ノキアの苦境「トップ企業、内向きの危機」 [新聞]

先日5月15日(日)朝日新聞の記事から。 
題名を見て、ああまた「大企業病」の話だ。と思って記事に目を通した。一世を風靡した企業が大企業病に陥ってしまう例に枚挙はないが、そのメカニズムをすっきり説明したいという思いで読んだ。

まずは、記事の抜粋。

”波聞風問(はもんふうもん)”

ノキアといえば、携帯電話で世界に君臨したメーカーだ。しかし、このごろは調子がよくない。エロップ最高経営責任者(CEO)が2月に全従業員にこんなメモを送った。
 「海の上にある石油採掘施設で働いている男の話だ。火事が起き、足場が炎に包まれた。このまま焼け死ぬか。男は30メートル下の冷たい海に飛び込み、助かった。我々の足場もまた、炎に包まれている。」
メモは、すぐに欧州各紙に報じられ、苦境を印象づけた。
 販売台数では今でも世界最大だが、多機能携帯電話(スマートフォン)の勝負で、米アップルの”iPhone"に差をつけられて利益が伴わない。4月27日には、電話事業部門の12%にあたる7千人の削減を余儀なくされた。
 どうしてくなったのか。
 建築家だったヨハニ・リスク氏は2001年にソフト開発担当者としてノキアに加わった。「いい家が素早く取り入れられ、報われる会社」と言われていたが、昔の話だった。他社が後に商品化する試作品が社内で次々に葬られてた。「会社のロードマップになかただめだ。決められた戦略は想像力で補われるべきなのに出来なかった」と今は全社を去ったリスク氏は言う。
 ヘルシンキの調査会社ETLのペッカ・ウランティラ氏によると、ノキアを育てたのはおひざ元フィンランドでの国内競争だ。1990年代初めの通信自由化で、独仏の通信会社とともに来た独仏メーカーと戦った。隣国スウェーデンのエリクソンとの競争も激烈だった。それが世界で覇権を握ると「官僚化が進み、創造性が失われた。」
企業は、競争にもまれて大きくなる。しかし、トップに立ったとたん、まるで競争がないかのような世界が訪れる。
 大型コンピュータの巨人だった米IBMは90年代、組織の硬直化が問題になった。再建のためにCEOに招かれたルイス・ガードナー氏は、著書「巨象も踊る」(日本経済新聞社)で、二つの要因があったと述べている。一つは「圧倒的な地位によって、内向きの世界が形成された」こと。もう一つは言葉狩りだ。
 独占禁止当局の批判をかわすために「市場シェア」「競争相手」「勝つ」などの言葉を社内の文書や会議で使う事を禁じた。言葉だけならよかったが、次第に考え方にも及ぶようになった。カースナー氏は就任するなり「遣るべきことを決めるのは市場だ」を原則に掲げた。
 ヒットを続けるアップルは例外中の例外かもしれない。巨大企業が内向きになるのを防ぐのがいかに難しいかを多くの例が語っている。しかし、市場そして顧客との距離が出たとき、企業の運命は尽き始める。(ヨーロッパ総局員 有田哲文 ありたてつふみ ロンドン)

朝日新聞 ノキアの苦悩.jpg

コマツの業績が良いという。なぜか考えてみなさい。という課題を学校でもらった。
いろいろ理由を分岐してみたが、まあ当たり前の答えしかレポート出来なかった。が、この記事を読んでみてはたっと思った。コマツには、キャタピラーという大きなライバルがいる。業績が良いといってもキャタピラーという眼の上のタンコブがいる。ダントツな商品があるといってもダントツのビジネスが出来ているわけではない。この緊張感、チャレンジ精神がコマツを貪欲にし、コマツウェイという企業理念を貫きとおせているのではないだろうか。と思った。コマツがキャタピラーを抜いたとき、そのときに大企業病に侵されないことを切に望む。

ではでは。
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