日本的経営の原点を探る。大切にしたいニッポンの文化。 [書籍・雑誌]

日経ビジネスの別冊(QUAETERLY Spring Issue of 2011 vol.1)を読んでいてつくづく思ったことを書き留めておきたい。

日本的経営の原点を探る。というのが題材。たしかに原点回帰で切り抜けたい場面。そういう状況に日本はここしばらく直面し続けている。(失われた20年。)バブル破たんに加えて、グローバル化の波に乗り切れなかったのがすべてだと思うがここにきて、東日本大震災。本当に正念場だと思う。

そもそも、日本は西洋と違って一握りの天才、リーダーの指針のもと突き進むというスタイルに不向きである。天才を作るには、天才を育てるだけの仕組みがないとやはり厳しい。学校制度しかり、それを支える社会の仕組みもすべて、平等が原則だからだ。

で、どうやってここまで来たかというと、天才ではない人々が英知を結集して、地道な努力で築き上げてきた。とにかく地道に。その日本が、アングロサクソン社会のやり方を中途半端に取り入れたからさまざまなところで機能不能状況をつくりだしまったといえそうだ。それじゃ、原点回帰で回復を。となるのだろうが、そうもいかないのではないだろうか。グローバル化が進みすぎて、すべての環境が変わりすぎた。

解決方法は、グローバル化を受け入れつつ、日本独特のやりかたをかたくなに守りとおしていくことなのではないだろうか。日本の実直さ、真面目さ、誠実さは間違いなく売りになる。尊敬されすらする。これをいかにグローバルな世の中で守り続けるか。ものすごく日本的なことをうまく露出すること。外国の人に分かってもらえるような仕組みをつくってみることから始めるのがいいのかもしれない。

下記、この雑誌の対談記事から。たしかに日本的で情緒があり感動する話。こういうのを活かす手立てを考えたい。新興国も豊かになっていくと、(マズローの)欲求の段階も上がって社会価値にたいして敏感になり対価を払う傾向が増すはず。そうなったときには、日本のこの民度の高さが大きく機能することになると信じている。


「普通の人」が持つ価値に注目を。(脚本家 小山薫堂x寺山正一)

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 映画「おくりびと」や「沈まぬ太陽」で感じた。地味であってもまっとうに仕事をしている人のことは、必ず誰かが理解してくれているはずだという、日本社会に共通する価値観を再認識した。(寺山)
 球麿川の渡し船、ほとんどお客さんがいない。村は地理的にこりつしていて、確実な客は朝6時に通学する高校生ただ一人。必ず帰りも乗る訳ではない。おそくなると家族がクルマで迎えに行く日もあったりする。その渡し船は、近所の人はただ無料、観光客は150円で乗れる。
 なんでこんなことをしているんだろうと思って、尋ねてみるとその50代の船頭さんは返事に困った様子で、ようやく帰ってきた答えは、「これが私の務めですから。」この一言に感動して僕はこの人を主人公にしようと決めた。(小山)

映画、おくりびとが海外でも高い評価をうけたということは、外国人にもこの心の機微は伝わるはず。あとはどう届けるか。なのではないだろうか。

ではでは。
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