます自分を磨いていけるかどうか。環境が変わっても変わらないでいられるか。これは難しいことですよ。
 自分の中にブレーキ的要素を持ちつつ、バランスも取るというのは、とても難しい。』[1]

[1]甲野善紀・名越康文(共著)『薄氷の踏み方〜時代に塗り込められないために』(2008年PHP研究所)

薄氷の踏み方

薄氷の踏み方

  • 作者: 甲野 善紀 名越 康文
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/11/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


[2]

非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2

非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2

  • 作者: 天外 伺朗
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: 単行本


[3]

マネジメント革命 -「燃える集団」をつくる日本式「徳」の経営 (講談社プラスアルファ文庫)

マネジメント革命 -「燃える集団」をつくる日本式「徳」の経営 (講談社プラスアルファ文庫)

  • 作者: 天外 伺朗
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫


[4]

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

  • 作者: M. チクセントミハイ
  • 出版社/メーカー: 世界思想社
  • 発売日: 1996/08
  • メディア: 単行本



[5]

強さの奥義―雀鬼流・人生道場

強さの奥義―雀鬼流・人生道場

  • 作者: 桜井 章一
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 単行本



[6]

心の野球―超効率的努力のススメ

心の野球―超効率的努力のススメ

  • 作者: 桑田 真澄
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 単行本


[7]

「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう

「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう

  • 作者: 税所篤快
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2013/06/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


[8]


記憶のスイッチ、はいってますか ~気ままな脳の生存戦略 (tanQブックス)

記憶のスイッチ、はいってますか ~気ままな脳の生存戦略 (tanQブックス)

  • 作者: 枝川 義邦
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。