一隅を照らす。ANAラーニング 従業員力向上作戦。そしてSelendipity 和田重恭 [講演会・セミナー]
昨年に引き続き、ANAラーニング株式会社主催の新春特別講演に行ってきた。
昨年は、たしか2部構成。今年は3部構成。(13時30分~17時までの3時間30分間。)
その中で僕に響いたのは、トップバッターの和田さんのお話。いくつか、記憶に留めておきたいことを取り上げておく。
1.人材的側面が求められる時代に。
企業価値を形成するものとして、以前から「経済的側面(競争力)」(品質、価格、生産競争力)、「社会的側面(市場存在力)」(お客様、標準化、環境対応力、コンプライアンス体制)などがあげられていたが、昨今はこれらに加えて、「人材的側面(市場価値評価)」(能力、成果対応。わかりやすい説明。緊急・新局面対応能力)が求められる時代になっている。それを支えるのが「従業員力」。
つまり、「従業員力」がブランド力につながる時代。
2.理念を行動指針に落とし込む。(漠然としていては現場は動かない。具体性をもって行動を促す。)
大切なことは、理念に基づいた行動の実践。
3.Pro-Userの力の活用。(現場のプロが知りえるノウハウをフル活用する。)
実際実務をやっているプロ、ルールを運用する当人たちの意見、ノウハウを吸い上げる仕組みが大切。
プロの担当者が知りえる特別ノウハウ、提案など日々携わっている担当者が一番良く知っている。
→On-Line問い合わせシステム。(提案・質問・確認・疑問などスタッフに何を発信してもよい。)
→組織内でモニター。2週間以内に返信。いつでも誰でも検索可能。
→挑戦・関心・自信・確信への「判断力」をつける。
(受け皿をがないと、情報発信されない。もらった情報にたいして反応しないと、情報発信が止まる。そういう”手応え”となる受け皿を準備して、貴重な情報を集める仕組みを構築した。)
★そういう仕組みをANAでは構築した。Team ANA Knowledge Operation.(略してTAKO)
4.TEAMの遠心力(行動)と求心力(仕組み)これが対になっていると「手応え」が生まれる。
(行動)提案しておこうかな。。。。(仕組み)結果の返事がくる。
(行動)調べておきたいな。。。。。(仕組み)問い合わせ(受信)先がある。
(行動)問題解決したいな。。。。。(仕組み)テーマ発信しやすい仕組み。
(行動)知っておきたいな。。。。。(仕組み)各種事象・管理情報の開示。
(行動)マニュアルみようかな。。。(仕組み)すぐに手に取れる最新版。
「人間は、手応えをもとめて生きている。」そうです。
(僕自身、手応え(反応)時々感じるのでこのブログも続けている。続けられる。なるほどそうだな。)
5.Engineering Staffという呼び名がプライドを育てた。
通常航空会社のエンジニアのことをメカニック。と呼ぶが、ANAではEngineer Staffと呼ぶ。
Staffに込められる意味は、デザイン&サポート。単なる整備士ではない。ということらしい。
(先日のGenius Barの話をまた思い出した。)
6.教えることに重要なリード・オフ姿勢。
①教えることが好きな事。
②他人の成長を喜ぶ。
③仕組みのレベルまで考える。
④率先して良いお手本になる意識。
組織は、生命を持つ。生命とは何か。それは自己複製をおこなうシステムである。
7.学ぶことに重要なリード・オフ姿勢。
①受講生が研修を盛り上げる。
②早めに来て前に座る。
③皆の前で情報発信する。
④目標は、「自分で教えられる。」
⑤教官能力を引き出す。
8.一隅を照らす。これ即ち国賓だ。
見えない部分においても、気づかれない場面においても担当者は、とことん自分の持ち場で100%の仕事をする。NHK 50ボイス「江」スペシャルを引用していた。
小道具さんは、江の雪駄の「はなお」の柄が時代にあったものにするために苦心していた。そのはなおは画面に映ることは略ないにも関わらず。
消えもの担当者は、ほとんど食されることのない食事の味付けを時代考証をした上で造りこんでいる話。などなど。そういう事が全体のクオリティを上げることにつながるという話である。
一見、そんなにこだわること?と思う事が実はものすごく大切だったりする。持ち場、持ち場で正しく仕事を遂行することの尊さを説いている。
エンジン整備の工程を例にとるとこうだ。
一見、あまり重要でなさそうな工程にプロとしての力量が問われる内容が多く隠されている。
分解(なぜこんなところが汚れているのだろうか?:エンジンが語るコンディションを知ることが出来る。)
↓
洗浄(なぜここの汚れが強いのだろうか?)
↓
検査
↓
修理
↓
組み立て
↓
検査
周辺・外部情報に隠された大切な情報がある。
9.Serendipity セレンディピティ
何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。
当日は、さかなクンを例にSerendipityの尊さを説いていた。
小学2年生の時に自由帳に巨大タコの落書きをされてから、タコ、そしてさかなに興味を持ち突き詰めて行った。その結果、いろんな人との出会いを生み、大きな成果に結果として結び付いた譚。なるほどである。
SerendipityとSerendipityとは、どこかで出会いそして、共鳴しあうそうである。
10.自信を持って人を責めるのではなく、人を助けるために自信を持つのだ。
これは深い。まことに深い表現。自分には、もっとも不足している部分だと感じた。自信はある。だが、責め一辺倒な自分を恥ずかしんだ瞬間だ。
これ昨年度のANA新春特別講演で出てきたGood Job カード。当日は、ダイバーシティの話がおおかったので
こういう話をもっともっと聴きたかった。(ダイバーシティを進める重要性は理解しているつもり。かつ、我が社はこのあたりに対して考察が深いほう?なので。)
ではでは。
昨年は、たしか2部構成。今年は3部構成。(13時30分~17時までの3時間30分間。)
その中で僕に響いたのは、トップバッターの和田さんのお話。いくつか、記憶に留めておきたいことを取り上げておく。
1.人材的側面が求められる時代に。
企業価値を形成するものとして、以前から「経済的側面(競争力)」(品質、価格、生産競争力)、「社会的側面(市場存在力)」(お客様、標準化、環境対応力、コンプライアンス体制)などがあげられていたが、昨今はこれらに加えて、「人材的側面(市場価値評価)」(能力、成果対応。わかりやすい説明。緊急・新局面対応能力)が求められる時代になっている。それを支えるのが「従業員力」。
つまり、「従業員力」がブランド力につながる時代。
2.理念を行動指針に落とし込む。(漠然としていては現場は動かない。具体性をもって行動を促す。)
大切なことは、理念に基づいた行動の実践。
3.Pro-Userの力の活用。(現場のプロが知りえるノウハウをフル活用する。)
実際実務をやっているプロ、ルールを運用する当人たちの意見、ノウハウを吸い上げる仕組みが大切。
プロの担当者が知りえる特別ノウハウ、提案など日々携わっている担当者が一番良く知っている。
→On-Line問い合わせシステム。(提案・質問・確認・疑問などスタッフに何を発信してもよい。)
→組織内でモニター。2週間以内に返信。いつでも誰でも検索可能。
→挑戦・関心・自信・確信への「判断力」をつける。
(受け皿をがないと、情報発信されない。もらった情報にたいして反応しないと、情報発信が止まる。そういう”手応え”となる受け皿を準備して、貴重な情報を集める仕組みを構築した。)
★そういう仕組みをANAでは構築した。Team ANA Knowledge Operation.(略してTAKO)
4.TEAMの遠心力(行動)と求心力(仕組み)これが対になっていると「手応え」が生まれる。
(行動)提案しておこうかな。。。。(仕組み)結果の返事がくる。
(行動)調べておきたいな。。。。。(仕組み)問い合わせ(受信)先がある。
(行動)問題解決したいな。。。。。(仕組み)テーマ発信しやすい仕組み。
(行動)知っておきたいな。。。。。(仕組み)各種事象・管理情報の開示。
(行動)マニュアルみようかな。。。(仕組み)すぐに手に取れる最新版。
「人間は、手応えをもとめて生きている。」そうです。
(僕自身、手応え(反応)時々感じるのでこのブログも続けている。続けられる。なるほどそうだな。)
5.Engineering Staffという呼び名がプライドを育てた。
通常航空会社のエンジニアのことをメカニック。と呼ぶが、ANAではEngineer Staffと呼ぶ。
Staffに込められる意味は、デザイン&サポート。単なる整備士ではない。ということらしい。
(先日のGenius Barの話をまた思い出した。)
6.教えることに重要なリード・オフ姿勢。
①教えることが好きな事。
②他人の成長を喜ぶ。
③仕組みのレベルまで考える。
④率先して良いお手本になる意識。
組織は、生命を持つ。生命とは何か。それは自己複製をおこなうシステムである。
7.学ぶことに重要なリード・オフ姿勢。
①受講生が研修を盛り上げる。
②早めに来て前に座る。
③皆の前で情報発信する。
④目標は、「自分で教えられる。」
⑤教官能力を引き出す。
8.一隅を照らす。これ即ち国賓だ。
見えない部分においても、気づかれない場面においても担当者は、とことん自分の持ち場で100%の仕事をする。NHK 50ボイス「江」スペシャルを引用していた。
小道具さんは、江の雪駄の「はなお」の柄が時代にあったものにするために苦心していた。そのはなおは画面に映ることは略ないにも関わらず。
消えもの担当者は、ほとんど食されることのない食事の味付けを時代考証をした上で造りこんでいる話。などなど。そういう事が全体のクオリティを上げることにつながるという話である。
一見、そんなにこだわること?と思う事が実はものすごく大切だったりする。持ち場、持ち場で正しく仕事を遂行することの尊さを説いている。
エンジン整備の工程を例にとるとこうだ。
一見、あまり重要でなさそうな工程にプロとしての力量が問われる内容が多く隠されている。
分解(なぜこんなところが汚れているのだろうか?:エンジンが語るコンディションを知ることが出来る。)
↓
洗浄(なぜここの汚れが強いのだろうか?)
↓
検査
↓
修理
↓
組み立て
↓
検査
周辺・外部情報に隠された大切な情報がある。
9.Serendipity セレンディピティ
何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。
当日は、さかなクンを例にSerendipityの尊さを説いていた。
小学2年生の時に自由帳に巨大タコの落書きをされてから、タコ、そしてさかなに興味を持ち突き詰めて行った。その結果、いろんな人との出会いを生み、大きな成果に結果として結び付いた譚。なるほどである。
SerendipityとSerendipityとは、どこかで出会いそして、共鳴しあうそうである。
10.自信を持って人を責めるのではなく、人を助けるために自信を持つのだ。
これは深い。まことに深い表現。自分には、もっとも不足している部分だと感じた。自信はある。だが、責め一辺倒な自分を恥ずかしんだ瞬間だ。
これ昨年度のANA新春特別講演で出てきたGood Job カード。当日は、ダイバーシティの話がおおかったので
こういう話をもっともっと聴きたかった。(ダイバーシティを進める重要性は理解しているつもり。かつ、我が社はこのあたりに対して考察が深いほう?なので。)
ではでは。
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- 作者: 和田 重恭
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