こういう話がポンポン、よどみなく出てくるってのはさすが内田和成先生。 [講演会・セミナー]

日本経済新聞主宰の講演会の基調講演で聞いた話しです。内田和成先生さすがは、もとトップコンサルティング。なめらかに淀みなく多くの事例を交えての講演でした。引き込まれたな~っ。今回もっ。

■イノベーションを経営に活かす。-クラウド時代の経営戦略ー
 内田和成氏(早稲田大学ビジネススクール教授)

●イノベーションの数々。技術のイノベーション意外のも3つある!
 技術のイノベーションは、その一部のしか過ぎない。

 1.技術のイノベーション
 2.コンセプトのイノベーション
 3.プロセスのイノベーション
 4.組織・意思決定プロセスのイノベーション

 ・コンセプトのイノベーション
  使われている技術が画期的である必要は無い。
  例)任天堂のWii
 使っている技術は、そこそこのものの集まり。
    だが、Wii Fitなどは、使っている人にとって新しいコンセプトのもの。
  
  例)i-Pod
世界中で1億人以上が使うまでに至る。それがi-phone, i-Padに展開。

  例)ヤマト運輸
    過去にあったサービスの組み合わせにより「宅配便」なるものをつくりだし
    人々の生活を変えた。(サービス・コンセプト)

 ・プロセスのイノベーション
   企業側のプロセスを変えたもの。
   例)キヤノンのセル生産方式など。
     ベルトコンベア→セル方式へ。1~7,8名で構成されたセルで
     責任をもって製品を作り上げる。
     →生産のフレキシビリティと品質の向上につながった。

   例)ユニクロなどのSPA
     小売業でありながら製造も行う。
     →機会ロスを最小化した。

   例)Benetton
製品の寿命が短い。製品の入れ替えが頻繁。ライフは3ヶ月から長くても半年。
      材料や生産設備の仕込みは前もってやっておかないといけない。
     流行りの色をハズしてしまうことで、 残財を残したくない。(糸、生地など)
     →後染め方式の導入により、廃棄損をなくした。
       まずは、シロ色で編んでおいて市場に出す直前に染める方式に変えた。

   例)ガリバー(中古車買取&販売)
     店舗に持ち込むと査定をするが、店内では基本的なチェック(傷、走行距離など)
     しか行わない。各種データを本社に送り、本社にて査定をする。
     →多店舗展開を少ない人財で実現した。(プロを作る必要が無い。)
      店舗毎のばらつきをなくした。透明性を上げた。

   例)FeDex(フェデラルエクスプレス)
     荷物の問い合わせが多く、四苦八苦していた。
     Callコスト削減目的でトレースシステム(IT化)
     荷主のNumber化を進めた。(いまでは、業界の常識だが彼らが始めた。)
     →Callコストの削減を達成。
      副次効果として、CSが改善した。
      お客様に安心感と便利さを提供することに成功。)
      一石二鳥の例。(出だしは、止むにおえない事情で始めたことだったが。)

   例)ヤマト運輸
     最近は、配送に車、台車、自転車などを駆使して最適な配送方法を使い分けている     ヤマト運輸。
    (ベルトコンベアー→セル方式にプロセスを変えたのに似ているかも。
     自宅付近で撮影by島田)
IMG_1324.JPG

 ・組織、意思決定のイノベーション
     携帯、インターネットなしで仕事が出来ない状況になっている。
     働き方が変わったということ。
     →例:出先で倉庫の在庫チェックが可能になった。
         TV会議がSkypeなどで可能になった。
         職場のフリーアドレス制(サテライトオフィス)により業務の進め方が
         変わった

      例:電子稟議書の導入によるある企業での出来事。
         ”判を押す順番を問わなくした。”
         早く観たひとが判を押していい。という風なルールにした。
         結果、仕事が速く進むようになった。一番暇なのが社長だったりして
         (社長が一番初めに判を押す。ことも起きて、戦々恐々。
          そりゃプロセスが早くなるわな。)

●ITイノベーションが進むと起こりうること、注意すべきこと。
  ①消費者主権主義になる。
    以前は、情報は選ばれた人・特権の企業、人のものだったが
    インターネットにより、だれでもそういう情報にアクセス出来るようになった。
    →情報格差は、無くなる。
     (これは、インドの農村部でも起きたこと。以前は、農家は農産物を安く買い叩か      れていた。搾取されていたがITC Limitedが農村部にインターネットを設置したこと       で、農家は条件のいいところに農産物を売ることが可能になった。
      それにより、農村部も徐々にではあるが生活が安定し始めている。という話。
      キーワード:貧困ペナルティの解消。by 島田)

ITC Limited (INDIA).jpg

     まずは、ネットで調べてから買い物に行く。
     そういう情報武装化した顧客が増える。
     店員としても厳しい環境になっていく。

     実際起きていることとして、価格.comの画面をみせながら店員に注文つける。
     秋葉原の店には、かれらの値段付けの正当な理由があるにも拘わらず、
     消費者からすると同じものをよりやすく買いたい。という理屈。

    →購買行動が変わる。
     お店で携帯しながら、買い物している若い女性を良く見かける。(109など)
     店で気に入ったものを見つけても、以前は予算が会わなかったら
     帰宅して母親に相談して再度お店に出かける。出かけたときは
     もう売れていて買えなかった。みたいな話から、その場で携帯で
     母親に相談して予算アップ。実物みないと判断できない。といわれたら
     写メールで送って、協議して買うか控えるか即決定。便利な世の中です。
     購買行動のパターンが明らかに変わってきています。
  
    ★消費者の行動が変わるのだから、差別化の要素も変わる必要がある。
     なのに今までどおりの考え方、差別化でアプローチしようとしている企業が
     あるがそれでは立ち遅れる。
    ★(Marketingの)4Pで考えるのが主流だったが、これはあくまで企業視点。
      逆の方向から観るようにしないといけない。
     (顧客の視点:Marketingの4Cで捉えて、4Pに落とし込む。by 島田)

②会社という物理的な存在が意味をもたなくなる。
    例)フリーアドレス制の導入
      会社の中での偉さご人気、ひとの集まる人とは違うことが多い。
      ノードになる人、平でもいつも仕事の中心になる人が浮き彫りに
      成って行く。
    
      意思決定にしても、現場に近い人、業務を分かっている人が
      偉い人に代わってやっていくことで顧客視点で進めて行く鍵になる。

良い話だったのでメモ書きをUpさせていただきました。内田先生にはいつも勉強させていただいていま~す。
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