歴史から学ぶ。これも俯瞰的な捉え方なんでしょね。 [講演会・セミナー]

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先ほど、慶應丸の内キャンパスがやっている夕学五十講「フランス革命に何が学べるか。」講師は、歴史作家の佐藤賢一さんの講演を聴いてきました。(普段全くと言っていいほど小説を読まないので知らなかったのですが佐藤さんは直木賞受賞作家だそうです。)
中々興味深い話を幾つか伺うことが出来ました。自分ではあまり考えてもみなかったことだったり、思いも依らない視点だったりして刺激的でした。

例えば。
「小説家の強みとは。」小説家だと直感、霊感などを使って語る事が許される。歴史学者にはそれが無い。登場人物にキャラクター付けするにしても歴史学者は、直接的な裏付けが必要になるが作家にはそれが必須ではない。登場人物が書いた物などを読んでそこから感じた印象からキャラクター付けをしていく作業をしたり出来る。その際には文体とか、文法の乱れなども参考にする。そうです。革命家などは往々にして文法が破綻していたりするそうです。迫力で迫ることが狙いで正しい文法でなくなることが多いそうです。
「なぜ外国のそれもフランスの歴史物。とくにフランス革命を小説の取り上げたのか。」に関しては、外国人だからこそ客観視できる異国の歴史を意外なところで日本と共通点がおおいフランスを主なフィールドにしている。というのが大まかな理由だそうです。歴史観といのは、利害関係がはっきりある2国間(日本と韓国、日本と中国)では、客観的な評価が出来ない。2国間で延々と決着が着かない案件が多々ある。本当に白黒決着をつけたかったら全く利害関係のない第三国(例えばアフリカ諸国など)に書いてもらわないと結論は出ない。いい例がイギリスとフランスの間であった100年戦争。フランスの教科書には、フランスが勝利した。イギリスの教科書ではその反対の記述。で、日本の教科書では?イギリスとフランスの間で100年戦争がありました。とだけしか書いてない。客観性以外のことは排除されているわけです。

「フランス革命は、実はフランス人の苦手なテーマかもしれない。取り上げた小説がほとんどない。」王様を殺した。そういうことがトラウマになっているからというのです。その対比になるのが2本の明治維新。将軍 徳川慶喜を殺すことなく変革を完了させた。日本人にとって目を背けるどころか大好きなテーマが明治維新。題材にした小説も多いし、なによりも大河ドラマなどでも何度もだんども取り上げられる人気テーマになっている。

「トラウマになっていない代わりに、民衆のちからでなしえた変革が無い。そういう経験をもたないのが日本人。だから、オプションをもつために他の国の出来事から歴史から学ばないといけない。」たとえば、現代においてもフランスなどはデモ行為をよくする。日本人からするとそんなことやって何の役に立つの。と思うかもしれないがフランス人には、一般民衆の力でバスティーユを陥落させたという成功体験がある。自分たちが動いたらフランスが変わったという成功体験がある。(民衆の力ではなく、地方の下級武士がなしえた)明治維新のp田ターンだけでは、乗り越えられない状況がいまの日本。違うオプションを日本人も持つひつようがある。だから、僕はフランス革命を日本人に読んでもらうために書く価値があると思っている。なるほど。深いですね。

「歴史から学ぶと次の展開はどうみえるか?変革は、簡単には進まない。3人による3段階のステップを経て慣性すると思っている。」
 ステップ1:破壊
 ステップ2:まとめる
 ステップ3:新しいものを創る。

 典型例がローマ時代。カエサルが破壊して(暗殺される。)、アントニウスがまとめて、アウグスティウスが着実に作った。
日本の場合で言うと、織田信長が既存のものを徹底的に破壊して、豊臣秀吉がまとめ、徳川家康が着実に新しい仕組みをつくった。それが何百年も続いた。

 フランスは? フランス革命は、破壊のパターン。ナポレオンがまとめ。そして共和制を選んだ。破壊に関しては、徹底して破壊しないといけない。さもなくば抵抗勢力が残ってしまうから。

(なるほどなるほど。日本も徹底的に既存の仕組みを破壊しないといけないのかもしれませんね。)


よく俯瞰的に物事を捉えなさい。といわれますが。グローバルなエリアとしての俯瞰のみならず、時代も100年、1000年のスパンで俯瞰する。そういう歴史観をもってことにあたる。というのが本当に望まれている状況なんでね。そう感じた講和でした。
歴史物に疎いぼくにも佐藤さんの歯切れのいい論調、よどみのない話はいい感じでした。頭のなかは相当整理されていうんでしょうね。佐藤賢一さん。

ではでは。
バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)

バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/11/26
  • メディア: 単行本



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