シャカリキになる冪か、それとも徹底的にダメになってしまってから頑張るのか。(後編) [講演会・セミナー]

シャカリキになる冪か、それとも徹底的にダメになってしまってから頑張るのか。http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2010-09-09の続編です。東進ハイスクールなどの経営をされている永瀬さんの「イチロー」を一杯作る。というところから話を続けます。

国がやっている全国学力調査と四谷大塚が実施している学力調査とでは、着目している点が違うためにまったく違った印象を受けます。国が実施しているものは、各県の平均点を評価してランキングしている。それに対して、永瀬さんのところの着目は成績優秀者の比率でランクを付けている。その結果、平均点で良いとされている県が四谷大塚の学力調査ではランクが低かったりする。ミクロ視点で捉えるとすると喩え話として通じるのは、有名野球部なのどの方針。大多数の部員がいたとしても選手の実力のばらつきが多い。全員均一に練習していては、勝てるチームに成らないので1軍、2軍、3軍とグループ分けして1軍に焦点を優遇した練習方法やカリキュラムを組む。これが四谷大塚の学力調査では好成績がとれる。(伝わりやすくしたいのでちょっと極端な例の使い方をしています。ご容赦願います。)マクロ視点でこの出来事を表現しようとすると統計的な話が適当かと思います。分布を語る上で平均値、最頻値など代表的な指標を使いますが、平均値が高いからといって必ずしも最頻値が高いとは限らないですよね。加えて言うと全体の底上げをしようとするとどうしても全体のばらつき(ダイナミックレンジ)が小さくなってしまう。ようは均質化しようとすると、飛び抜けた値がなくなる。それは平均から観て低いレベルも少なくなる代わりに飛び抜けた天才が生まれる可能性も少なくなる。という事です。まあ、複雑な課題であることは間違いなさそうです。

で、シンポジウムでのやり取りに戻ります。プレゼンテーション単独では、永瀬さんが光っていましたが山口さん(味の素会長)、三浦さん(NTT社長)、小林さん(三菱ケミカル社長)、永瀬さん4名によるパネルディスカッションでは、皆さんの持ち味がしっかり出ていて面白かったです。
永瀬さんは、日本の閉塞感を打ち破るにはシャカリキになって「科学界のイチローを作れ。」という主張。それに対して、小林さんなどは、まあ徹底的に駄目にならないと駄目。まだ、落ちるところまで落ちきっていない。危機感を身にしみて感じる無いと駄目だろうな。
小林善光.jpg

おっしゃっていることは、それぞれ違うようだけど当人たちが本気でなんとかしようと思うことが打開策の第一歩でその環境を誰かが率先してつくるのか、自分で気づくのを待つのか。という違いだとおもいました。組織論的には、小林さんのコメントの方が実践的な気がしました。大きな組織を動かしてきた方らしいコメントですね。永瀬さんも十分に大きな組織を率いていらっしゃいますが、創業者という立場。出来上がった大組織のなかで上り詰めた経験が言わせるコメントだと感じましたし、日本という出来あがった国をどう動かすかと考えるとそうかな。と思ったわけです。本当は、永瀬さんのような動きで日本をかえられればいいのですが。。。(ある意味、柳井正さんも永瀬さんに通じるところを感じます。ロマンです。)
永瀬昭幸.jpg


ではでは。

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