小が大を呑み込む時代。小さいからこそ出来ること。 イトーヨーカドー / Hands Be / 全日食 [機内番組]

最近、つとに大企業病に関して考えることが多い。一人では動かしきれない事を動かすときは、組織をもって動かさざるを得ないし、複数の人間で事にあたることで効率があがるというのも確かだ。ただ、組織が大きくなりすぎてくるとその組織のマイナス面が出てくる。
 結構あることだが、関連子会社の社長が本社の社長に大抜擢というのがある。これは、本社の一ファンクションで専門性を高めた人間よりも、小さな組織ではあるが企業全体の運営を俯瞰的に観てきた人間のほうが経営を運営するという点で相応しい。というのが理由のようだ。実際、一つの城を守ってきたそういう人の方が経営リテラシーは高いと感じる。実際、一つの会社組織をまかされたらそうならざるを得ないといのも確かだ。

これも全日空鵜の機内オンデマンド放送で観たプログラムをヒントにした話。小売業においてもいままでのような大型店舗ではなく、限られたスペースでコンパクトに運営されている小型店舗。狭いスペースもしくは、期間限定。という特徴を逆に活かして魅力的な店舗展開をしている事例の列挙だ。

①Hands Be
これは、東急ハンズが運営している小型店舗。ハンズで売れ筋の商品をぎゅっと凝縮して店舗にならべる。駅ビルなどの小スペースでの展開。東京では秋葉原にあるそうだ。店の面積が限られているのでとにかく売れ筋をいかに効率的に店頭に並べるかがポイントなのと、客単価をとにかく普通以上に気にする。客単価が高くなる商品にフォーカスして営業改善を繰り返しているのが印象的だった。文具の客単価が700円程度。シャンプーなどの化粧品は、1500円位。化粧品を一番のフォーカスカテゴリーとして接客をすすめる。といった具合だ。

(これは、吉祥寺店)
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(こちら秋葉原店)
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②イトーヨーカドー阿佐ヶ谷店
イトーヨーカドーと言えば、食品から衣料まで何でも揃うスーパーマーケットというのが相場だったがこの阿佐ヶ谷店は、駅前付近の地下一階スペースで食品のみの販売。このエリアは、駅付近の人口密度が高い事、さらには独り住まい率が高いことを意識して店舗を作ったそうだ。商品ラインナップのなかでは、小分けのお総菜がそれを物語っている。通常サイズのお惣菜ってだいたい200グラム程度。小さいものでも120グラムというのが相場、しかしこの店ではさらに小降りの80グラムを意識的にラインナップしているとのこと。そもそもスーパーにおいて食品売り場は主役的存在。そこに集中した店作りというのだから成功するのは目に見えている。ちなみに、小分け商品ラインナップ以外にも高級食材や高級ワイン(7万円ていど)なども揃えているそうだ。東京の都心近郊ならば、高級品を欲しがる顧客も多いとにらんでの事のようだ。こういう思い切った商品ラインナップも小型店舗ならではのアプローチなのだろう。かなり絞り込んだターゲット顧客の設定も可能になるというものだ。

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(居抜き物件とは、流石だ。)

③全日食チェーン
郊外型小型スーパーの展開に積極的な全日食。彼らに依ると商圏を考える上で徒歩圏内とは、半径300m。自転車圏内とは半径500mを指す。規模が大きくなっていくとそれだけ取り込むべき商圏が広がってくる。たとえば大型ショッピングセンターの場合は、半径20km、駅前小型スーパーなら半径1kmと言った具合に。店舗進出にたいしてのしきい値が実は低い。というのに加えて、高齢化社会と大型店舗の進出により地方都市で起きている買い物難民を救済する。という理念も持っているのがかれらだ。(実際は、都心もドーナツ化現象と高齢化による買い物難民は増えているのが現実。)
「とにかく、店がお客様に近づくことが重要。」
実際、取材で取り上げられていた団地では、大型ショッピングセンターの進出の影響で団地内にあったスーパーが破綻。一番近い店で1km先。徒歩だと40分もかかる。体力的な問題もあり一度にあまり多く買えない。結局、1週間に一度、運べるだけの食材を厳選に厳選を重ねて買っているというお年寄りの例が取り上げられていた。そういう買い物難民が全国で600万人はいるそうだ。なんとかしたいし、こういうビジネスモデルは価値があると思う。

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取材で取り上げていた事例は、URわし宮団地での出来事。あるスーパが破綻して、そこに全日食が進出するか否かを社内検討していた。もともと100坪の売り場面積のスーパを居抜いてそこに全日食がスーパーをつくるか作らないか。というのが論点だった。団地を事前に視察してみたら思ったよりヤングファミリー層も住んでいる事に気づいて驚いた。若者は、多少遠くてもクルマなどの手段で買い物に出かけてしまう。だとすると、一工夫しないとそのままの居抜きによる店のオープンは難しい。そこでの判断は、100坪の売り場の半分だけを売り場とする。あとのスペースは、お客様のコミュニティスペースにする。というものだ。売り場が広いと固定費がかさむので半分の売り場面積で効率的に運営する。この考えが社内で認められてGO.たしかに、他社が破綻した店をそのままのやり方でやっても上手く行く筈が無いのだ。困っていた老人たちで店は、大にぎわいをしていた。

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やはり他人がやっているとおりやっても意味がないのだ。自分が新しく取り組むなら、世の中に求められるものを無かった形で提供すべきなのだ。

ではでは。

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