ダイナミック(動的)戦略。これは是非理解しておきたい。 [講演会・セミナー]


ダイナミック戦略論―ポジショニング論と資源論を超えて

ダイナミック戦略論―ポジショニング論と資源論を超えて

  • 作者: 河合 忠彦
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本


先日のブログ記事の続きになります。ダイナミック戦略論というのを2時間半x2日間かけて講義していただきました。インスパイアされて河合先生の本を購入させて頂きました。たった今手元に届いたとこです。(講義の時の資料を見直していて我慢できずに購入。これもいつものパターンかも。)

で、ちょっと経営戦略論から離れて「よもやま話」します。想像できない。と友人、同僚から良く言われるのですが学生時代は、精密工学(機械系)を専攻、会社に入ってもメカ設計をしていたエンジニアでした。で学生のころの研究テーマがこれ。機械構造物のモデリング(強度および、挙動シミュレーション)でした。このダイナミック戦略論との共通点が多いのです。機械構造物の設計手法のなかで強度計算がありますが、昔は静的(スタティックな)力学計算、シミュレーションが主流でした。ですが、この静的な検証では実使用上の問題を把握するのには不十分。限界があり、行き着くところ動的な力学が導入されていきました。これを実現できたのは、コンピュータテクノロジーの発展が大きく寄与しています。実際の物体を計算で扱えるように数値モデル化するのですが、モデル化のためにも、実際そのモデルを使ってシミュレーションするにもとてつもない計算が必要になるためです。協力な計算能力のあるコンピュータの存在を前提としたアルゴリズムの開発も進みましたね。そういうアルゴリズムの一部を開発していたというのが僕の研究テーマでした。
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ただ、面白いことにこの動的力学というのも静的力学があってこそ存在する。静力学をおろそかにしてはいけないというのは、戦略論と同じようです。ポーター理論しかり、BCGマトリックスしかり実際現場では、限界があり実用的ではない。ですが、これらの理論、手法を発展させたり、ほかの手法と組み合わせることで見事に実践的なものに生まれ変わる。不確実な環境下の現象の説明、戦略の処方を与えるものになる。という点です。

話を経営戦略論”ダイナミック戦略論”に戻しましょう。コストリーダシップ(CL)戦略か、差別化戦略かのいずれかに集中せよ。というポーター理論ですが、ポーター理論を動学化することでその両方の戦略を実現しつつあるユニクロや、任天堂(Wii)のビジネスモデルの説明が出来き、現場レベルでもしっくりくる。これは面白かったです。
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先述したかもしれませんが、Blue Ocean理論も現状を説明するのには役に立つのですが、何をすれば良いのか。策を語っていないのが限界。というのもわかりやすい。確かにそのとおりです。欲しいのは戦略を作るツールなわけですから。
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あまり深く考えずにフレームワークを使おうとしていたという反省もできました。BCGマトリクスの限界。これ意識しないで使っていました。社内部の既存ビジネス間で資源を如何に有効活用しようというのがBCGマトリックス。
 ①新規ビジネスには適用不可
 ②該当するセルが不安定だと適用不可
 ③外部成長方式は考慮していない。
そんなことお構いなしにBCG使おうとしていました。確かにロジカルに使えずに天を仰いだ経験があります。ビジネスポートフォリオと組み合わせればそれが解決する。というのもなんだか機械力学のアプローチと同じでうれしかったです。古典は大切ですね。実感しました。
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学びの多い5時間。(新規事業の)成功要因、先行者利益などに関しても刺激的な話を聞いたのでまた別席で紹介しますね。

それにしても学生か。。懐かしい、自分の学生のころの純粋さと熱意も久しぶりに思い出しました。テーマは、テニスラケット、ゴルフクラブなどのシミュレーション。共同研究の企業の方ともよく衝突したな~。ちなみにこれ今から20年前の僕です。(えっ、そんなに年取ったんだ。。。)
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