色の表し方 [動画撮影]

以前書いた、記事

LOG撮影ってなに?(その15)色空間とは④ 光源色の表現方法(その2)http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01-2  の終わりに、

「XY表示系は、XYZ表示系。ただし、色相H、色彩Cの情報はあるが、この表記系では、明度Vの情報はカバーされていない。」 
この点から話しをしてみたいと思う。

と記述しながら、結局この点にダイレクトに触れる記事を書いていなかったことに気づいた。

なかば、反省というか、自らの理解の整理のために考察してみたいと思う。

『色の表示系』には、パーフェクトなものがなくいくつかの手法が並立している。というのが基本理解。いくつもある表示系にたいしての断片的な理解をつなぎ合わせて、すこしでも理解のための糸口を探っていきたいと思う。

■顕色系体系
①マンセル表色系
 3つの座標軸(HVC)をもっていて、表色系は立体を形成する。

17505af8.jpg

マンセル表色系の場合、
色相ごとに最高彩度やその明度の位置が異なるため、いびつな形をしている。[1]

  ・マンセル色相(Hue:H)

circle.jpg

  ・マンセル明度(Volume:V)
  ・マンセル色彩(Chroma:C)

C_color_31.jpg

・マンセル表色系は、教育、環境調査、インテリア、工業、食品、景観条例、薬学、安全色彩など、幅広い分野に用いられており、国際的に容認された、主要なカラー・システムである。[1]
・マンセル表色系は、測色管理用の色体系としてJISに採用されており、JIS標準票は、この修正マンセル表色系を採用したものである。


■混在系表色体系
 (顕色系では光源色や半透明色を測色できないため、光の刺激値を測色して数値を定めた混色系の体系。代表的なものにRGB表色系、XYZ表色系、L*a*b*表色系などがある。

①XYZ表色系(xy色度図で表現される)
x+y+z=100%を前提としているので
x,yの値を代表パラメータとして表記している。
(3次元情報→2次元表記が可能になっている背景)

xy表示系スクリーンショット 2015-11-04 6.52.43.png

②L*a*b表色系

xy色度図は光の原刺激値を基準にしているので
人間の感度が高い緑色の領域が広い。

CIEは、2色の色差が座標上の幾何学的距離に等しくなる
ような均等色空間で表現した。それがL*a*b*表色系です。

Lab.jpg




カメラやモニターなどの技術説明でよくつかわれる①XYZ表色系に戻そう。
この表示系xy色度図では、色相、色彩は表現していても明るさは表現されていない。

巷では、4K放送にむけてより魅力的なコンテンツにしようということで各社HDR(High Dynamic Range)話題にしている。(4Kが決まるまえに、さらに8KのHDRを検討、推進しようという動きもあるらしいが。)[4]

何がちがうの?

いままでは、709基準での表現を前提として撮影デバイス(カメラ)も表示デバイス(テレビ、モニター)の動作範囲が決めていたが、カメラの性能、モニター側の性能も格段に伸びている。
ならば、そのポテンシャルを生かした色域(表現できる色相、色彩、そして明るさ)に拡大しよう。
というのがHDR。

撮影側と表示側、双方がHDRに対応していないと成立しないがHDR化すると4Kで解像度がアップした映像が高輝度、高コントラスト化によりさらに活き活きした映像に生まれ変わる。

sony14.jpg
[3]

2890_02.jpg

これをグラフで表現するとこうなるそうだ。

言うなれば、敷地面積を広くしつつ建物の高さを高くした感じ。
(8階だったものから14階建てなった感じ。)

これにより色相・色彩の領域が広がると同時に明るさ方向の情報も拡大される。
意外とこのあたりをスパッと表現してくれる人も資料もなかったりするのでモヤモヤする。


y_BVM-X300_009.jpg

[3]

これに対応させるために撮影側(カメラ)は、709のガンマではなくLog撮影もしくは、RAW記録をすることになる。

ちなみに、色域も単純に広くすれば良い。というものでもなさそうだ。
あまりにひろい色域を同じ階調(256)で表現しようとすると、ステップ幅が粗くなってしまう。トレードオフの関係があることも忘れてはならない。

なんか少しは、色空間への理解が深まった気がする。

色空間.JPG
[5]


ではでは。



[1]
徹底図解 色のしくみ―初期の光学理論から色彩心理学・民族の色彩まで (カラー版徹底図解)

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  • 出版社/メーカー: 新星出版社
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本




[2] “色といろいろ日記” http://mycolorm.exblog.jp/265766

[3]BVM-X300(ソニーHP)
http://www.sony.jp/pro-monitor/products/BVM-X300/feature_1.html

[4]【コラム】IBC報告2 放送用4Kズームレンズ出そろう BT2020対応モニター開発へ、量子ドットによる発光技術に期待 BBC R&Dは音声の自動テキスト化を研究(InterBEE HP)
http://www.inter-bee.com/ja/magazine/creation/detail.php?magazine_id=2582

[5]
すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル

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  • 作者: 上原 ゼンジ
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本



[6]InterBEE Online 2015
http://www.inter-bee.com/ja/magazine/creation/detail.php?magazine_id=2890
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