ブランディング? 例えばこういうことじゃないかな。 [よもやま話]

ブランディングって言うといろんな表現をする人、難しく考える人が多いですが僕はこんな事を例えにしますね。確立されたブランドがあってその遺産でビジネスして来た人にはわからないでしょうね。

ビジネスをしていて一見ロジカルなようでロジカルじゃない議論をすることがあります。製品をつくって買っていただき報酬としての利潤をいただく。これ、まさしくビジネスですね。少しでも利潤をいただくためにコストセーブする。これも手法としてはありますね。製造効率、物流効率さまざまな業務関連コストを抑えて利潤を確保しようとする。企業努力としてはおかしくとも何ともありません。ただ、どこでセーブするか。という観点は、実際企業や部門ごとに様々です。それが商品性を決める鍵になるともいえます。裏返すと限られたコストでどこまでお客様にとって魅力的な商品に出来るか。がポイント。お客様がケアしていないところにコストをかけて必要以上に価格が高くなってしまっては、「その商品高い。」といわれてしまうことになります。

で企業内で行われる議論としてあるのが、「こんなところにお金かけて、売上げ何台伸びるンだ?(コストそんなところにかけるんじゃない。)」というのがあります。Apple Computerはその逆です。本体はもちろんのこと、ACアダプターやそのケーブルなど本体以外の付属品や、箱などへの拘りが伝わってくる商品作りをします。通常のブランドは、本体にはそこそこ拘りを見せるのですが、付属品はおまけ的な作り方をしているのが通例ですね。ようは、そんな付属品にお金かけて、売上げ伸びるのか。そんなところが購入の際の決め手にならない。と言わんばかりなわけです。って話をこんなの見て思い出しました。

スライド1.jpg

価格帯も客層もおそらく違う2つの製品ですがたとえ話としてもってこい。だったので引用します。写真上の段は、花王のボディーソープ ビオレ(詰め替え用)、下の段は資生堂シャンプーTSUBAKIの同じく詰め替え用です。この手の製品って詰め替え用パッケージの需要が大半だと思います。たしかに製品本体の性能としては、洗浄力や肌に優しいとか、香りとかがコアなファクターになると思います。パッケージは、あくまでパッケージ。製品を引き立ててみせる。もしくは、製品の特徴をあらわしてお客様にアピールするのがパッケージの役割。で、パッケージにどれだけの拘り、配慮を見せるかをこの二つの例で感じました。下段のTSUBAKIの真ん中の写真をみてください。詰め替えしやすいようにパイプ状のスリーブが埋め込んであります。この気遣いは嬉しい。これがあるからTSUBAKIを買うというお客様はどれだけ居るかは定かではありませんが、TSUBAKI強いてはSHISEIDOに対してのブランドイメージを向上させる1ファクターになるのは想像に難くありません。Appleの場合、パッケージまでもがお客さまのころを捕らえていて、空箱を捨てずにコレクターしているユーザーが大勢います。僕もその一人。

短絡的なところでビジネス判断するのがよいのか、ブランドエクイティとしての見識で判断でいるか、企業としての理念の違いがこういうところにも現れると思うのです。今回のこのTSUBAKIのスリーブ1本パッケージにもりこむことで例えば、50銭(0.5円)のコストアップになったとします。年間、このパッケージを年間1,000万本売ると500万円のコストアップ。(逆に取り除くと500万円のコストダウンが可能。どちらを基準とするかですが。)そういう会話がちゃんと出来て、お客様に喜ばれる商品(当然価格はおおきな判断要素)が出きるかどうかが生命線。大組織になればなるほど、この辺の判断を間違えやすくなってしまうのです。拘りと無駄なコストをいかに見極めるか。これが鍵ですね。

単純なコストの切下げで売上げや利益は短期的に伸ばせますが、ブランド価値の安売り、過去の築いたブランド資産を切り売りしているのに過ぎなかったりします。とかく、先人が気付いたブランドをエンジョイしてブランディングの作業をせずにビジネスしてきたマネージメントに多い判断といえます。不景気のときに真っ先にセービングのターゲットにされる「ブランディング(広告)」や「サービスコスト」ですが、慎重に考えないと大やけどを負うことになりますよ。

ではでは。
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