ベンチャー企業ならずとも、挑戦するたちばの企業であれば、ここから多くを学べる筈。「オニツカ式キリモミ商法」で市場の一点に集中し、「頂上作戦」でトップ層の消費者に訴えかける。情熱を持ちながら、忍耐強く続けること。 [テレビ・ラジオ]

先日、出張先からもどって録画してあったTV番組”カンブリア宮殿”を観た。(ここ2ヶ月ほとんど出張で家に居なかったこともありこの期間にたんまり録画だけして観ていない状態。モノを溜め込むのを嫌がる妻から”本当に観るの?観ないなら消して!”とせかされて、とにかく1番組だけでも観てこの嫌みから逃れたい。の一心で観た。また今日から1ヶ月の海外出張のため、カンブリア宮殿、ガイアの夜明けなどが撮りだめされることになる。たしかにいつ観るのだろうか。。。。そういう背景だが、たまたま選んだ放送回がアシックスだったことは、自分にとってタイムリーだった。やはり何事にも偶然にみえて、必然性が伴うのかもしれない。)

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アシックスといえば、鬼塚喜八郎(1918-2007)さんが起こしたスポーツシューズブランド オニツカが起源。戦後間もない頃に非行に向かう少年たちを見かけて、健全な生活をするように向かわせたい。「スポーツを通して健康な社会をつくる」と神戸で創業した企業。今や年商2602億円、日本一のスポーツメーカー。[1]

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ちなみに、世界を見渡すと売上げ規模では、ナイキ、アディダスがダントツ。売上げ規模では、2兆円、1.5兆円規模でアシックスの2600億円、(ぼくが愛する)ミズノの1600億円はかなり見劣りするのも事実ではある。そういう意味でいまだに挑戦者、ベンチャー精神が息づき易い環境にあるのも確かである。

鬼塚さんのこの言葉に企業としての「Mission」の大切さを学び取る事が出来る。なぜMissionを明確にするのが大事なのか。これが明確でないと、そしてその組織の人間たちが理解していないとダメだということが分かる。

鬼塚:ベンチャーベンチャーって言うけど、ただの金儲けのベンチャーじゃダメ。自分が起こすベンチャーによって、社会がどんな恩恵を受けるのか。それが非常に大事。間違った考え方では必ず失敗する。人が協力しなくなる。人も助けてくれなくなる。目標を正しい方向に定めて、自分の全知全能を使い、多くの人を幸せにする道を選ぶことです。利己主義では、絶対にダメです。それとベンチャーは、ひと真似は絶対にしてはいけない。自分の独特の技を極めるべきです。また大企業がやらない分野を、ベンチャーがやる。大企業は、市場の中で網の目のごとくシェアを広げている。しかし、そんな網の目の中にも、必ず隙間があるんです。その隙間をベンチャーが狙っていく。これを隙間商法と言うんです。[2]

先に挙げた、スポーツ業界のNo.1ブランドといえば、ナイキ。だが、ナイキの起源は、アシックスの販売代理店だったということはあまり知られていない。(知っている人も多いけどね。)そのナイキが大成功したのは、アシックスのやり方を徹底的に学び、昇華させたからだということも知られていない。優れた製品、それを作るためそしてアピールしていくためにやったこと。鬼塚さんもナイキの創業者フィル・ナイト[3]のことを「もっとも優秀な弟子」だと評していたことからも分かる。

「オニツカ式キリモミ商法」
市場の中のある一点に集中して、掘り下げていく。ただ一つだけでいい。その一点に集中して、その消費者に合う商品を開発していくんです。あれもこれもでは、大企業には勝てない。バスケットシューズだったら、バスケットシューズだけ。そこに一点集中する。

リソースが限られているからそうせざるを得ない。という発想以外にも、ユーザーの立場からみてもなにかに特化して優れている。というのは魅力、説得性を持ち易い。このスポーツなら、この分野ならこのブランドが良い。というのは、総花的な総合ブランドからは感じない魅力でもある。

「頂上作戦」
ある商品を開発するときに、まず消費者のトップ層をターゲットにすること。例えば、バスケットシューズを開発するなら、バスケットのトップレベルの選手のニーズを徹底して調査する。とことんニーズを汲み取って、技術を開発し、商品化する。
 そうすると、そのトップ層の選手の動向を気にしている第二層、つまりイノベーター層が真似をして、その商品を買うようになる。今度はその下の中間層も、それに追随する。そうやって、その商品は市場に浸透するんです。[2]
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キャズム理論は、イノベーターから始まるが、その手前に”頂上”が存在する。というのが鬼塚さんの理論にはある。なるほど。頂上にあたる人は、イノベータのなかの一握りと考えても良いのかもしれない。プロフェッショナルは、ブランドへの拘りよりは、勝つための道具、武器だと思えれば何でも使ってくれる。というのが僕の理解。その人が勝てるために作り上げることで支持してもらえる。そして他のプロ、トッププレーヤーにも広がって行く。プロにもいろいろ居るのは確かであるが、その多くのプロを観てどう研ぎすまして行くかなどと考えていてはやはりダメなのだ。ここでも絞り込んだターゲティングの重要性が語られている気がする。
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全て聴いてしまうと当たり前?と思える事でも、じゃなんで実践出来ないのか?ってことになる。分かっている事と出来るということは全く別。実践するためには、やはり同じ想い、情熱をもった集団でなくてはならないのだと思う。それが、創業者のDNAをどこまで色濃く引き継げるかに掛かっているのだと思う。創業者が健在な間は、それが自然と出来る。組織が大きくなったり、創業者が不在の時にそれをカバーする為に掲げられるのが Mission, Vision, Valueである。決してスローガン、掛け声、飾り物でない事を組織全体に理解させることから始めないと行けないのだろう。Missionが明確であってこその企業なのである。

ではでは。


[1]カンブリア宮殿 2013年5月30日放送
世界が賞賛する技術力 巨人・ナイキ、アディダスに挑む日の丸メーカーアシックス
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20130530.html

[2]ベンチャー通信Online
アシックス 創業者 鬼塚 喜八郎
http://www.v-tsushin.jp/search/details/000169/03.html

[3]Diamond On Line
フィル・ナイト [ナイキ創業者] ブランド構築の天才的マーケター
http://diamond.jp/articles/-/3536
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まずは自分に教育という贈り物を与えなさい。(フィル・ナイト ナイキ会長)



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