徹底した”少数精鋭主義派のスティーブ・ジョブス” vs ”少数が精鋭になる派の井深大” [よもやま話]

 性懲りもなく、社内マーケティング&マネジメント勉強会を主宰している。始めてはや3年を経過した。始めたキッカケは、社内の大先輩の主宰されていた勉強会に触発された。というのと元来こういうのが自分自身すきだったんだな。ということ。さもなくば、毎月欠かさずにここまで継続できるはずもない。
この3年間の間にビジネススクールにも通った。(正しくは、通っている。この3月に修了の見込み。)そこで学んだことや、出版社、コンサルティング会社などの無料・有料フォーラム、セミナーなどにも出かけて得た情報などを惜しみなく共有し参加者を刺激してきたつもり。
 
 自分自身の頭の整理にもなるし、学習のモチベーションにもなる。聞いて理解したつもりになるのと、人に話して伝えたいことが伝わったと実感するのでは全く違う。

 だが悩みはある。運営方法が良くなかったのか、コンテンツが突き抜けてないせいか参加者人数が膨らまなかったことに反省と葛藤を覚えて居る。最大で15人、現在は落ち着いて7人程度といったところ。なんだか自己満足の域を達していない気もして時々虚しさを感じる。でもそんな時に限って、参加してないが資料を受け取ってくれている(僕が半ば勝手に送り続けている)相手の何人かから、”資料いつも読んでます。””メルアドが変わったので送り先を変更して欲しい”などの反応がある。だから止められない。というのが現状である。

 だが、3年間毎月続けてるとテーマ選びや、資料作りもなかなか辛い。手抜きをするなんて発想が無く常に全力投球でやってきたという自負がそう思わせているのかもしれない。3連休の間も頭を離れなかった。なんだか書き出しが愚痴だらけになってしまった。ここらで本題に移りたいとおもう。

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 優れた製品群たしかに、それはAPPLEの強さの象徴であり源泉。だからこそ、APPLEを語る上ではどうしても製品の話に集中してしまう。だが、どのような業務をしていたか、彼らの企業理念はどこにあるのか。それを理解することは大変重要であることに間違いは無い。例えば、APPLE Inc, Steve Jobsはとにかく少数精鋭に拘ったと聞く.その仕組みの一つがこれ。トップ100。[1] Jobs gathers these exceptional individuals to attend a top-secret, three-day strategy session at an undisclosed location. This event is so secret that members of the Top 100 are told not to mark the meeting on their calendars, and they’re not even allowed to drive to the location(ジョブスは、3日間の開催場所も公開されていない程のトップシークレットの会議を開催していた。各人のスケジューラーにマークする事を禁止されるほどの徹底ぶりだったという。)[2]

On Monday, Jobs officially discusses projects with other executives and has a marketing and communications meeting on Wednesdays.[4]

この根底には、スティーブ・ジョブスの「周りにいる人間は個人的に知っていたいが、私は100人以上のファーストネームを憶えられない。だから100人以上になると、組織を変えなくてはいけなくなって、今まで通りのやり方が出来なくなる。私は自分が全てに関われるところで仕事がしたいんだ。」というのがあるらしい。そしてこれは、マッキントッシュを出した頃から、スティーブが職場を離れるまで変わる事がなかった。という。これを制度化したのが”The top 100"だというのだ。[1]
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この姿勢は、スティーブ・ジョブスとウォズニアックら究極の有能な少人数グループ(徹底した少数精鋭)で行動しそしてそれを継続してきた。組織が巨大化したあともそれを意識的に継続したということを意味している。そして、それがアップルの成功を支えていたことは疑うべきも無い。

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それに対して、ソニーの創立者の一人、井深大氏もことに当たるときは、少数で。組織は大きくしないように。「会社っていうのは無闇やたらに大きくするもんじゃない」というのが口癖だったという。い井深氏は、良く現場を回った。よく人を知っていたという。誰にやってもらうかを注意深く選び、非常にテキパキと割り振る。適材適所を心得ていた。
ここからがスティーブ・ジョブスと井深大氏との違い。”適材適所”だけれど、人を評する際、安易に”優秀な人”という表現を使わなかった。必要に迫られれば、人は力を発揮するんだというのが井深大氏流の考え。少数精鋭に拘ったのも「精鋭を少数つれてくるのではなくて、少数になればみんな精鋭になる」と信じていたから。少数だからこそ、スピーディに物事は進むわけで、設立当初のソニーは正にそうだったという。
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 実際、中村末廣氏が1980年から91年に、イギリスのテレビ工場に赴任していた際に井深氏が定期的にその工場を訪問してくれたそうだ。そのあるときに、「どんな経営の仕方をしているんだ?」と聞かれたので、毎週金曜日に7人でやっているマネジメント会議のことを説明したら、「今後いくら会社が大きくなっても、その会議は7人以上に増やすなよ。それ以上あつあるといいことないぞ。」と言い残したそうだ。烏合の集ではだめ。自分が納得したことをスピーディにやれといのがメッセージだったようだ。[3]

 本質的には、スティーブ・ジョブスも井深大氏も同じ事を行っているが、その少数精鋭チームの作り方が違う。どちらも徹底しようとすると難しい。分かっているけど実行出来ない。。。だから多くの大組織企業は、大企業病に侵されてしまうのだろう。分かっているのと行動に移せるのでは大きく違うという好例なのかもしれない。

ではでは。

[1]
 
Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

  • 作者: ケン・シーガル
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/05/23
  • メディア: ハードカバー


[2]Apple Employees Tell the Secrets Behind Steve Jobs’ ‘Magic’ By Brian X. Chen
05.09.11
http://www.wired.com/gadgetlab/2011/05/steve-jobs-magic/

[3]”激動の90年、歴史を動かした90人 井深大 「少数になればみんな精鋭になる」”中村末廣(2012)文藝春秋 2013年 01月号

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/12/10
  • メディア: 雑誌



[4]
How Apple Works: Most Inside Secrets by Fortune
http://technology.ezinemark.com/how-apple-works-most-inside-secrets-by-fortune-7736c69fb2fc.html
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