すっごく自然体!杉山愛さん。 [講演会・セミナー]

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ちょっと前になりますが、12月7日に慶應丸の内キャンパスでおこなわれた杉山愛さんの講演会に行ってきました。もともと彼女のファンだったのですっごく楽しみにしていきました。日本人離れした強烈なストロークとネットプレーが印象的な彼女ですが、それ以上にスマイルが堪りません。テニストーナメントで見せる以上のいい笑顔がすっごく良かったです。清潔感と透明感ありますね。益々ファンです。(気になったのが右手の薬指の指輪。そろそろなんですかね。独身なら僕もアタック。いや、人間的な大きさに違いがありすぎて上手く行かないな。なんて非現実的なことをを考えたりしながら楽しい時間を過ごしました。)
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当日は、もとシンクロ選手の田中ウルヴェ京さん(小谷実可子さんとデュエットでオリンピック銅メダルを獲得された方で現在はメンタルトレーナー)がファシリテータを務め、杉山さん(愛ちゃん)と田中さんとの会話スタイルの講演会でした。あまり経験がありませんが、こういうスタイルも悪くないですね。

主題は、「世界で戦うということ」だったのですが、あまりそういう険しいイメージではなく、愛ちゃんの選手生活を過去を振り返り返る。そのなかで外国人選手との接し方や海外での生活などに関しての思いをとにかく自然体で語ってくれた。そういう講演会でした。

■いつからテニスを始めた?きっかけは?
5歳からテニスを始めた。両親の趣味がテニスだった。色々やりたがりで(バレエ、ピアノなど)チャレンジしていたその中のひとつがテニスだった。(スキャモンの成長発達曲線(7〜11歳はいわゆる天才。すごい吸収力を発揮する時期)を意識したわけではないそうです。これ、田中さんの受け売りですが。)
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■テニスは、とにかく自発的に始めた!
小学校2年生の時から本格的にテニスをした。とにかく楽しかった。練習も自発的にした。そのころからプロも意識していてクリスエバートが好きだった。だからといってプレイスタイルが同じだったわけではないが。

■テニスの何処が好き?
”打感”がとにかく好きだった。週5回の練習も楽しくてしょうがなかった。そういう楽しい状況が25歳まで続いた。半面、17歳からプロになったが楽しいばかりで本当の意味でのプロに成りきれていなかった。趣味の延長線上。(趣味の延長線上でプロになれるんだから凄いっすね。)

出来なかったショットや、勝てなかった人に勝てた。海外遠征や外国人の友人が出来るなんていう特別感も堪らなかったかな。

■勝負に対してネガティブな感覚とかあった?
負けず嫌いではあった。子供の頃に家族とトランプをして負けるとジンマシンが出るほどだった。
テニスで負けた時の心理状態は?ジュニア→一般→プロと順調すぎるぐらい順調でフィーリング重視でやってこれた。勢いだけみたいなところがあった。(ネガティブなところは無いのか。愛ちゃんは。)

ただ、25歳の時に転機が訪れた。25歳でダブルスで世界ランク一位(タイトル9つ獲った)ダブルス中心のツアーになっていった。が、自分はシングルスプレーヤーとしてのプライオリティが高い。ダブルスとシングルスとを別々のものとして捉えていて、シングルスの方がグチャグチャになってしまった。どうやってフォアハンドは打つんだろう。と悩むくらいまで深刻だった。自分を見失った状態でもう上手になれなんじゃないかと思い始めてしまった。

母に相談したら、一喝「ここでやめたら全て何をやっても中途半端になる!」このアドバイスを聞いて眼が醒め誰よりも自分を知ってくれている母親をそのときからコーチにした。(お母さんは、学生時代にスキーをやっていたこともあって体のメカニズムやトレーニング方法などに関してはかなりの知識を持ち合わせた方とのこと。たしかにテニスは素人だが求めるところは、メンタルな部分だったようです。)
(田中さんによると24〜25歳で自分を見失うJリーガーなども多いそうです。なにか節目の年齢なのかもしれませんね。)

■25歳で自分を見失って1年半後に取り戻した。
テニスを頑張るというのは、イコール世界で戦う。ということになります。世界ランキングを意識しながらテニスをするわけですから。

25歳からは、世界ランクTop10の選手ならどういう振る舞い、プレイをするか意識するようになった。(具体的な行動技術や行動事例を模倣・学習する対象となる人を想定して、日常生活含めてイメージする。ということだそうです。○○さんのようになりたい。そういうのをロールモデルというそうです。)
ただ、そうやっていくうちで思ったことは、「自分は、自分だ。」これは本質的に保つ必要があって、他人に成りきる必要はない。良いと思ったことだけを取り入れて行く。

上背がある選手に対して苦手意識があったが、イメージトレーニングで克服するようにしてきた。
世界トッププレーヤーになるには、総合力。細部にも拘って鍛えるようにした。
(そう言えば、イチローも相当入念ストレッチをする。指先から体全体まで一つ一つ。と聞いたことがあるが一流プレーヤーは、そういう気遣いをしているんですね。)

■ポジティブ派(絶叫型)かネガティブ派(内面に訴えるタイプ)か?
田中さんによると、自分探し、メンタル的に落ち込んだ状態から盛り上げて行くための手法としてとにかくポジティブなスタイル(アメフトなどで見る トレーニング中にやれる。俺はやれる。やれる!と絶叫して気持ちを高揚させる。)と、自分の内面に語りかけていく方法とがあるそうです。
愛ちゃんの場合は、内面に訴えて行くスタイルだったそうです。

呼吸法、歩き方なども見つけていった。(腕をまわして心の中で)「出来る。絶対出来る。」と自分に言い聞かせていたそうです。なにやら雰囲気というかオーラというかエネルギーは伝わるものなので対戦相手に「(こっちの)コート全体のエネルギーは絶対に負けない。」という意気込みをつねに持っていたそうです。そういう雰囲気っていうのが相手に対してプレッシャーになる。エネルギーで負けていたらその時点で負けだとか。

メンタルトレーナーある日から付けたそうですが、さすがにお母さんは近すぎる存在だったので自分に対して先入観が無い友人からの紹介のドイツ人メンタルトレーナーを選んだそうです。そのトレーナーは、様々な質問をしてくれて、普段自分が考えないようなことに関しても質問してくれた。違った質問、聞き方をされることでいろんな気づきをくれた。とのこと。

■ダブルスの時の相手はどのように選んでいたのか?
一緒にいて楽しいプレーヤーとペアをくむようにしていた。話し合いで決めていた。オフの時含めて楽しいそういう相手を選んでいた。(だからなんですね、現役選手からも愛ちゃんが好かれる理由は。愛ちゃんがBSで解説している番組内で現役トッププレーヤーにインタビューしているらいしですがそこで出る選手からのコメントは、普段はあまり聞き出せない。話してくれないような事を心を開いて行ってくれる。観ている側もそれが番組の魅力となっている。らしいですよ。そういうのは、彼女が如何にプロ選手仲間といい関係にあって皆から好かれていたんだな。と思いました。)

仲が良いから本音。本音をぶつけ合うから益々信頼関係が築けた。ってところはありますね。

■トッププレーヤーというと、難しそうな人が大体ですが。良い意味で愛さんのその人柄はそうじゃないですよね。
「テニスだけ出来ても駄目、テニスをやっているからこそ人間的にも素敵じゃないとママは嫌。」というお母さんの教えが礎になっているそうです。

■ところでお父さんの話ってなかなか出ませんが。。お父さんは確か歯科医で。。
父は、とにかくマイペースな人で。まあそれで助かっています。例えば、長い遠征から帰ってきてちょっと時間があるから夕食一緒にしない?って言ってももう食べちゃったから次の時ね。その日に帰って来るって知っていてですから。本当にマイペースな人です。父と母の両方が私にベッタリもしくは、取り合われても困るので。距離を保ってくれてますね。

■なぜもっと高い目標設定をしなかったんだろうね。
田中さんは、私は銅メダル獲ります。っていって銅メダルを小谷実可子さんとソウルオリンピックで公約どおり獲得。愛ちゃんは、プロになった時の記者会見で「世界のTop10に入ります」って宣言して世界ランク8位。オリンピック背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地さんも「金メダルを獲る」といったが2個獲るとは言わなかった。。。
世界ランク8位(28歳)のあと、Top10から落ちたあともまたTop10入り出来ると信じて30代もテニスをしていた。守りに入った?それどころか「常に前進」と思っていたので次はNo.5と思っていた。何か不思議なもの。なんでプロになるときに世界トップって言わなかったんだろう。って思っちゃいます。(いわゆる「言霊」みたいな部分と、自分の意識付け、メンタルな部分への影響力の両方を感じますね。)

■引退してからのテニス観。
引退してからテニスを観戦すると見え方が違う。いろんな設定は自分で自分にフィルターをかけてしまう。こんな風に見えていたらもっと上手く戦えたのに。と思う。プレーヤーをやっていた時よりも知識は増えている。(これって、伊達公子さんがコメントしていたのと似ている。そういう部分を上手く引き出して結果を出しているみたいですから愛ちゃんにも復帰してもらいたいな。でもプレイスタイルが違うからな伊達さんとは。。。)選手の時は、バランスをとろうとしていたが今は、自然体でいられるので大変楽になった。

■4大大会62回連続出場(世界記録)に関して。
これは(伊達公子さん含めてめて)現役選手、相当リスペクとされていますが、達成の秘訣は?

連続出場記録が目的としてテニスをしてきたわけではなく、結果です。自己管理ですかね。つまり当たり前の事を継続してきたことかな。バランスのいい練習、食事、睡眠、時差調整、そして異文化からストレスを受けないように自己コントロール(異文化を自分の中で受け入れる。)コートに入るまでの準備も入念にやりましたね。体をシャワーで暖めて、指先含めてストレッチを入念にしてみたいな。

■伸びる選手ってのはどういう選手ですか?
ちゃんと挨拶が出来る。とか、練習態度がポジティブな選手ですね。人間力、器が大きい。と感じるジュニアは伸びますね。私結構見る目あります!

■現役引退した理由は?
2009年に引退しましたが、その年はスタートも良かったです。ただ一旦風邪をひいてしまってそれからなかなか調子が戻らなかった。で、練習不足になったなまり気味の体を戻すためにフィットネストレーニングを重くして転戦を繰り返して行った。確かに調子は戻ってきたがこのキツいやり方を来年も続けられるだろうか。って考えると難しいと判断して引退を決意しました。

こういう講演会で良く言われるのですが、伊達さんのように復帰しますか?って。
でも、「100%復帰はないと思います。」(残念〜っ。)現状維持ではなく、常に前進を考えるようにしています。

■愛さんにとっての「やりがい」とは?
「自分のなれるベストになる!(他人と比べてでは無い!)」
■納得感のある人生とは?
 悔いのない人生を毎日を送って行きたいですね。

 最近、人間力のある選手があまりいない。当たり前のことを当たり前のようにする。日々集中する。というのを実践して欲しいですね。

それにしてもナチュラルで魅力的な笑顔とコメントの数々、人間的な魅力を感じました。人間力というとなんかエネルギーばりばり。というイメージをもっていましたが、杉山愛さんのような自然体で相手を包み込む。そういうことが人間力なのかもしれないと思った次第です。

なにやら、自分が伸びないわけがよ~く分かった気がしました。

ではでは。

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