電力不足の長期化。どうする?ニッポン。 電力会社の統合&スマートグリッド化 [よもやま話]

 電力、ガス、石油などの供給が東日本全体で厳しい状況が続いている。なかでも深刻なのが電力供給だという話は、先日記事にしたとおりだ。

では、その電力供給において何が起きて、なにが課題になっているか。根本的な問題は何なのか。に関して考えてみたい。

スライド3.JPG

■なぜ、電力供給不足になっている?

①火力発電所なども被害を受けて、停止しているものがある。
 原子力発電所での震災が取り上げられている。これによる供給量が減ることもひとつだが、実際は、火力発電所も多数ダメージを受けていて実際、8か所の火力発電所もストップしているのが現状。
→これにより(4500万キロワット必要なところ)1000万キロワットも不足している。という。

夏場はもっと深刻な状況になる。過去の電力需要からすると夏場は6000万キロワットが必要になるが、現在の供給量のままだと2500万キロワット不足する。新規発電所の建設には通常3年必要らしい。どこまで復旧作業が進むか分からないが今以上に深刻な状況になる可能性が高そうだ。

②電力の融通がままならない。。。。
 えっ、そんなことが出来るの?と思ってしまうくらい。僕の中ではこの考え方が無かった。妻に、西日本から電力もってくればなんとかなるんじゃないの?って言われたときに、何言っているんだよ。そんなの出来るわけないだろう。と思ってしまった僕が恥ずかしい。
 技術的には、電力を西日本から供給することは、可能。ご存じのとおり、西日本と東日本とでは電力の周波数が異なる。だから、融通するなんて出来ない。と考えたわけだが、実は周波数変換機を電力会社ももっていてそれを使えば、可能らしい。加えて、被害の比較的ちいさな北海道から本州に送電する。という方法もある。ただ、行けてないのがその変換量の少なさ。能力不足なのだ。
 a.周波数変換機が不足。
 b.北海道からのケーブルが細く、供給出来る電力容量が少ない。

 これらに関しては、以前から議論があったそうだ。有事の際の問題や、電力の重要が大きくなる夏場への対応を考えて準備しよう。という考えもあったが、どうやら電力会社が業界の統合、再編を嫌って手をつけなかったというのが背景にあるらしい。まったくもってお役所だ。役所感覚で物事をすすめると起きてしまう事の一つ。あきれてしまう。(だが、我々にも責任はある。そういう事を認識して、国のビジョンを描かせる。そういう政治をしていない。そういう政治家を選んでいないからだ。)

スマートグリッドの展開も積極的に進めるべきだ!
いまのような見込み需要で電力発電をしている限り余剰供給になったり不足したりするのは当然。供給量の最適化の為、そして有事の際の供給量調整のためには不可欠な手法だと思う。導入のための阻害要因もいまなら比較的簡単に排除出来る。不謹慎なコメントとして盗られたくないが敢えて誤解を恐れずに言うと、これを好機にスマートグリッド化を一気に進めるべきではないかと思う。

ピクチャ 3.png

■石油とガスの復旧は時間の問題。
 阪神・淡路大震災での教訓を活かして、破断しにくい配管に更新していたことが功を奏して、今回は新潟と仙台とを結ぶパイプラインへの損傷が少なかった。
 たしかに、今回石油、ガス関係で起きていることは
 ①東北と関東にある9か所の製油所のうち6つが停止。
 ②日本海側からの供給量を増やそうにしても、山越えの道で渋滞しやすく簡単に届けられない。
 ③100台以上のタンクローリーが津波で流されてしまった。

関東地区以西で起きた”ガソリン不足”は、不安に駆られた人々による人災といえる。

電力の場合も、節電が必要といういのは正確な表現ではなく、ピーク時の消費電力を抑えなくてはならない。というのがふさわしい。いまのまま、とにかく節電だ。と騒いでいては、復興どころか、日本の経済がますます衰弱へと向かい、災害による被害の大きいエリアへのサポートすら滞ってしまうことになる。

「サマータイム2時間」「事業所の操業曜日の平準化」などを短期的に採用することで経済活動を極力抑えない。マインドをなるべくポジティブもっていくようにする。中長期的には、周波数変換機の導入を積極的にすすめ、かつ全国にスマートグリッドの導入を進めて日本全体で電力供給の最適化を図ることでエネルギー供給能力と消費量とのバランスを改善する。(いまのような電力需要のピークにあわせた、設備をもつことはナンセンス。平滑化をすこしでも進めること。輪番停電のようなある特定の地域だけに停電を強いるのではなく、日本全体で日と家庭毎、ひとつの企業毎の供給電力を計画停電ではなく、計画節電させる。という手法でマネージする。という手を打つべきなのではないだろうか。

今回を機に電力会社の統合化などは、是非進めてほしい。いや、進めざるを得ないはずだ。(東京電力の損害補償などを考えると統合は免れない。ネガティブな側面からかんがえても統合なのだ。)

既得権にしがみつく、そんな時代はとっくに終わっている。終えないと日本の浮上は無い。

ではでは。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。