田嶋幸三さん、熱かった!ぐっときた。 [講義・授業]

日本サッカー協会の副会長、田嶋幸三さんの講演を聴けた。一言で感想?熱いっ!最高に熱い方だった。当初Q&A含めて90分の講演が、ご自身のお話だけで約100分間。Q&A込だと120分間コース。熱が入っていてまったくだれることがなく終始ハイテンションの講演だった。幾多の講演会に参加しているがベストプレゼンテーションの一つだと言い切れる。それぐらい感激した。ぐっときた。だが、熱いだけではない。如何に組織として成果を出していくかの方法論に関しても論理性をもって取り組んでいてそれが表現されているところに凄さを感じた。
いわゆる、リーダーには、”熱い心”と”論理性”の両方が必要だ。と言われるが、田嶋さんからはその両方を感じたということ。リーダーシップを学ぶ、感じるための話として大変素晴らしかった。
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■田嶋さんの熱さ
【選手時代は、理解できなかった事】
 田嶋さんのホンネを終始感じる、手応えをガッツリ感じる講演だった。現在協会を率いるマネジメントの立場になって気づいたこと、思っていることを、やっていることを説明してもらった。だが、じゃ、選手時代はどう思っていたかを正直にコメントしてくれた。たとえば、組織をまとめる、何かを成し遂げるには、理念とか、ビジョン、約束(コミットメント)が必要。これが無いと結果は出せないと思っている。という話も、じゃ田嶋さんは昔からそう思っていたかというとそうじゃなかった。選手の頃は、なんの意味があるんだろうか。と思っていた。とか、僕がフォロアーシップについてどう考えているか。控え選手が腐らずにチームと一体化させるにはどうしたらいいか。どうやったらアジアカップの時の森脇選手のように振舞わせることが出来るか。(彼の場合は、そういう資質がそもそもある選手ではあるらしいが。)と質問した際も、「そう、それに気づいてくれたのが嬉しい。そうなんだよそういうチーム状態だからつよいんだ。でも、僕の選手時代は、僕が試合にでられなかったときは、悔しくて。負けちゃえばいいのに。ぐらいににしか思えなかった。だから勝てなかったんだろう。」と飾り気のない言葉で語ってもらえた。等身大での語りにリアリティを感じ、納得感が増した。これは僕だけに限った話ではないとおもう。惹きつけられっぱなしの田嶋さんの熱い語りだった。


(余談、僕はいま会社の中では控え選手だ。もしかしたらずっとブルペンで凄し試合に出られない可能性もある。そういう状況で僕の心も田嶋さんの選手時代に似ている。なんで僕が選ばれないんだろうか。どう見ても僕の方が能力はある。それなのに何故だ。彼らに事業を大成させる能力はない。早く負ければいいのに。に近い感情すら覚える時がある。来るか来ないかわからないチャンスの為にも肩は作ってある。だが、このままの時間を費やしていていいのだろうか。。。チーム(会社)を変えれば、登板のチャンス貰える自信もある。このチームでないと発揮できないようなそんな実力じゃない。複雑な心境が去来するのだった。学んでも学んでも、僕は森脇良太にはなれない。。以前書いたブログを思い出していた。心境はあまり変わっていない。http://mike-shimada.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01

【現場に居た人に作らせたFootageだからこそ、感動を生む!】 
もう一つ印象的だったのは、田嶋さんの涙。なでしこジャパン、侍ジャパンのビデオを編集したものを見せてもらった。数々の試合のダイジェスト版。日本サッカー協会のスタッフが編集したもので確かにグっとくる。真っ暗な教室のなかでスクリーンに映し出されたそのビデオをみてウルウルしてしまった。ビデオが終わって、田嶋さんのコメントのとなるところで田嶋さんがウルウルしていた。これにはホント、ぐっときた。言葉にまさるメッセージの伝達がそこにあった。参加者みんなに伝播していたのを感じた。その時に田嶋さんが教えてくれたことがまた印象深く、僕に刺さった。「このビデオ、うちのスタッフが編集してくれたんです。試合の前線でサポートしている彼らが創った。だからこれだけ伝わってくるビデオになってるんです。編集のプロが、放送局の方々が作ったらこうは、なっていないはず。実際に現場にいてそして、選手と時間を共にしている彼らが創ったから感動が大きい。」僕もそう思う。現場、共有、共感、そんなものがチームワークを生む。そういうことを大切に出来るリーダーは素敵だ。

■田嶋さんの論理性
【ビジョンの共有】
 理念、ビジョンのところに話を戻すと、彼らの約束が印象的だった。まず、中期、長期の約束が設定されていること。そして、妙に背伸びしすぎず、遠慮せず多少のストレッチを感じさせる約束事になっていることに感心した。単なる夢ではない。と思わせるものがあった。実際、田嶋さんの構想と現状の実力(とくにトップチームの能力)、や、実際の活動(日本のサッカー人口および、トレーニングの仕組みや、指導者の育成プログラムなど)などを聞くとそう思ってしまうのだ。この約束事を成就させるためには、トッププレーヤーだけでなく、それを育むための壮大なる環境が必要だとするとやはり、田嶋さんが言うとおりに理念、ビジョン、そして約束(コミットメント)がいかに大切かが理解できる。会社という分かりやすく、目標設定にたいしてコンセンサスが取りやすい組織ですら全員を同じ方向に向かわせるのが難しいのに、ましてやサッカーへの想いや取り組み方が千差万別の大集団を同じ方向に向けるのだから重要である。という話。これを凄く論理的に話してもらえたと思う。

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【感情に訴える方法】
 論理性と表現していいのか分からないが、先ほどのビデオの話をしてみたい。講演のなかでは表現されていないし、このポイントに触れることで効果が下がる可能性があるので田嶋さんは表現されないと思うのだが僕がおもったこと感じたことを表現してみたい。感動のビデオは、ある種の洗脳ビデオ。として活用出来る。結果としてそうなる。バラバラの集団であっても、自分は日本人。だと思っているひとが一つになる、させる力(ちから)をあのビデオから感じた。想起したのは、ヤマト運輸さん。以前、ヤマトの方に社員教育ビデオを見せてもらった。内容は、ヤマトの配達員の方が配達作業中の出来事をコメントしたものを綴ったもの。自分自身がこの仕事に就いて良かったと思う出来事。が隠しテーマになっている。このビデオは、社員に見せているそうだが、いつも現場でお客様に叱られることが多い、ドライバー社員の皆さんをグっとさせること間違いなし。自分の仕事に誇りがもてる手応えを感じることができる。それを狙いとして作っているのだとおもう。実際僕もそれを見て泣いたし、一緒に見ていたヤマトとは無関係のおじさんたちも泣いていた。この類のビデオは、O.Lなどのイベント運営企業などでは当たり前で相当力をいれて作りこんでいるそうだ。それも内製ビデオである。という部分が田嶋さんの話との共通項。論理性と言ったら言い過ぎだとすると、計算と表現しておきたい。熱さの上に計算も入れられる。といったところだろうか。

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■その他のグっときた話。
【エリート養成の必要性】
 エリート養成に関してのコメントの数々が深かった。リーダーシップを養成するには、エリート教育は欠かせない。というのは常常僕もおもっているところではある。ただし、日本では議論が避けられている領域。だからこそ興味がモテた。田嶋さんは、誤解を恐れずに正面から取り組んでいるところに感銘を覚えた。「自分の才能を活かして、社会貢献出来る人のこと。才能をもった人が私利私欲ではなく、貢献出来る。それが目指すところ。」という言葉からは、「高貴さは (義務を) 強制する 」 noblesse oblige の精神を想起させられた。エリート教育を受けるということは、全体に対して貢献するという義務も伴うということ。それ以上に、感心したのは現実的な話。エリート教育していくなかで意図的に選手を引き上げる(プルアップ)する必要がある。だが、プルアップした選手が必ずしも大成しないが、プルアップしておかないと。。。この必ずしも大成しない。というところにリアルを感じた。実際そうなっているのも確か。それに対しての解説が想起させてくれたのが、ロールモデルの重要性。プルアップした選手がロールモデルになってチーム全体が引き上げられる。その中からその選手を超える選手が出てくる。だからロールモデル=エリートは作っておかないと。という理論だと理解した。これは僕にとって腹オチ感があった。

【フェアプレー賞 】
70年代からフェアプレー賞をもらっていた。フェアプレー賞もとりながら優勝した。最後まであきらめないこともふくめて。
やはり強くないと、結果を出さないと評価されない。でも、結果を出すためにはなんでもあり。というのでは長期的には望ましくない。そう考えると、もしかしたら日本の外交もいつかは大きく評価されるかもしれない。先日も官僚の方の話を伺っていて思ったことだが、日本の外交は、異国に比べて怖いぐらいにフェア。フェアな姿勢を重んじている。それが不甲斐ないとメディアで取り上げられているのが現状。だが、50年後、100年後の日本への評価はどうだろうか。凄く、尊敬すべき国として評価されているような気がしてならない。そんなことも想像させてもらえるないぢょうだった。

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【結果を出さないと。】
 やはり試合で勝つこと、結果をだすことが士気を高める。いくら素晴らしい育成プログラムだの、優れた指導者育成制度だのといっても。勝たなくてはいけない。これは本質てきかつ現実論だ。自分に当てはめると、魅力のある製品、売れる商品が無いと全ては否定される。だからこそ、全ての活動の目的は、一義的に”強い商品を作るため”とすべきだと改めて思った。

リーダーシップ論・目標設定とその実行〜JFA2005年宣言の推進〜という題目で日本サッカーを例に話をしてもらったが多くを間がさせられる講演だった。今後も僕の心に残る講演の一つになりそうだ。

【ぐっとくきた言葉】
日本サッカーのスローガン
DREAM(夢があるから強くなる) 
いい言葉だ!

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ではでは。
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