これからの日本は、ハード・パワー(軍事力や経済力)だけではなく、ソフト・パワー(文化や倫理観)にこそ目を向けるベキ段階に来ている。 [書籍・雑誌]

 競争力という言葉自体あまり好きではないが、失われた20年、という言葉に代表される日本の経済競争力の相対的低下を嘆く論調に近頃は疑問を持つ事が多くなってきた。

 4月から7月の殆どを東南アジア諸国(おもにインドネシア、フィリピン)やインド、東アジアを回りながら現地の人たちと深くつき合うなかで感じたことは、日本に対する敬意、憧れを彼ら、彼女らからかんじたことだ。勿論、彼らからすれば依然日本は超経済大国という位置づけは変わらない。でも、彼らが日本に対してもつ憧れは、経済力というよりも文化や社会の成熟度や民度の高さに起因するものであると感じた。(東南アジアなどでは、日本では考えられないような警察や役人の不正行為を目の当たりにしたが、現地の人たちは半ば、容認諦め気分だった。そういうことは少なくとも日本に於いては無い。というのも彼らのなかでは認識されていた。)
 良く言われる、アニメ、マンガ文化などへの人気も高い。嵐などのアイドルの知名度、人気も香港などでは高かった。加えて、食文化。日本食レストラン(とんかつさぼてん、一風堂、山頭火、CoCo壱番屋、カプリチョーザ、吉野家、大戸屋などのファーストフード、チェエーン店、居酒屋 わたみなどに加えて銀座梅林など)も多く見かけるようになっただけではなく、どこも大変賑わっていた。

 ”国際社会では、経済力や軍事力に代表されるハード・パワーがある国に目が向けられがち。しかし、文化を代表とするソフト・パワーも侮ってはいけない。ハード・パワーは軍事力や経済力などで、他国を半ば強制的に見方に付けることは可能だが、好意を持たれるとは限らない。一方、ソフト・パワーは、他を威圧する力はないが、敬意や感動を生む力がある。その結果、自然と味方が増えることが、ソフト・パワーの特徴。
 世界が日本の文化に興味を持ち、理解を示してくれている。文化の持つ力、とりわけ日本文化の価値を国民が十分認識し、みずから世界に効果的に訴えて行く時期がきた。”[1]

 自らをもっと知り、その良い所を伸ばし、アピールしていく。世界に貢献していく。という発想をもっともっと多くの人たちが持てるようになるとこの日本という国の本当の価値が発揮出来るんだと思う。そのためにも、グローバルにコミュニケーションする能力を伸ばすと同時に、日本の良さを伸ばす、維持する努力も怠ってはいけないのだろう。

ではでは。

[1]近藤誠一”文化を日本の競争力に”DHBR2013年10月号
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