変革型ミドルの育成 橋本忠夫(多摩大学大学院 研究科長 教授) [講演会・セミナー]

橋本先生のお話を数回伺う機会に恵まれたことは、先日触れたが何度か触れていみたい。知性を感じさせるというのだろうか僕にとってとにかくストライクな方。

多摩大学rapport(学内誌?)での寄稿文に大変感激したので触れておきたい。(かなり転記になるのでお叱りを受けるかもしれない。。。大目に見て頂きたい。)

変革型ミドルの育成
■アメリカンカルチャー
 100年以上世界を席巻してきたアメリカンカルチャーが優れている点は、当然のことながら数々ある。リーダーは、重要な使途後と見なせばそれを他人に任せず、自ら良く勉強して猛烈に努力する。常に先を見通して、今打つべきてを考える。反対者がいればディベートで打ち負かし、少々の障害はものともせず推進する。報酬は成果に従い成果に限りが無い以上報酬にも限りがない。一方、組織構成員の間にはリーダーとは本来そういう人間であり、組織目標に役立つ実力があれば年齢、国籍、性別等は無関係というコンセンサスが十分ある。以上のようなカルチャーをベースに作り上げられた膨大なマネジメントフィロソフィーやスキルの輸入、翻訳が日本の経営学史であり、その具体的導入のための様々な工夫、努力が多くの企業の経営史であった。

■閉塞感と変革型ミドル
 ところが2008年のリーマンショック以降、日米欧の経営の行き詰まりが指摘されるようになった。技術の進歩と豊かになった生活は商品の要求水準を限りなく高め、またIT革命による世界の結合は、企業、個人さらには機器間の情報コミュニケーション量の爆発となってマネジメントを本質的に困難なものにしている。マネジメント対象が量的、質的に従来とは比較にならないレベルで超複雑化し、マネジメントを根底から揺さぶり続けているにもかかわらず、その変化に気づかず同じパラダイムで乗り越えようとしてきたのではないだろうか。一方、終身雇用、年功序列、稟議制度や”出る杭をうち”意見を明確に述べることを嫌うなど従来型日本的経営と風土がそのまま復活するとは到底考えられない。
 しかし、これらパラダイムの定まらない時代の特徴として下記のような矛盾するメッセージが次から次へとファッションのように注ぎ込まれると、まじめなビジネスパーソンほど頭が混乱し行動を鈍らせているのかもしれない。
 ○今後は、専門家しか生きて行けない。⇔もっと広い見方の出来る人材になれ
 ○戦略思考が出来ない人は今後不要  ⇔現場力こそ日本のものづくりの原点
 ○仕事は個人ではなく組織でやれ   ⇔組織の枠に捕われず個人がもっと力を
 ○組織人の基本はルールの厳守    ⇔ルールルールというから組織が沈滞する
 ○行為の結果にたいして責任を取れ  ⇔行為とは関係なく結果に責任を取れ

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日本社会はバブル崩壊以降長らく閉塞状況から抜け出せない。その日本社会の時代を担うビジネスエリートの思考のフレームワークが混乱していては、未来を切り開く新しい規範は生み出せないまま地盤沈下を続けることとなる。グローバル時代に立ち向かいながら閉塞状況を打破するには、従来のトップダウン(ブレークダウン)経営とは異質の、真の全体経営を理解しようとする変革型ミドルの育成が急務である。
 マーケティングやファイナンスなどのスキルの進化も当然全体経営との有機的関係があり、全体経営と個々の役割、機能の進化、発展は同時進行させなければならない。それを十分認識した自主的経営参画人材こそが、イントレプレナー、事業部長、社長またはアントレプレナーへと成長する変革型ミドルである。
(橋本忠夫 多摩大学大学院 研究科長 教授)

”欲しいミドルは戦略型・変革型”と題して求められるミドル層を表現している人もいる。
(1) 戦略的・変革的課題を提案する。
(2) アイデアを実行し、展開する。
(3) タテ・ヨコに関連した行動をとる。
(4) 粘り強く、静かなる追求力をもつ。

なかなか居なさそうな人材にもみえるが、実は結構居る気がする。これが僕の実感。すてたもんじゃない。
あきらめるな日本。それどころか明るい未来に対しての答えに一番近いところにいるのが実は日本だったりする。
頑張ろうではないか!

ではでは。

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