ダニエル・ピンク『やる気に関する驚きの科学』TED [インターネット]

最初に告白させてください。から始まるこのレクチャー。僕にとって衝撃的だった。こんなに上手く表現出来る人がいるとは思わなかった。モチベーション3.0.
以前友人からこのダニエル・ピンクのTEDでの講演を紹介してもらったのだが、それいらい忘れられない。著作権等の問題もあるだろうが、出元を明確にしながら彼の明解説を残しておきたい。
表現している内容もさることならがプレゼンテーションスキルも高い!

http://www.ted.com/talks/lang/ja/dan_pink_on_motivation.html
スクリーンショット(2012-05-30 5.26.40).png

最初に告白させてください。20年前程にしたあることを私は後悔しています。
あまり自慢出来ない事をしてしまいました。誰にも知られたくないと思うような事です。
それでも明かさなければならないと感じています。
1980年代の後半に、私は若気の至りからロースクールに行ったのです。
アメリカでは、法律は専門職学位です。まず大学を出てそれからロースクールに行きます。
ロースクールで私は、あまり成績が芳しくありませんでした。控えめに言っても成績はよくなく
上位90%以内という成績で卒業しました。
 法律関係の仕事はしたことがありません。やらせてもらえなかったと言うべきかも。
しかしながら今日は良くない事だと思いつつ妻の忠告にも反しつつこの法律のスキルを
再び引っ張り出す事にしました。
 今日はストーリーは語りません。主張を立証します。合理的で証拠に基づいた法廷における論証で
ビジネスのやり方を再考してみたいと思います。
 陪審員のみなさんこちらをご覧ください。これは「ローソクの問題」と呼ばれるものです。
ご存知の方もいるかもしれません。
 1945年にカール・ドゥンカーという心理学者がこの実験を考察し様々な行動科学の実験で用いました。ご説明しましょう。私が実験者だとします。
 私はあなたがたを部屋に入れてロウソクと画鋲とマッチを渡します。
そしてこういいます。「テーブルに蝋が垂れないようにロウソクを壁に取り付けてください」
あなたならどうしますか?
多くの人は画鋲でロウソクを壁に留めようとします。でもうまくいきません。
あそこで手真似をしている人がいましたが、マッチの火でロウソクを溶かして壁にロウソクを壁に
くっつけるというアイディアを思いつく人もいます。良いアイディアがうまくいきません。
5分か10分すると、大抵の人は解決方法をみつけます。
こうすればよいのです。鍵になるのは、「機能的固着」を乗り越えるということです。
 最初あの箱を見て単なる画鋲入れだと思います。しかし、それは別の使い方も出来、
ロウソクの台にもなるのです。これがロウソクの問題です。
 次にサムグラックスバーグという科学者がこのロウソク問題を使って行った実験をご紹介します。
彼は現在プリンストン大学にいます。この実験でインセンティブの力が分かります。
彼は参加者を集めてこういいました。
「この問題をどれだけ早く解けるか時間で計ります」
そしてあるグループには、この種の問題を解くのに一般にどのくらい時間がかかるのか平均時間を知りたいのだと言います.
もう一つのグループには、報酬を提示します。「上位25パーセントの人には、5ドルお渡しします
1番になった人は、20ドルです。」これは何年も前の話なので物価上昇を考慮に入れれば数分の作業でもらえる金額としては悪くはありません。十分なモチベーションになります。このグループはどのくらい早く問題を解けたのでしょう?
 答えは平均で3分半余計にかかりました。3分半長くかかったのです。そんなのおかしいですよね?
私は、アメリカ人です。自由市場を信じています。そんな風になるはずがありません。(笑)
人々により良く働いてもうらおうと思ったら報酬を出せばよい。ボーナスコミッションあるいは何であれインセンティブを与えるのです。ビジネスの世界ではそうやっています。
 しかしここでは結果が違いました。思考が鋭くなりクリエイティビティが加速されるようにとインセンティブを用意したのに結果は反対になりました。思考は鋭くクリエイティビティは阻害されたのです。この実験が興味深いのは、それが例外ではないということです。この結果は何度も何度も40年に渡って再現されてきたのです。
 この成功報酬的な動機付けーif Then式に「これをしたら これが買える」というやり方は状況によっては機能します。しかし多くの作業ではうまくいかず、時には害にすらなります。
これは社会科学における最も確固とした発見の一つです。そして最も無視されている発見でもあります。私はここ数年というもの動機付けの科学に注目してきました。特に外的動機付けと内的動機付けのダイナミクスについてです。大きな違いがあります。
 これを見ると科学が解明した事とビジネスで行われている事に食い違いがあることが分かります。
ビジネス運営のシステムつまり、ビジネスの背後にある前提や手順においては、どう人を動機付け どう人を割り当てるかという問題は、もっぱら外的動機付けアメと鞭に頼っています。
 20世紀的な作業の多くでは これは実際上手く行きます。しかし、21世紀的な作業には機械的なご褒美と罰というアプローチは、機能せずうまくいかないか害になるのです。どういうことか説明しましょう。

グラックスバーグは、これと似た別の実験もしました。このように若干違った形で問題を提示したのです。
机にロウが垂れないようにロウソクを壁に付けてください。
条件は同じ。あなたたちは平均時間を計ります。あなたたちはインセンティブを与えます。
どうなったでしょう?
今回は、インセンティブを与えられたグループの方が断然勝ちました。なぜでしょう。
箱に画紙がはいっていなかったから。問題は、バカみたいに簡単になるからです。
(「サルでもわかる」ロウソクの問題)(笑)
IF THEN式の報酬は、このような作業にはとても効果があります。
単純なルールと明確な答えがある場合です。報酬というのは、視野を狭め心を集中させるものです。
だからこのような狭い視野で目の前にあるゴールをまっすぐ見ていれば良い場合には。
しかし、本当のロウソクの問題ではそのような見方をしているわけにはいきません。周りを見回す必要があります
報酬は視野を狭め私たちの可能性を限定してしまうのです。
 これがどうしてそんなに重要なことなのでしょうか。西ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアなどでは
ホワイトカラーの仕事にはこのような種類の仕事(「サルでもわかる」ロウソクの問題)は少なく、このような仕事(ロウソクの問題)が増えています。

 ルーチン的ルール適用型左脳的な仕事、ある種の会計、ある種の財務分析、ある種のプログラミングは、簡単にアウトソース出来ます。簡単に自動化出来ます。ソフトウエアの方が早くできます。世界中に低価格のサービス提供者がいます。



モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

  • 作者: ダニエル・ピンク
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: ハードカバー



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。