リー・クアンユーさんの話を聴いた。  第17回 アジアの未来 [講演会・セミナー]

待ちにまったその日。それが昨日2011年5月26日。日経新聞社およびJCER主催による第17回アジアの未来 に行ってきた。なにをするために?リー・クアンユーさんの話を聴く為にだ。他にもアジアの要人(マレーシア首相のナジブ・ラザクさんら)が参加していたが僕のプラオリティは断然リー・クアンユーさんだ。アメリカの影響力、中国の今後、そしてリーダー論。有意義かつ一瞬の出来事だった。僕にとって忘れられない一日になった。

[対談]リー・クアンユーさんvs柳井俊二さん(元駐米大使)
柳井さんが投げかけて、それにリー・クアンユーさんが応えるという形式の対談。40分間の対談だったが、あっという間だった。会場の最前列2列は、関係者用に確保してあった。第四列目の略中央に関が取れたのでかなり前で観たことになる。光栄だった。その関係者用の座席に座る人たちは、登壇者毎にいれかわるだがさすがはリー・クアンユーさん、この時ばかりは国会議員らしき人も座っていた。

ピクチャ 3.png

リー・クアンユーさんは、凄い。と日頃から言う割には肉眼で拝見するのが始めてなので印象が思っていたのと違うこともありそれはそれで発見だった。すらりと長身。年齢が年齢で階段の上り下りは厳しい印象でも、オーラはしっかり感じた。

で、柳井さんの質問に対してのリー・クアンユーさんの回答をメモしたのでここに書き記しておく。

「外から観た、今の日本をどうおもいますか?」
冷静にそして集合的に尊厳をもって事にあたっている。そして日本の復興の仕事は早い。福島原発でも仙台空港に関しても。とにかく回復は早い。日本人の復興能力が高い。昔から、天災の多かった国だからだろうか.防災キットが家にあって、備えていると聞く。日本人を褒め讃えたい。

「東アジア発展のために中国が成すべき事は」
今のGDPがアメリカの半分だとしても、平和裡に事を進めれば何れはアメリカを抜くだろう。その場合もアメリカ次第というのがある。アメリカが衰退すればもっと早くなるだろうし、中国の発展をアメリカが受け入れるのかそれもと違った反応をするのか。そういう事に掛かっている。中国そのものの話もあるがアメリカの反応にもよる。

「自由貿易圏に関して」
開発の段階も国によってバラバラ。そのバラバラ度はヨーロッパ連合よりもダイナミックレンジが広い。ただ、皆成長したい。という一点では共通している。ASEANプラス3(中国、日本、韓国)そして、オーストラリア+NZ+インドを含めたものにすべき。そしてさらには、アメリカ。アメリカは大切なパートナー。自由貿易にはアメリカが入ってないとダメだと思う。

「アメリカの影響力をどう考えますか」
アメリカは債務に苦しんでいるが最もダイナミックな国。この質がアメリカを復活させる。アメリカのアドバンテージは言語。アメリカには100万人、200万人のインド人、アジア人、ヨーロッパ人。様々な人材を集めている。中国にはそれが無い。言語が難しいというのは障害。この障害(多様な人材を集められる国はやはり強い。)はおおきい。

「シンガポールが建国するときに英語を選択しましたよね」
中国語しか選んでなかったら今の発展は無かったと思う。ビジネスをやるにはやはり英語は必須。だからまったく(この選択を)疑ったことは無い。

「人口問題に関して」
先進国で出生率2.1人以上の国は2つだけ。アメリカとスウェーデン。アメリカには広い土地もあり、スウェーデンには寛大な社会保障制度がある。一般的なヨーロッパの国では子育てが負担に成っている。で移民を受け入れてそこでまた色々難しい事も起きている。でもそれに対して私もアイディアが無い。

「シンガポールも移民を受け入れていますよね。」
他にチョイスがない。シンガポールは日本より出生率が低い。新たな流入がなければ経済が活性化しない。シンガポールでは、さまざまな人種の方が増えて、元々居たひとたちがちょっと驚く。なんてことも実際起きていますね。

「中国の最近の状況に関してなにかコメントください」
経済成長には大変自信を持ってことに当たっている。この成長はあと10年は続くだろう。ただこのつけは環境の悪化、石炭などによる公害だ。上海とか北京に行くと霧っぽい。何らかの解決方法を探さないと行けない。煤塵は放っておいては行けない。回収することも必要だ。

「黄砂公害に関して」
中国は、乾燥した所も都市にしてしまった。だから黄砂が始終起きる。なるべく木を植えるなりして砂漠化をふせぐ。グリーンベルトを作るしか無い。

「中国の内陸格差にかんして」
これは大変難しい問題だと思う。解決出来なくても軽減は出来るはずだ。(もっと貧しい)移民を使って内陸部を開発して内陸部の人たちが沿岸部の大都市に行かなくてもいいようにする。とかの施策が必要だ。

「中国国内の格差は自然に緩和されるのでは?」
都市と農村だけでなく、都市内でも格差が広がる段階がある。それを政府の施策によって格差が広がらないように調整することが必要。リソースを使って格差解消のためのアクションは不可欠。さもなくば火種になる。

「中国の急成長にかんして」
中国バブルがはじけることはないと思う。ニーズに合うように政府は民間の建設会社を使って富裕層向けの住宅を作っている。それに反応して中間層向け住宅を民間が作っていたりする。中流階級層向けの住宅をつくるのは実は難しかったりする。

「中国の軍事力」
自らも成長したいと思うのでしょう。空母やより高度な潜水艦、ステルスなどを持ちたいと思うのは自然。経済力に見合った軍事力をもちたがるものです。だが、アメリカの技術力には叶わない。

「アジアの均衡力」
アメリカには、アジアに感心を持たせ続けることが大切。さもなくばアジアの均衡力は保てなくなる。

「リーダーシップにかんして。育てられるものなのか。その育て方は?」
まず最初に。リーダーシップは、人に関するもの。人に依るものである。ドイツでドイツ人のリーダを育てたとする。でもその人をフランスに連れて行ってもダメ。エネルギー、カリスマ性、人を集結させられる人、そういう人は限られた人。そんな資質を持っている集団が居れば、手助けは出来る。
こんな喩え話がある。オーストラリアでは1人で300〜400頭の羊を笛を吹いて犬をつかってコントロールしていたりする。で、「どうやって犬を訓練するの?」と聴くと。そういう資質を持つ犬を見つける資質のある人を見つける。ということだった。生まれながらにそういうリーダー資質は備わるもの。

なるほどの連続だった。
会場が妙に寒かったのだが、どうやらシンガポールなどからの要人が来客していたからのようだ。ご存知の方も多いように、中華系のカルチャーでは部屋はギンギンに冷やす。こんなに冷やせるほどここは繁盛していますよ。というメッセージとのことだ。会場で係員に「リー・クアンユーさんのセッションが終わったら部屋の温度あげてくださいね。事情は分かってますよ。」とアドバイスしてる人が居た。これも成る程。来年もこのアジアの未来は開催する模様。既に17年連続でやってるのだからそれも自然だ。リー・クアンユーさんまた来てくれるかな。とにかく有意義かつラッキーだった。

ほんと気合いの入ったセキュリティ。当然と言えば当然。各国それぞれSP用意していた。緊張感あったな。
会場に持ち込めるのは筆記用具のみ。よってこの写真には嘘がある。デジカメなんて持って入ろうものなら。。。。このスケルトンバックは支給品。お持ち帰りです。
DSC08304.JPG

嬉しかったもう一つの出来事。司会進行は、あのテレビ東京アナウンサーの大橋未歩さん。美しかったー。会場での撮影は一切制限されていたのでリー・クアンユーさんも大橋さんも撮影出来なかった。これが唯一の残念。それにしても厳戒なセキュリティー管理だった。

ピクチャ 1.png

ちなみに、「どこの局アナが好みですか?」って聴かれたら迷わず、僕はテレビ東京。大橋未歩さん、大江麻理子さん、そして森本智子さん。タイプです。
ピクチャ 2.png

ピクチャ 4.png

ではでは。
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