ごまかしの無い、リアリティのある内容に衝撃を受けた。CRM〜顧客はそこにいる〜 [書籍・雑誌]

 十数年前の本なのに、全く古さを感じない。これは、本書で書かれていることに普遍性があるからだと思う。CRMに関しては、10年前からいろいろ考えてきた。この本をもっと早く手に取るべきだったと後悔すると同時に、10年前の僕には理解出来なかったかもしれないという想い両方があり複雑な心境だ。自分でも実務を通じて苦い経験をしてきた。自分で理解しているだけではダメで、周りもCRMへの理解がないと活動は成就しないからだ。また、CRM戦略は、経営戦略のひとつ。ボトムダウンでの活動は出来ても、やはりトップの意志がないかぎり成功はしない。

 商売の本質は、Life Time Valueだと理解しているかどうかが全て。また、自らの顧客は誰なのか。どういった方たちなのか。それがずれていると全てがおかしくなる。始めから終わりまで読んでいて我が意を得たりの心境だった。

 実務を通じて、自分なりの考えが熟成されたことが理解を深めてくれているように思う。実務者として本当に良く出来た本だと思う。実際、CRM戦略を導入する意味、意義はなにか。そして導入する際に直面する難しさ、それへの対応方法などがごまかすことなく、リアルに語られているところに凄さを
感じる。導入する場合はどこでつまづくか。それをどう乗り切るかなどなかなか通常の著書では見受けられない深い部分まで踏み込んだ本だ。

CRMが根付かなかった企業、導入が上手くいかなかったためにアレルギー反応を示す経営者なども
無数にいることを知っている。だか、この考え方戦略こそ日本企業が取るべきものだと思う。自分なりにCRMへの理解が深いと自負していたが、如何に自分の頭のなかが整理されていなかったかを感じさせてくれたこの書、著者らに感謝したい。

CRMはあくまで事業収益改善、向上のためだと明確に記載してあるのにも好感がもてる。

日本式経営の神髄は泥臭さとか、アナログオペレーションだ。としか表現しない人もいるがこの本を読んでいて、その言葉に対してのモヤモヤがはれた。CRMコンセプトを持ち込む事により、本来人でなくても処理が可能な手続きの一部をITチャネルに誘導して生じた余剰の経営資源を、対人による個別対応が重要なサービス、顧客対応にまわす。アナログアプローチだろうと、ディジタルアプローチだろうとあくまで手段。果たすべき目的次第で手段、道具を決めるべき。

 全ての人に勧めたいが、特に経営者、およびそのタマゴには、是非読んでもらいたい開眼して欲しい。それを可能にするだけの質が備わった本だと思う。出来れば、★を6つつけたいところだ。それだけ満足している。

ではでは。
CRM―顧客はそこにいる (Best solution)

CRM―顧客はそこにいる (Best solution)

  • 作者: 村山 徹
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本



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